まひるのあんじ

小説とたまに写真を投稿します。猫好きです。

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マガジン

  • Pアイランド顛末記

    かつて東京湾に浮かんでいた間抜けな島Pアイランド。島の住人の奇妙な日常を描いたSF小説。

  • 猫目探偵鯖虎キ次郎の冒険「鋼の嘴」

    猫目の探偵、鯖虎キ次郎と愛猫とめきちが奇々怪々な事件に挑む。

最近の記事

    • 猫レイヤー H

      • 猫レイヤー G

        • 彼女とKと僕

          僕の部屋のベッドには、猫がいる。太っていて、大きい。 どれぐらい大きいかというと、高さが2メートルぐらい、ある。 いつもベッドの上にいるから、頭が天井にくっついている。色は白地に黒いぶち。名前はタマ。 タマは僕がこの部屋に引っ越してきたときからずっといる。 不動産屋「この猫は、一応、部屋についてますから、ええ、一応、ただです」 僕「ただですか」 不動産屋「ええ。一応、家賃の中に含まれてますから」 タマは、いつでも、ベッドの上に座っていて動かない。 時々「ぎゃーん」と鳴

        マガジン

        • Pアイランド顛末記
          70本
        • 猫目探偵鯖虎キ次郎の冒険「鋼の嘴」
          28本

        記事

          猫目探偵鯖虎キ次郎の冒険「鋼の嘴」

          登場人物 ■鯖虎キ次郎 猫の目のような縦長の瞳を持つ私立探偵。池袋西口に事務所を構える。 池袋周辺を襲う、数々の怪事件、難事件に取り組んでいる正義の味方。 ■とめきち 鯖虎探偵と一心同体の相棒。奇跡の鯖虎猫で、巨大な猫又に変身する。 ■針筵慎太郎 鯖虎探偵の助手。 本業は近所のバーのマスター。 ■ともちゃん 針筵が経営するバー、「ボブテール」のバーテンダー。 ■些末俊三 鯖虎探偵とともに、数々の難事件を解決してきた警視庁警部。 ■榊原文太 天才歯車職人。自らの技術を

          猫目探偵鯖虎キ次郎の冒険「鋼の嘴」

          Pアイランド顛末記#70

          ★AM3 コンピューターの画面が、まぶしい。午前3時。書棚のうえに、ふたつならんで座っているクマのぬいぐるみが口をひらいた。 黒クマ「あんた、ねむれないのかい?」 白クマ「ねむれないの?」 僕「まあね。」 黒クマ「だったら、おはなしを聞かせてやろう。」 白クマ「おはなし。おはなし。」 黒クマ「Pアイランドっていう、まぬけな島のはなしだ。」 白クマ「むかし、本当にあったおはなしよ。」 黒クマ「その島は東京湾の沖あいにあった。」 僕「そのはなしなら聞きたくない。もう知ってるよ。

          Pアイランド顛末記#70

          Pアイランド顛末記#69

          ★カメからも一言  からだは、おもい。とても、おもかった。    (ゾウガメ・コテツ)

          Pアイランド顛末記#69

          Pアイランド顛末記#68

          ★2通めの遺書   破裂でポン。爆発バン。ちょっとさわったらこっぱみじん。キュートでピュアーなボクちんだい。バイバイ。  (三千年後に復活する天才芸人・ヒロシ)

          Pアイランド顛末記#68

          Pアイランド顛末記#67

          ★上空にて  Pアイランドは、沈没した。 「へっへっへえ、痛快だぜ。」  ヒロシが叫んだ。 「しっかしうまく沈んだもんねえ。」  イオも興奮している。 「しかし、おれ危なかったぜ。蝶がもう少し遅かったら、マルコムの汚いブーツの下でくたばってた。」 「ゲンちゃん、悪運は強いからね。」 「ところで、二郎は?」 「もうすぐ来るだろ?」  二郎がやってきた。二郎のうしろにくっついて、なにか親しげな、小さな意識がやって来る。ゲンが言った。 「二郎、なんだい?その後ろにくっ

          Pアイランド顛末記#67

          Pアイランド顛末記#66

          ★パニック それは、ずいぶん奇妙なパニックだった。脳天ストリートや、大東京通りには、人々が折り重なってたおれている。生き物の声はなにひとつ聞こえず、ただ地面がゆれていた。そのくせ、動揺した気配があたりに充満している。  轟音とともに建物がくずれはじめた。  宙に浮いた島の住人の魂は、ただなすすべもなく、自分たちの島と肉体が海のなかに消えていくのを見守るだけだった。  ステレオボイスブラザースは、マルコムの私邸の入口で白い蝶にであった。復讐を果たすべく、コカインを目一杯キ

          Pアイランド顛末記#66