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文化的なネットの秋

いつのまにか蝉の鳴き声が聞こえなくなり、朝晩には秋虫の声がするようになった。暑さだけが置いてけぼりの晩夏。

無駄に凝ってないけど知的好奇心をくすぐられるサイトを見つけるのがわたしの趣味の一つで、最近は暇があるとお気に入りのサイトを巡回している。

↑マルハニチロのサーモンミュージアム。

↑文化庁の文化遺産オンライン。

企業や自治体が運営しているサイトだけでなく、個人がこだわりの視点でコツコツ何かを追求しているブログやSNSも好き。いまだにサイトへの訪問者数をカウントしてるタイプの個人サイトだともっと好き。もともと興味のあるジャンルはもちろん、登山やバイクなどあまり経験がないジャンルも見てみたりする。何を言っているかちんぷんかんだが、楽しそうな文章を読むとこっちまでなんか楽しい気がしてくるのだ。暇人と言ってもらって構わない。これはわたしの道楽だ。(なお、食べログの独特さを受け入れるにはもうしばらく時間がかかりそう)

そもそもnoteのような長文投稿が可能なSNSに再挑戦したのは、そういったブログの隙間に落ちている人々の息遣いや思考の痕跡が好きで自分もそういうネット文化にちょっと加わってみたいから。今のところだらしのない更新頻度だが…。
まあそれはともかく、国会図書館のデジタルコレクションで秋を感じてほしい!

芳年『月百姿 金時山の月』,秋山武右エ門,明治23. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1306354 (参照 2023-09-17)

金太郎かな?『AKIRA』のナンバーズみたいでかわいい。
こういうかわいらしいものやサムネイルのような千代紙の図案は、見ているだけで心が和む。

香蝶楼国貞『(重陽の節句)』,佐野喜. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1305287 (参照 2023-09-17)

のちの歌川国貞による、重陽の節句の絵。太陽暦ではもう重陽の節句は過ぎてしまったけど。
左側の女性の総柄の菊模様のお着物が粋。ちらっと覗く紅色の長襦袢とのコントラストもおしゃれ。庭下駄を履いて足を軽く投げ出し、ずいぶんリラックスした様子である。鬢(びん。もみあげあたり)が左右に少し張り出しているから、江戸末期に流行った灯籠鬢に髷が大きく張り出して手絡は赤いから、若奥様といったところか。家にあるビジュアルムックと見比べてみると、たぶん丸髷。
隣のぽっくりを履いているのはまだ子供だろうか…?と思ってまたビジュアルムックを開くも、子供のことはほぼ記載なし。ネットで髪型を調べると少しはヒットした。どうやら銀杏返しをする年頃の手前段階くらいの「銀杏髷」らしいのだが、残念ながら引用元がわからない。調べてもしらべても男性の銀杏髷ばかり出てくる。そもそも成長段階にある女性の髪型やお着物について詳しく書いてあるサイトは、本日時点で見つからない…。ちゃんと文献にあたりたい。
こういうときこそまず手始めにデジタル資料で調べればいいと思うのだが、きのうの夜はポーラのサイトや久しぶりに引っ張り出したビジュアルムックを読むのに数時間費やしてしまったせいで、どうも眠くて仕方がない。これは宿題にしよう。

小学6年生の頃『篤姫』の影響で結髪やお香に憧れたものだった…。。もう絶版になってた

↑ポーラのサイト。『ウチの江戸美人』という1コマ漫画コーナーがかわいい。サイト内の髪型の写真は、『江戸300年の女性美』とたぶん同じものが使われている(著者がポーラの研究所員。現在は退かれているっぽい)

内容のうすーい宣伝ブログ、もしくは「○○○○の出身地は?彼氏は?調べてみました!」ブログ(出身地はwikiから引用、彼氏の存在は「わかりませんでした!」で済ますやつ)みたいになっちゃったな。
こんなふうに知的好奇心の赴くままに検索していると、あるいは実際に図書館や美術館に出向いて深掘りするでもよし。まだ暑いけど日が短くなってきていて、秋はすぐそこ。日が短いと気持ちは落ち込みやすくなりがちだけど、面白いことや関心の持てることがあれば自分の好きなように追求しながら愉快にやり過ごしていきましょう。
今日はこのあたりで。
ごきげんよう!

『千代かみ御見本』,刊. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2541095 (参照 2023-09-17)

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