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ドイツの進学校の英語・外国語教育は高レベルなのか?

外国生活といえば、その現地語の習得が永遠のテーマです。私もドイツ語でもまだまだ知らない言葉が多く、外国語習得は「果てしない道のり」だな、と感じております。

日本では特に学校でも、語学力・特にグローバル社会に向けて英語力をつけようとか、そういうテーマがずっと存在・注目されているかと思います。

本日はドイツの英語教育の事実についてをお話ししようかと思います。
日本で今現在、学校で英語を習っている学生さんたちや親御さん世代など、外国語を習得してみようとしている人たちにも参考にしていただきたいと思い、今回はドイツ生まれの娘や息子が経験した語学教育についてをレポートします。

まず第一に、私が感じている、私が言いたいことは、ドイツは外国語語学教育が進んでいる、レベルが高い!ということです。

そういえば以前、ドイツは英語ノンネイティブ国の中で英語レベルが世界1、2位で、国民の英語レベルが高いとどこかの記事で読んだはず。

やっぱり、ドイツの英語教育は高レベルなのか?

ドイツでは、特に外国語の授業ではもちろん文法といった基本的なことは一番最初に教わりますが、ある程度聞き取りができて、聞かれたら答えられる1、2年間習得したくらいの作文も自分で短文なら書けるくらいのレベルになると、あるテーマについてのプレゼンテーションやディスカッションをしたり、さらに長い作文を書くという課題が与えられ、実際に言語を使用する練習に重点を置いているようです。だからなのが、ドイツでは英語やその他の外国語を職場や大学で使用・活用できるレベルがとにかく高い。
下記に紹介する実話からもドイツの英語教育のレベルは高いということを証明していきたいと思います。

実話1
娘の通うベルリンの進学校の英語のテストは自分の意見も加えたコメント的な
英作文を書くことが多いとのことで、ケンブリッチ英語検定で今年の夏にC1、しかも英作文はC2に(C1は英語圏の4年制大学に入学できるレベル、C2はネイティブレベル)合格した娘でも、高校のテストで満点を取れないって語っていたけど、それってどういうこと。やっぱりドイツの進学校の英語のレベル高い。ネイティブの高校並みレベルかもって思ったり。

高3の娘にもう少し詳しく聞いてみたら、高校2、3年生での英語の筆記テストでは主に環境問題やメディア、人種やジェンダーがテーマの英作文が出題されるのですが、満点は取れないとのこと。高校の英語のテスト、どれだけ難しいの。というか、テーマも難易度高そう、でも実用的。

ドイツ凄すぎ。でもこれ進学校のレベルですが、それにしてもこれらのテーマをマスターできたら、社会に出ても大いに役に立ちそうです。

実話2
高3の娘の友人が昨年夏にフランス語学留学経験、パリ郊外でのフランス人家庭でのホームステイを体験し、現地のフランスの高校に1ヶ月間通いました。彼女曰く、お隣フランスでの高校の英語授業のレベルは自分の通うベルリンの高校よりかなり低く、授業で英語を話す練習をしていないため、誰も彼女と対等に英語を話せる人がいなくてびっくりしたと言っていたのです。もちろん、学校のレベルによって違いはあるかと思いますが、一般的にそうなのだと思います。フランスのその高校では、英語の先生が授業中に生徒に一方的に英語で話し、音読や文法の説明などをするとのこと。フランスは私が通っていた日本の学校の英語の授業中を想像。とは言っても彼女曰く、先生はフランス人で英語圏出身ネイティブではないのでその先生の英語の間違いも気がついたとのこと。ちなみに、フランス留学した娘の友人はケンブリッチ英語検定に今年の夏合格しているレベルです。

実話3
ドイツでは、ギムナジウムといわれる進学校に通うと、高校3年の卒業直前にアビテゥーア(ドイツ語でAbitur)という大学へ入学するための資格試験を受験します。ドイツでは日本の大学入学試験と違って、入学希望大学の入学試験を受験するのではなく、住んでいる地域標準の大学入学資格試験を受験します。ドイツ南部はベルリン地区より試験のレベルが高いという、地域によってもレベルが異なるとも言われています。資格試験の総合点数は、試験の成績だけでなく、最後の2年間(高2と高3)の学校での成績も含めます。

アビテゥーアの英語試験は筆記試験で、一般的に高レベルです。試験時間も4時間とかと長く、与えられたテーマをもとに英作文、議論文を書いたりするとのこと。娘の通う進学校での高3の過去の英語のテストを読んでみたら、結構難しい。こちらでは7月上旬ごろに1学年が終了するので、アビテゥーアというテストは3月から5月にかけて行われており、生徒によって日程はさまざま。
このアビテゥーアについては、別の記事でさらに詳しくレポートしたいと思っています。

いわゆる受験対策として、高3の学校での英語のテストでも2時間半という長さで、アビテゥーア試験の過去問らしいものが学校のテストに出題されていました。内容というと、最近話題でもある環境問題やジェンダーについての英文の記事を読んで、自分の意見を入れた英論文や要約文を書いたりする問題や、ドイツ語の記事を読んでそれを英語のネイティブスピーカーに180字で要約した英文を書くという問題でした。

娘が学校で習う外国語

ドイツでは一般的に小3から(一部の小学校では小1から)英語の授業があります。娘は外国語習得としては小3から英語の授業を受け、中1からラテン語、フランス語は中3から、イタリア語は高校1年の時に1年間だけ習得。英語は
必須科目ですが、そのほかの外国語は学校により選択可能な言語が異なりますが、一般的には本人の希望により選択が可能です。通う進学校は特に外国語教育も熱心とであるとも言えますが、ドイツではこういうケースもありです。

また、日本語は日本語補修校で、幼稚部から中1まで日本語を日本の教科書を使用して勉強しました。ということで、彼女にとってフランス語は第3外国語なのかな?

