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薄くて暗い本当の心

これは私の心を写す物語


実は憎しみの心が渦巻いている

私は、人から見ると、明るそう、元気、話しかけやすい、温厚そうって
ほとんどの人から言われる。間違いではない。
面倒みが良すぎるなんて言われることも…。
ただ、その様子とは裏腹に、
とても濃い黒色の塊にいつも覆われている。家族への憎悪。嫌悪。言葉だけでは言い表せないほど長く伸びていそうな…。
毎年甲子園のCMでみる「長~~い、〇〇」ってふざけたくなるくらい長く重いものが体にのしかかっている。

血のつながりだけじゃない

よく映画やドラマで「子どもを愛していない親なんていない」って聞くことがあるけど、正直鼻で笑ってる。
たぶんこの言葉ってどちらかと言うと感動シーン。身近な人との大切さを感じている人も少なからずいるんだろうけど。私は無表情。
幸いなことにして不幸なことに私は、母、父、兄の4人家族という構成。親が病気だとか、交通事故にあっただとか。そういうのは特になくてどちらかというと裕福な家庭で育った。毎週温泉いったり、習い事もいっぱいして、家なんて全盛期4つもあった。

幼い記憶

子どもの頃の記憶はあまりない。あるんだろうけど深く閉ざされた。
深く深くタイタニックが沈んでいる場所くらい深いんじゃないかと思うくらい深い。両親は口を開けば喧嘩していた。私たち兄弟を巻き込んで…。
「あんたどう思う?」そんなこと聞かれ、幼い私は親の機嫌を伺っていた。
どこへ行くにも喧嘩。自分のことが大切で、口だけの愛。
「私はあなたたちを愛してる」そんな薄っぺらい言葉聞き飽きた。
私の心は砂漠くらいかれっきている。

あんたの親、あたまおかしいで

これはいつだっただろう、たぶん高校生の時。相変わらず母と父の仲は悪く、いつも喧嘩。幼い時わからなかった言葉…。「嫉妬」「親の遺産」「愚痴」など少しずつ理解できるようになるが、それでも喧嘩の雰囲気は変わらず嫌なままだった。そんなある日父の姉?自分からしたら叔母っていうんだっけ、そんな人が母のいない時にきた。父を連れていった。誘拐とかそういうのではなく、喧嘩ばかりして父が窮屈になっている状況を見かねてのことだという。「あんたの親、あたまおかしいで」
ひらがなを多く使い、可愛らしい表現にしたつもりでもこのパンチは重い。
分かってたつもりだった、私の家庭は変わってる。そんなことわかっていたはずなのに、改めて言われると、返す言葉がなかった。

反面教師

そんな境遇で育ってきたからこそ、理想っていっぱい描いてしまう…。
「家族笑いあいたい」「家族旅行を楽しくしてみたい」
「困ったことがあれば家族に相談したい」「親に気を使わない関係でいたい」
「お母さん、お父さんって本心で言いたい」
↑これ不思議なんだけど、兄も私もお母さん、お父さんって呼んでないんよね。下の名前に君をつけてる。〇〇くんって…。仲良さそうに見えるでしょ。逆なの…。認めれないから呼べない。別にDNA鑑定したいとかそういうのじゃなくて、ただ呼びたくない。母親として、父親として何をしてくれたのかなって。産んでくれたことにはもちろん感謝。でもそれだけなの。
今、反面教師でこんな親になりたくないともがいている。そうなるかもしれない不安におびえながら…。

拭えない過去

タイムマシンがあったら過去、未来どっちにいきたい?
なんて話、こどもの頃に一回はしたことがあると思う。
私の答えは、どっちにも行きたくない。
どっちか答えろよという意見はおかしてほしい。
私は「怖い」それが答えなのだ。
過去にいっても、過去のつらい記憶が付きまとう。たぶん過去にいっても変えられない。人間の行動、考えを変えようなんておこがましい。
未来もそう。過去の積み重ねで未来ができている。
分かってるの。過去は変わらないって。それが自分が生きてきた証だから。
その拭えない過去を背負って今を生きていく。

ほどよい距離感

だからこそ、今は両親と距離をとっている。自分のために。
近ければいいってもんじゃない。友達でもそうかなと思う。
毎日会っても飽きない友達、月1回くらいがちょうどいい友達。
年に1回会うのがいい友達。仲の深さじゃなくて距離感。
距離感を大切に今、生きている。
親と離れた今、やっと深呼吸できているような感覚になっている。

敢えて伝えない優しさ

そんな距離感を大事にしている私は、今両親と物理的な距離で近づこうとしている。転職も重なってそうなったが、私は親には伝えていない。
正直、車で15分もあれば会える距離。でも言わない。近づくと、また過去に戻ってしまう気がして。そんな自分を守りたい、自分に優しくなりたいって思って。本当は縁も切りたい。親不孝だとわかっていても。
敢えて伝えない。

二重人格

この物語を読んで私は何の仕事をしているかわかりますか?

答えは「教師」

普段教壇にたって、親を大切にしなさいとか、親にありがとうの気持ちをもとうねって言ってる。笑えるでしょ。お前が言うなよって思う?

そんな私だから自分のことを二重人格だって思ってる。
生徒にいってるのは、自分がしたかったことなのかなって。
生徒に伝えながら自分に問いただしている。
二重人格の自分を肯定もしないし、否定もしない。そんな自分だから伝えられることもあるはず。

次へのステップ

未来は自分で作っていくしかない。
今、やっと大人になって自分に向き合えた。
いつも「ん?なにかがおかしい」それで止まっていたけど。
今、やっと自分の人生なんだって。こんな人生あんまりいないんじゃない?
普通より特別のほうがなんかカッコイイみたいな。
やっと発信できた。こんな自分でも前向いて生きてんだって。
未来へのステップを今、踏み始める。

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