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アメリカのバレンタインデー



もうすぐバレンタインデー

気がつけば2月。もうすぐバレンタインデーですね。
ちなみに英語では ❝Valentine's Day is around the corner❞ のように表現します。「バレンタインデーはすぐそこの角まで来ているね」ってこと。結構便利な表現で、春はすぐそこ、お正月はすぐそこ、試験はすぐそこ…、など、何にでも使えますよ。

聞くところによると、最近では日本のバレンタインはひと昔とは勝手が違ってきているのだとか。もはや手作りチョコレートで意中の男子に告白する女子の日でもなければ、職場の気に入らない上司たちに義理チョコを配る日でもなくなったようで。むしろ頑張っている自分を「自分チョコ」で労うのが流行っているとの母の話。「自分チョコ」は、普段は手が出せない高級チョコレートであることも多いらしく、納得いかない「義理チョコ」にお金を使うより数段良いですね。
とは言ったのものの、もとはと言えば製菓会社の「仕掛け」から始まった日本のバレンタイン風習ではあれ、それはそれで日本独自のものでもあったわけで、どこか寂しい気もするのは私だけでしょうか。アメリカでは、日本のバレンタインは女子が男子に告白する日であること、3月14日は男子が女子にお返しをする「ホワイトデー」たるものがあることは、結構面白がられるネタだしなぁ。
まぁ、時代とともに変わっていって然りなのですけどね。

アメリカ人にとってのバレンタインデーは…

本来、と言うのも変なのですが、日本のバレンタインデーはチョコレートをあげるのが女性で、もらうのが男性。でも、本当のバレンタインデーの姿は、男性が恋人やパートナーに贈り物をする日です。当然のことながら、アメリカでは基本的に女性がもらう側になります。贈り物をする相手は、愛の告白をする意中の相手ではなく、恋人やパートナーになります。そして、どうやらアメリカの男性にとって、バレンタインデーの行動は想像以上に必須事項の様子なのですよ。結婚10年の月日とともに、着実に数を減らしてきた旦那さんからもらうカードの枚数。そんな今でも尚、生き残っているのが誕生日とバレンタインデーのカードというほど。日本のバレンタインに慣れている私としては、何かもらえるだけでかなりラッキーな気分になるものですが、それが愛のメッセージカードやチョコレートに加え、バレンタインディナーの提案なんてしてもらえた日には!
バレンタインはアメリカで過ごすものです(笑)。

アメリカの幼稚園ではバレンタインに〇〇〇〇?!

10歳の息子をもつシングルマザーの同僚の女の子に「バレンタインデーに息子君から何かもらったりするの?」と聞いてみたところ「バレンタインはないかなぁ」と言っていました。誕生日や母の日にはいつもプレゼントをくれる息子君なのですが、バレンタインはちょっと違うんですね。私もそうでしたが、日本では娘が父親にチョコレートをあげることも珍しくないですからね。

更にバレンタイン話を聞いてみると、息子君は幼稚園での初めてのバレンタインデーで、なんとティーパーティーが開催され、園児たちはおしゃれをして登園したのだとか。そんな経験もあって、息子くんとしてはバレンタインデーは今でも「ドレスアップしたい!」と言って、おばあちゃまに買ってもらったおしゃれなスーツを着こむらしいですよ。
彼女ができる年齢になったら、バレンタインには当たり前にビジッと決め込んで、バラの花束でも手にしていることでしょう。日本人にはロマンチックにうつる世のアメリカ人は、このようにして形成されていくのですね。

バレンタインデーの定番、あれこれ

アメリカのバレンタインデーのド定番は、やっぱりカードと花束でしょう。誕生日や記念日はもちろん、クリスマスやサンクスギビングのような祝日、卒業、引っ越し、病気になったときなど、あらゆるシチュエーションでカードを贈るのはアメリカ文化のひとつ。バレンタインデーも然りで、この時期のカード売り場には、バレンタインデーカードの特設コーナーがどどーんと出現します。アメリカのカードってすごいなぁ、といつも思いますが、必ず「これ!」というその時の心情にぴったりくるものが見つかるものです。それなりに時間をかけて探さなければならないこともありますが、それだけに旦那さんからのカードにもしみじみしたりするものです。

ドラッグストアのカードコーナー


アメリカのお花屋さんにとって、バレンタインは間違いなくトップクラスの稼ぎ時でしょう。豪華なブーケからシンプルな一輪タイプまで、売られているお花も素敵ですが、そんな花束を手に普通に歩いているアメリカの男性はもっと素敵。

カードやチョコレート以外の贈り物をする人も多く、店頭にはバレンタイン用のギフトセットも数多く並びます。
そして、バレンタインに必ず登場するもののひとつが、タイトル上の写真にあるチョコレートでコーティングされたイチゴです。英語ではChocolate covered strawberriesとなります。私が働いているベーカリーでも、バレンタインの1週間ほど前になると、連日イチゴをチョコレートにディップさせ続ける同僚の姿が見られます。どうやら、このChocolate covered strawberriesには、ロマンチックなイメージ(またはセクシーなイメージ?)があるようで、バレンタイン時期は、このチョコがかかっただけで、値がとんでもなく跳ね上がったイチゴを買い求めるお客さんが後を絶たたないのです。

「Galentine's Day (ギャレンタインズデー)」とは

ここ数年、私もその存在を忘れていましたが「Galentine's Day (ギャレンタインズデー)」って聞いたことありますか?
ヒントは「Gal (ギャル)」。

「Galentine's Day (ギャレンタインズデー)」というのは、女子たちがそのFrendshipを祝って女子会を開く日のこと。基本的には、バレンタイン前日の2月13日となっているようですが、バレンタイン1週間前からバレンタインまでのいつでもOKという説もあるみたい。まぁ、公式のものではないのですからね。他にも、バレンタインデーを祝う相手がいないシングルの女性のためという説もあるようですが、これまた特に決まりはないので、相手がいようがいまいが、仲の良い女子が女子会をすればよし。雰囲気としては、日本の「自分チョコ」と似ているでしょうか。物理的にも精神的にも、より独立した女性が、人生をエンジョイするカタチのひとつということで。

数日前のことですが、久しぶりにKarenさん(アメリカで出会った素敵な人!Karenさん編)とランチをする約束をしました。Karenさんは、私が前に働いていたベーカリーのオーナーで、今は早期退職をしてリタイアライフを満喫中。趣味はポルシェのレースというなんともたくましく、生きるパワーに満ち溢れた魅力的な人です。私がお店を移ってからもいろいろと気にかけてもらっていて、彼女がリタイアしてからは、たまにランチをするお友達という関係性へと発展。私の乳ガンが発覚してからはずっと気にかけ、応援してくれていて、手作りの料理を大量に届けてくれたことも。まだ治療中とはいえ、最近は体調も落ち着いてきたので、久しぶりにランチのお誘いをしたところ「じゃぁ、来週の水曜日」ということになりました。あとになってカレンダーを見ると、「来週の水曜日」はバレンタインデー。いいのかな?と思いつつ、これはGalentine's Dayだなぁ、なんて思ってみたりしたのでした。

Happy Valentine's Day & Happy Galentine's Day!

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