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読書感想まとめ

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自分が読んだ本たちの感想をまとめていきます。 一か月に1冊くらいの本を読み、そのたびに更新していきます。
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再・読書感想『クビキリサイクル』※ネタバレ注意

再・読書感想『クビキリサイクル』※ネタバレ注意

今週読み終えた本は著作西尾維新の戯言シリーズ第一巻、西尾維新のデビュー作である『クビキリサイクル』でした。
先週話した通り、人に貸す前に改めて読んでみようと思ってもう何年振りですかね。アニメが間に挟まっているとはいえ、4、5年ぶりくらいにこのシリーズを手に取りました。

前回読んだときはまだまだ高校生でした。やはり人間というのは緩やかに歪んでいくものだなとこういう振り返りをするたびに思います。

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読書感想『魔界都市ブルース 妖花の章』※ネタバレ注意

読書感想『魔界都市ブルース 妖花の章』※ネタバレ注意

今週読み終わった本は著作菊地秀行のマン・サーチャーシリーズ第一作『魔界都市ブルース 妖花の章』でした。

見るきっかけは戯言シリーズ繋がりで貸していただきました。姫ちゃんのおおよその元ネタ?(姫ちゃんや市井遊馬の元ネタはブギーポップも大きそう)だと戯言内でも軽く言われてましたしね。

初版が1986年ということで、今まで自分が読んできた作品の中でも一層古い作品になります。
しかし、この作品の凄さは

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読書感想『掟上今日子の備忘録』※ネタバレ注意

読書感想『掟上今日子の備忘録』※ネタバレ注意

今週読み終わった本は著作西尾維新の忘却探偵シリーズ第一巻『掟上今日子の備忘録』でした!
西尾維新ファンとなって10年近く経とうとしていますが、この作品は一番大衆向け感あって最後に取っておこうと思っていた作品でした。

ドラマも朧気ながら覚えていますね~。中学生だったしそもそもドラマ好きではなくて見ない派なんですが、それでも家族が見ていたのをチラ見していたと思います。

というわけで完全初見で読んだ

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読書感想『鬼怒楯岩大吊橋ツキヌの汲めども尽きぬ随筆という題名の小説』※ネタバレ注意

読書感想『鬼怒楯岩大吊橋ツキヌの汲めども尽きぬ随筆という題名の小説』※ネタバレ注意

今週読み終わった本は著作西尾維新の『鬼怒楯岩大吊橋ツキヌの汲めども尽きぬ随筆という題名の小説』でした。
今作は群像2023年10月号に掲載されたものに手を加えて出版したものらしく、新作とは言い切れない感じがしますが新作です。

群像という文芸雑誌は存じ上げていなかったのですが、これまた著名な文芸雑誌らしく純文学をメインに扱っているそうで芥川賞が出たりする講談社のなかでもかなり格式の高い雑誌のようで

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読書感想『来るべき書物』※ネタバレ注意

読書感想『来るべき書物』※ネタバレ注意

今週読み終わった本は前回のユリイカpanpanya特集以来2か月頑張って読んでいたモーリス・ブランショ著作の『来るべき書物』です。

繋がりで言いますと、かなり昔ミシェル・フーコーを二冊読みましたが、そのフーコーさんが大のファンだったということでフーコーを貸してくださった方に借りたものになります。

いや~本当に難解でした。残念ながら二割も理解できたがどうかどうかってところだと思います。時代も違い

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読書感想『ユリイカ panpanya特集』※ネタバレ注意

読書感想『ユリイカ panpanya特集』※ネタバレ注意

今週読んだ本は『ユリイカ panpanya特集』でした。
panpanyaさんの漫画個人的に結構好きで、最新刊も買わせてもらいました。

ユリイカ自体を買ったこと自体が初めてだったんですけど、ずいぶん専門書的な感じなんですね。
そうそうたる肩書の方々が濃密で詳細な解説や感想を語っていく、同じファンとして自分の感想がよりマッシュアップされていくような不思議な体験でした。

自分も他の方々にもれず、p

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読書感想『ソウルドロップ奇音録 メモリアノイズの流転現象』※ネタバレ注意

読書感想『ソウルドロップ奇音録 メモリアノイズの流転現象』※ネタバレ注意

今週読んだ本は(読み終わって三日くらい経ってしまいました。)著作上遠野浩平のソウルドロップシリーズ第二巻『ソウルドロップ奇音録 メモリアノイズの流転現象』でした。

前作はロボット探偵との凸凹コンビが主人公でしたが、今作は東澱の倅であり、東澱の家から出ていった次男坊のお話でした。
自分では制御できない誰かの過去を見る力を持っている主人公(ブギーポップ・パンドラにも似たような子いましたよね。あっちは

