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プロへの道 〜女パチプロの手記〜 ①終


よく行くパチ屋に、いつも朝から並んでいるお水っぽい女性がいる。


どこかで見た顔だなと思っていたら……。

隣りのライバル店のコーヒーレディじゃないか。


コーヒーレディの仕事は夜勤らしく、夕方には引き上げる。

せっかく稼いだ金は全てこちらの店に貢いでいるようだ。



彼女は角台が好きだ。

勿論、釘なんか見ずに座る。

普通のパチンカーだ。



そんな彼女がいつしか角台以外に座るようになった。

データカウンタを見て立ち回っている。

しかも夕方になっても帰らない。

どうしたのだろうと思っていたら……理由はすぐにわかった。

勤務先であるライバル店が、コーヒーレディシステムを撤廃したのだ。


失業した彼女は、これからはパチプロとして喰っていこうと決意したのだろう。


なるほどね。
以降、私は彼女を観察することにした。





彼女は真剣な表情で台を選んでいる。


しかし、見る所は相変わらず釘ではなくデータカウンタだ。

……ブブーッ(ハズレ音)


自分が捨てた台がその後出ていないか気になって何度も何度も見に行っている。

……ブブーッ


せっかく持ち玉になったのに、流して移動を繰り返している。

……ブブーッ



角台にこだわらなくなったのは評価出来るが、他は全て素人だ。
あれでは貯金もすぐに尽きてしまうだろう。


案の定、彼女は1ヶ月で姿を消した。



正しい知識が無いと、パチンコは恐ろしいギャンブルである。

まだ彼女は怪しい攻略法に引っ掛からなかっただけ幸せだ。


どこかで普通に就職していることを願う。




おしまい




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