前田貴広

(趣味としての)著述家、旅行家、旅人。今のところ、国内専門。 【これまでの旅実績】 ・…

前田貴広

(趣味としての)著述家、旅行家、旅人。今のところ、国内専門。 【これまでの旅実績】 ・最長片道切符の旅(2007年) ・寝台特急富士ラストラン(2009年) ・枕崎発稚内行き日本縦断の旅(2010年、2011年) ・西九州新幹線一番列車 ・僕らの旅シリーズ 国内鉄道全線完乗

マガジン

  • #僕らの旅2019

    #僕らの旅 シリーズ。北海道旅です。

  • 最長片道切符で行く迂路迂路西遊記

    2007年に実施した最長片道切符の旅のレポートです。以前に著者が運営していたウェブサイトで公開していたものを一部改訂の上、公開です。

  • #僕らの旅2022

    #僕らの旅2022 南九州編1~3をまとめました。鹿児島、宮崎、熊本と巡った話です。

最近の記事

#僕らの旅2019

今回は、2019年に実施した北海道旅行を振り返りたいと思います。前年は東北を旅しましたが、今回はさらに北を目指して旅をします。 0.1 条件付き運航 神戸空港で待ち合わせをします。僕らの家は伊丹空港が最寄りになるのですが、神戸空港発にすると幾分か安く済むので今回は神戸からの出発です。 ところが、台風10号による現地の天候不良の影響で、一応、新千歳空港に向けて出発するものの、引き返す可能性を含んだ条件付きの飛行となりました。果たして、上陸できるのでしょうか。 出発も遅れ

    • 最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 エピローグ

      前回のお話は以下URLから。 旅の終わりに 肥前山口ー博多ー新大阪 EP1 エピローグ  肥前山口駅に2度目に到達し、最長片道切符の旅は完結した。しかし、僕の家はここにあるわけではなく、ゆえに帰宅せねばならない。最長片道切符自体の旅は完結したが、自宅から稚内まで行ったときがプロローグだったように、肥前山口から自宅まで帰るのはエピローグとして、この私小説を完結せねばならない。  そこで、みどりの窓口で博多までのみどり10号の特急券・グリーン券と乗車券を購入した。窓口での

      • 最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第28日目

        前回のお話は以下URLから。 第28日目(2007年9月4日) (小浜ー)諫早ー肥前山口 28.1 諫早駅へ向かう  ホテルを出て空を見上げると、青空が見えた。ホテルは周りの建物の影になっていて暗いが、空は青い。きょうは快晴である。  バス乗り場で諫早駅までのきっぷを買って、諫早駅前行のバスに乗る。昨日と同様の前乗り前降りタイプのバスである。  小浜の市街地を出ると、山を登って峠を越える。その峠を越えてしまうと、海は見られなくなり、田畑の中を走る。途中、多くのお年寄

        • 最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第27日目

          前回のお話は以下URLから。 第27日目(2007年9月3日) (博多ー)桂川ー原田ー鳥栖ー佐賀ー肥前山口ー早岐(ー佐世保ー)早岐ー諫早(ー南島原ー愛野ー加津佐ー小浜) 27.1 篠栗線  ホテルを6時過ぎに出て、すぐ近くにあるバス停から、バスで博多駅へと向かう。博多の空は薄曇りであった。涼しいので、雲が出やすいのだろうか。  6時40分発の普通小倉行に乗る。昨日新飯塚から乗った車両と同タイプである。小倉行だが、吉塚から篠栗線へと入り筑豊本線に迂回して折尾から鹿児島本

        #僕らの旅2019

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          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第26日目

          前回のお話は以下URLから。 第26日目(2007年9月2日) 鹿児島中央ー新八代ー熊本(ー肥後大津ー宮地ー)熊本ー久留米ー(日田)ー夜明ー田川後藤寺ー新飯塚ー折尾ー香椎ー吉塚(ー博多) 26.1 南九州を離れる  ホテルの窓から外を眺める。鹿児島は晴れていた。もっと鹿児島を観光すべしと、鹿児島に誘われているような気になったが、こちらは先を急がねばならない。  朝食に「かごしま黒豚角煮めし」という駅弁を買って、改札口を通る。13番線には8時16分発のつばめ38号が既に

          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第26日目

          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第25日目

          前回のお話は以下URLから。 第25日目(2007年9月1日) 都城ー吉松(ー栗野ー吉松ー大畑ー)吉松ー鹿児島中央(ー指宿ー枕崎ー山川ー鹿児島中央) 25.1 吉都線  きょうから、9月である。最長片道切符の旅を始めたのが7月だから、これで月またぎは2回目となる。  5時過ぎにホテルを出た。僕の住む関西では多少薄明るくなっている時間だが、まだ夜は終わらず、真っ暗であった。経度を感じると同時に、すっかり秋めいてきたようにも思う。些か肌寒い。  駅前のコンビニで朝食を仕

          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第25日目

          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第24日目

          前回のお話は以下URLから。 第24日目(2007年8月31日) (大阪ー)新下関ー大分ー宮崎ー都城 24.1 後編  自宅を0時過ぎに出て、最終電車を乗り継いで大阪駅まで行く。改札口で乗車変更を申し出たが、みどりの窓口で買い直してくれというのでそれに従う。大阪駅のみどりの窓口で新下関までの乗車券を買って改札を通る。深夜の大阪駅は、近距離を結ぶ電車は既に最終が行ってしまった後で、物静かであった。何度も大阪駅を利用しているが、客のいない大阪駅は初めてであった。  8月

