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昭和の教育が生んだもの

※書籍『子育てを最高の宝物に』
第1章 <時代背景と教育といじめ> より抜粋(十数回に分けて公開中)


僕の母は昭和20年台に生まれました、母が青春を桜花した時代は昭和30年台~40年台でしょうか。
映画の「ALLWAYS 三丁目の夕日」が昭和30年代が舞台背景です。

この時代は経済が急速に発展し、生活が急激に変化していった時代で物やサービスがどんどん生まれ始めた時代だったんじゃないでしょうか。

戦後復興の時期で何も無い状態から物やサービスが急速に出てきた時代です。

「顧客が本当に求めているものとは何か」
という考えではなく
「目新しいものは顧客に好まれる」
そんな傾向は多少あったと思います。我先にと新しい商品・サービスを世に出しては皆が飛びついた時代だったのかもしれません。

さらに、明治維新以降に生まれた一斉授業システム。

戦中・戦後に生まれた軍隊教育を受けてきた大多数の人は足並みを揃え、指示通りに勉強することが身についていきました。
しっかり教育されてきた人(当時の優秀な人材)たちが上司や会社から「指示」を受けて従事することが「普通」であり「当たり前」なんだと思います。

個人の能力よりも企業の発展が重視されていた時代です。
そしてその教育システムは当時の時代背景、つまり高度経済成長真っ只中の工業化社会においては、日本全体を下支えする人材を輩出することができました。
当時の教育システムは日本を成長させる上ではとてもマッチした教育方法だったのではないかと思います。
その結果として日本は急速に発展していきました。

当時の工業化社会においてはとてもよい教育方法だったかもしれませんが、2000年以降のグローバル時代に突入した現代においては、当時の教育を受けて育ってきた人々が弊害を生んでいると僕自身は感じています。

「本質」や「なぜ」を考えられる人が極端に少ない、ということです。
やはり戦中・戦後時代の軍隊教育から脱出できていない昔ながらの教育を受けている大人はもちろん、今の学生すらもまだまだ知識提供型の教育を受けている人が大多数でしょう。
(もちろん現在様々な教育を提供する指導方法は増えてきているのも事実です)。

軍隊的な「気合」や「根性」の部分は排除されていったとしても、まだまだ数字だけで判断されたり答えを求められる現状です。
非認知能力である「好奇心」「疑問力」「没頭力」「表現力」「判断」
「思考力」といった感情の根底にある深層心理にはまだまだ目を向
けられていないことが非常に多いです。

「本質は何か」という疑問を持っていてもそれを見て見ぬ振りを
する、もしくは目の前の与えられたことをすることに重点を置くため、本質そのものを考える取り組みが、学校教育内にはほぼ無いのがこれまでの風潮であり、日本の教育でした。

更に、その「本質」の捉え方もその時代の状況や環境によって変わると個人的には考えています。

今はインターネットがあるからそれ(IT)を前提にした課題解決で考えます。
しかし戦中・戦後は当然インターネットなんてありません。

つまり、【デジタルによる課題解決】と【アナログによる課題解決】とでは発想そのものが異なるんだと思います。
加えて、物が今よりも少ない時代に「目新しいものを出せば売れる」という体験をした人にとっては「そもそも本当に必要なのか」という結論も、現代の人が見出す結論とは異なると思います。

その結果として、高度経済成長の時代を生きた人にとっては「本質」を考える経験が少なかったり、考えていたとしても「本質」の捉え方が現代とは違っていたりするんだと思います。

そのような人たちが、経済が急速に発展する社会を下支えし、そして実際に経済は発展していきましたから「それが普通・当たり前」と思ってしまっても仕方がないのかもしれません。


現代人(10・20・30代くらい)の価値観と、高度経済成長で発展していった時代にバリバリ働いていた人々(今は大体50代以降)との価値観の違い、その原因はこの2つかもしれません。

【当時の教育の影響で知識や学歴を重視している】
【高度経済成長時の社会の急激な発展によって、本質やなぜを考える経験が少ない】

この2つが要因となって、50代以上の親世代の「時代に応じた本質を考える力」が追いついていなかったり、「ものの見方」が現代人と違っているのではと考えています。

もちろんプライベート的なことが要因かもしれませんし他にも要因はあると思いますが、社会的な理由としてはこんなところだと考えています。
こういった様々な社会的要因が重なって人の思考は出来ていくんだと思います。

育ってきた環境や出会ってきた人々からの様々な影響を受けて今の価値観になっているんだと思いますし、それはちょっとやそっとじゃ変えられません。
だからこそ、学生時代に自分が学んできた教育のこと。
親御さんが学んできた当時の教育のことを少し考えて見てください。

自分が生きてきた時代というものが誰にどんな影響を与えているのか、自分はそれによってどんな影響を受けているのか。
そして親御さんからどんな影響を受けているのか。

良くも悪くも少なからず親御さんから何かを受け継いでるいかもしれません。

物事は捉え方次第で見え方が変わります。

あなたが自分の人生を生きるためには、まずは知ることから始まります。
自分の人生を自分で決断して歩くために、矛盾や違和感の正体をぜひ探ってみてください。


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