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ドイツ詩を訳してみる

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#ドイツ

ひよこのるる訳詩目録

2018年11月以来発表してきたぼくの訳詩約70編の、作者別の目録です。もし気に入った作品を見つけたら、同じ作者や時代の他の作品も読んでみていただけたらとてもうれしいです。

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作曲家・ミュージシャン別の索引も用意しております。

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以下、作者の生年順に並べています。

Marcus Valerius Martialis/マルクス・ウァレリウス・マルティアリス(ローマ)
c.40-c.

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ノヴァーリス「もはや数字と図形が…」(ドイツ詩を訳してみる 21)

Novalis, Wenn nicht mehr Zahlen und Figuren (1800)

もはや数字と図形が
すべての生物の鍵ではなくなったら、
歌う者や口づけする者が
博識な学者よりも賢くなったら、
世界が自由な生命へと戻り
世界が世界へと還ったら、
そして 光と影が再び結ばれて
真の明るさとなって輝き、
人々がおとぎ話や詩の中に
世界の本当の歴史を認めるようになったら、
そのとき

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グリューフィウス「重病の涙」(ドイツ詩を訳してみる 17)

Andreas Gryphius, Thränen in schwerer Kranckheit (1640)

自らの感覚すら分からず 溜め息をつきつき
昼も夜も泣き暮らす。 千の痛みに耐えつつ
さらなる千の痛みに怯え 心の強さは消え
精神はやつれ 両手はだらりと垂れる。

頰は青ざめ、 爛々たる目の輝きも
燃え尽きた蠟燭の火のように 失われた。
三月の海のように 魂には嵐が吹きすさぶ。
何なの

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