          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第24日目

          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第23日目

          前回のお話は以下URLから。 第23日目(2007年8月19日) 広島ー新山口ー津和野ー益田ー長門市ー厚狭ー新下関 23.1 広島を発つ  広島駅まで歩いていくつもりだったが、ホテルの前にタクシーが停車しており、それに乗り込む。ホテルから駅までは徒歩10分ほどだが、それを億劫に思うようだから、やはり旅の疲れは確実に出ているようである。ただ、明日より所用で一時帰宅せねばならないから、今日を乗りきりさえすれば良い。いや、旅人たる者、そんな弱音を吐くとは何事かと祖母に怒られそ

          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第23日目

          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第22日目

          前回のお話は以下URLから。 第22日目(2007年8月18日) 米子ー宍道(ー木次ー亀嵩ー木次ー)宍道ー出雲市ー江津ー三次ー広島 22.1 宍道湖を見る  昨日ほどではないが、今朝も朝早くからの出発である。ただ、日帰りとはいえ、昨夜の皆生温泉を堪能したこともあって、疲れはないに等しい。6時過ぎには目を覚まし、準備などをしているとあっという間に7時半である。ホテルをチェックアウトして7時40分頃に米子駅に入る。米子駅は、鳥取県第2の都市、米子市の代表駅であるが、その規

          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第22日目

          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第21日目

          前回のお話は以下URLから。 第21日目(2007年8月17日) (岡山ー)倉敷ー福山ー府中ー塩町ー備後落合(ー出雲坂根ー)備後落合ー(新見)ー米子 21.1 最長片道切符の旅を再開  早朝の出発である。前夜、銭湯に行って0時を回ってから眠りについたので賞味5時間も眠れていない。が、この時間に起きておかねばきょうの行程を満足にこなすことはできないから眠いのを我慢してベッドから起き上がる。シャワーを浴びて少しでも眠気を覚まし、珈琲を飲んで準備を整えて、ホテルをチェックアウ

          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第21日目

          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 番外編の2

          前回のお話は、以下URLから。 番外編その2(2007年8月16日) (倉敷ー岡山ー松山ー伊予大洲ー宇和島ー窪川ー高知ー阿波池田ー徳島ー板野ー高松ー岡山) EX2.1  倉敷の銭湯で汗を流した後、倉敷から23時55分発の岡山行の普通電車に乗る。  倉敷からは、8月7日に筒石駅で作ってもらったきっぷを使って四国を回る。今回の最長片道切符の旅では、経路の関係で一度入ったら出ることのできない四国には立ち寄れない。しかし、五能線のときと同様に、立ち寄ってはいけないわけではあ

          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 番外編の2

          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第20日目

          前回のお話は、以下URLから。 第20日目(2007年8月15日) (豊岡ー)城崎温泉ー浜坂ー東浜ー鳥取ー津ノ井ー智頭ー東津山ー佐用ー播磨新宮ー姫路ー岡山ー津山ー新見ー倉敷 20.1 餘部の絶景を堪能する  豊岡の駅前にある、オープンしたばかりのビジネスホテルで朝食を取った。ホテルから出てふと目線を上に向けると、空には澄み切った青みが一面に広がっている。快晴だ。  昨日買った往復乗車券のかえり券に入鋏してもらい、跨線橋を渡って2番線へと向かう。7時43分発の普通浜坂行

          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第20日目

          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第19日目

          前回のお話は以下URLから。 第19日目(2007年8月14日) 富山ー金沢ー福井ー敦賀ー東舞鶴ー綾部ー京都ー西明石ー尼崎ー宝塚ー福知山ー豊岡ー城崎温泉 19.1 北陸本線特急街道(1)  富山駅前のホテルを7時過ぎに出た。きょうも澄み切った青空が広がり、清々しい。ここのところ天候には恵まれているから、旅をしていても楽しい。本来なら、もう少し早起きして急行能登にでも乗りたかったところだが、それには間に合わなかったのである。  富山駅のみどりの券売機で金沢までの自由席特

          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第19日目

          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第18日目

          前回のお話は以下URLから。 第18日目(2007年8月13日) 大阪ー京橋ー木津ー加茂ー柘植ー草津ー山科ー近江塩津ー米原ー岐阜ー高山ー角川ー猪谷ー富山 18.1 オレンジの103系  大阪を7時38分に出発する大阪環状線の外回り電車は、103系であった。高運転台の800番台で、数ある103系の中でも僕の好きなタイプである。  午前7時38分発の大阪環状線外回りと言えば、通勤・通学のラッシュで混雑する。しかし、きょうは平日といえど盆の真っ只中であって、通勤客は思ったほ

          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第18日目

          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第17日目

          前回のお話は以下URLから。 第17日目(2007年8月12日) 名古屋ー亀山ー松阪ー紀伊勝浦ー紀伊田辺ー和歌山ー橋本ー奈良ー大阪 17.1 関西本線を行く  この一週間、朝早くから夜遅くまで列車に乗りっぱなしの毎日であった。会津若松を出てから、途中で温泉に入って身体を休めることもできず、ただただ急ぎ行程を消化することに重きをおいていた。よって、本来であれば2日、3日を掛けてじっくりと周りたいところを1日で巡らねばならなかったのも、特定の日に訪れるべき場所があったことは

          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第17日目

          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第16日目

          前回のお話は以下URLから。 第16日目(2007年8月11日) 甲府ー大月ー(ー河口湖ー)大月ー八王子ー新横浜ー豊橋ー飯田ー岡谷ー塩尻ー名古屋 16.1 甲府から特急あずさ2号  かつて太宰治は、「新樹の言葉」の中で、甲府をシルクハットを倒(さか)さにしてその底に小さな小さな旗を立てたようなものだと例えた。そして「きれいに文化の、しみとおっているまち」と評している。そんな文化のしみとおった街をただ一晩眠るためだけに滞在したのは実に勿体ないことをしたものだと思う。いずれ

          最長片道切符で行く迂路迂路西遊記 第16日目