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読書感想『ソウルドロップの幽体研究』※ネタバレ注意

読書感想『ソウルドロップの幽体研究』※ネタバレ注意

今週読んだ本は著作上遠野浩平のソウルドロップシリーズ第一巻『ソウルドロップの幽体研究』でした。
『生命と同等の価値ある物を盗む』怪盗が巻き起こす不審死とそれを追う保険会社の調査員の二人を中心に展開する作品でした。

これ、ペルソナ5のモチーフなんですかね。
それもあって随分と入りやすかったですが、こっちはもっとシリアスですね。

自殺なのか他殺なのか、死んでしまった超人気歌手のみなもと雫。
その追

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読書感想『傷物語』※ネタバレ注意

読書感想『傷物語』※ネタバレ注意

というわけでこちらも先週読んだ本になりますが、著作西尾維新の物語シリーズ第2巻『傷物語』でした。
映画を二回目見に行こうと思っていて、そのためにも改めて小説を読もうと思いいたり5年~6年ぶりくらいに読みました。

前回読んだのは自分が高校1年生だったころです。なのでおそらく6年前のほうが正しいと思いますが、改めて読んで思ったことは「自分が全く違う」ということです。
あの頃とは全くもって変わってしま

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読書感想『ぼくの、マシン ゼロ年代日本SFベスト集成〈S〉(後編)』※ネタバレ注意

読書感想『ぼくの、マシン ゼロ年代日本SFベスト集成〈S〉(後編)』※ネタバレ注意

先週読んだ本は(パルワールドやりた過ぎて感想書くの後回しにしてました…)『ぼくの、マシン ゼロ年代日本SFベスト集成〈S〉(後編)』でした。
前回(前編)の続きであり、後半六作の感想を以てSF修正を終わろうと思います。

魚舟・獣舟 上田早夕里

本来は人間と同じヒトゲノムを使い、人間とは別の生物を産み出したという設定の作品です。
作中に登場するのは人類と自分と同一のゲノムを持った兄弟というべき別

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読書感想『ぼくの、マシン ゼロ年代日本SFベスト集成〈S〉(前編)』※ネタバレ注意

読書感想『ぼくの、マシン ゼロ年代日本SFベスト集成〈S〉(前編)』※ネタバレ注意

新年あけましておめでとうございます。
一月はアマプラに物語シリーズが入ったということもあり、バルダーズゲートや最近再び熱の入ったモンハンワールドと並行して楽しんでます。

というわけで新年最初の読書は『ぼくの、マシン ゼロ年代日本SFベスト集成〈S〉』の前半五編でした。

序で言われている「2から始まる年号って、数字の並びだけでDFだよね。」という庵野監督の言葉は2000年以降生まれの自分にはわか

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読書感想『禁涙境事件』※ネタバレ注意

読書感想『禁涙境事件』※ネタバレ注意

今週読んだ一冊目の本は著作上遠野浩平さんの戦地調停シリーズ第四巻『禁涙境事件』でした。
ちなみに残酷号も無傷姫も勢いのままにまとめて読んだので今日中に感想を出したいと思っています。

殺竜事件では人間の精神面にフォーカスした事件を、紫骸城事件では魔法を使ったミステリーの真骨頂を、海賊島事件ではより人の内面である執着や運命についてと様々テーマが違いましたが、今作は街というものについてだと個人的には思

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読書感想『海賊島事件』※ネタバレ注意

読書感想『海賊島事件』※ネタバレ注意

今週読んだ一冊目の本は著作上遠野浩平さんの戦地調停シリーズ『海賊島事件』でした。

このシリーズとても大好きで、上遠野さんの作品群の中でも群を抜いて好きなんですが、この作品もその期待を裏切ることなく素晴らしくおもしろい作品でした。

今回は殺竜事件の後の話であり、舞台は海賊崩れが建てた落日宮と海賊島の2つで同時進行していきます。
落日宮の方では今回の騒動の元となるやみこ姫(漢字変換面倒…)殺人事件

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読書感想『ロード・エルメロイII世の冒険2 彷徨海の魔人(下)』※ネタバレ注意

読書感想『ロード・エルメロイII世の冒険2 彷徨海の魔人(下)』※ネタバレ注意

今週読んだ一冊目の本は『ロード・エルメロイII世の冒険2 彷徨海の魔人(下)』でした。

上巻ではアキラが捕まった瞬間で終わってしまいましたので、今回はそのシーンの詳しい描写からはじまりました。
去り際のサトゥルヌスの轍を踏むなは最近(1年前くらいは最近?)あの絵の解説動画を見たので意味が理解できてうれしかったです。

今作は神を喰った三人の能力が凄まじく、空を歩いた天才雪信とアベレージワンの凛が

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