先週末はフランス人の友達と彼のオランダ人の奥さんがうちにきており、高3の娘がフランス語を4年くらい学校で習っているので、友人とフランス語で話してみたら、もうちゃんとしたフレンチ会話になっていてやっぱりすごいんだと思ったわけです。

しかも、フランスに行ったこともなければ、フランス人の友人がいるわけでもない、学校でフランス語を習っているだけです。娘は来年のドイツの大学受験・高校修了試験の口頭試験科目にフランス語を選んだので、フランス語会話力をもっと練習しないといけないと先生にも提案されたばかりですが、話せるからいいレベルだと思いますが。

英語を習っても英語でうまく会話できない日本の英語教育を知っている私からすると、こうやって、学校で習っただけでとっさに外国語会話ができるってすごい。彼女としては、実はネイティブのフランス人と話したのは初めてくらいかも、とのこと。

そのフランス人の友人曰く、外国人が話すようなアクセントがなく、発音はネイティブみたいに話すらしい。やっぱり若ければ若いほど外国語習得するとアクセントってないのかも。

私の子供達はドイツで育ったので、やっぱりコミュニケーションに一番楽な言語は母国語としてのドイツ語、でも母国語というと母親の言葉だと日本語、ということは、父親はネイティブ並みのドイツ語流暢ですが、親がドイツ人ではないため、何かが少し違うのかも、と思ったり。しかし、息子のドイツ語は大学生でもあるし、ネイティブ並みであるから、やはり両親が外国人でもあってドイツネイティブでなくても、子供の時のドイツ語習得は確かに時間かかったのかもしれないけど、結局のところは関係ないのかも。
ドイツ語はドイツ語ネイティヴではない両親(私は日本人、夫は中東出身)から教わったわけではないと思うので、学校という周りの環境からドイツ語習得で、意外とどんな言葉もニュートラルに覚流ことができるのかもと思ったり。小さい時から色々な言語を、特に、日本語、ドイツ語、アラビア語を聞いて育ったので、それをよく耳にしていたからもうなんでもどんな言葉ももしかすると習得しやすい、なんでも来いなのかも、とも分析したり。

娘のドイツ語習得

実は、小学校に入学してから外国人の両親でありながらもドイツ語は問題なく習得し、進学校にも入学することができましたが、なぜか英語が大好きなこともありますが、英語が一番簡単とのことで、ドイツ語の方が最近まではむしろ難しい、と言っていました。

言い忘れていましたが、ドイツの成績はスピーチ部門・いわゆる授業中での発言力と筆記テストの両方が評価されます。むしろ5050半々の評価される場合も多い。クラスで発言しないようなシャイな子はどんなにテストで点数を取っても結果として成績はあまり良くないことになります。というか、ドイツでは授業中発言しないけどテストだけいい点数っていう生徒さんがいないようです。テストでの成績が良い子は、授業中でも積極的に発言するケースのようです。というか、総合成績良くないと困るから、良い成績取るためにアピールとして発言を多くするというケースが多いようですが。

筆記だけでは良い成績は取れないもので、頭のいい子はたいてい授業中に積極的に発言するという生徒が多いのです。昭和時代の日本の学校スタイルとはちょっと違いますね。

今では日本でもプレゼン力っていうのも学校によっては重要視されているところもあるのでしょうか、発言力ってどこでも不可欠であるもので、海外に住むと尚更必須であると思うので、私としては日本でもプレゼン力を重要視する学校が増えている状況であって欲しいです。

さて、英語検定については、私もかつては90年代ですが、TOEICとかアメリカの大学院に入学希望していたため、TOEFLやGREを受けたものです。

当時は自分としては英語力がなかなか上達しなかったことを思い出したり。今ではYou TubeやNetflixなどでも簡単に英語を聞くことができるって環境もあるかもだけれど。かつては英語会話CDやテープを聞いたりとか、あとはネイティブの先生と話せるレッスンに通ったり、英会話学校に通ったりしたものでした。

今のドイツ人の70代くらいの方に当時の学校での英語教育について伺うと、「英語を学校で習ったけど、話すという練習をしなかったので話せない」というかたがほとんどです。学校で習っても、その後仕事で英語を使用しなかった場合は、大卒者でも英語を話せない方がほとんどです。

ドイツでもこのように世代によって英語のレベルは違うようなので、現在の若年層から60歳くらいまでのドイツ国民の英語能力が高いと言えると思います。

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