発達障害×職場の人間関係

あくまで個人の経験・考えです。
全ての発達障害の人に当てはまる内容ではありません。
参考までに、今の自分の障害は、服薬していれば正職員として働くことができ独居も可能な状態です。
受けている診断名は自閉症スペクトラム(ASD)です。


職場の人間関係についての経験や思うところを書きます。

1つ目の職場では、
上司から「あなたはイエスマンだから。NOを言えるようになった方がいいよ」と言われたことがあります。
その場では意味がわかりませんでした。

気になって、武嶌波さんの『NOと言えなかった私』という本を読んでみたところ、自分はNOを言えないんだということがわかりました。


話は変わりますが、自分は「発言する前に相手の気持ちを考える」ができないと気づきました。

それでもトラブルが多くなかったのは、今思えば周囲の職員の理解や優しさがあったからだと思います。

当時は、注意されたり指摘されたりするたびに被害的な受け取り方をして他責的な感情を抱いていたため、周囲の職員の優しさを感じ取ることはできませんでした。

周囲の職員から見ると私は、へらへらしていて反省しない、掴みどころのない人だったと思います。

私の中では罪悪感もあり、退職される方へのメッセージカードには「たくさん迷惑をかけて申し訳ありませんでした」と書いていました。


転職するときに、「ちゃんとした人間になる」と決意し、自分で自分を育て直しするイメージで努力し始めました。

その結果、自分に対して非常に厳しくなり、特に、過去の自分と重なる他人に対して厳しい感情を持つようになってしまいました。

また、私は対人過敏があり、他者の言動に対して被害感や嫌悪感を持ってしまうことが多かったです。

対人面での不満や他責が多く、生きづらさを感じてきました。

休職や転職をした方がいいような状態も何度か経験していますが、よく踏ん張ってきたなと思います。

同僚の言動をどうしても許容できずに苦しんでいた頃、上司から「人は変わらない」「今の状況で難しいなら、この職場では働けない」と言われました。

管理職になった今なら、そう言う上司の気持ちや意図もよくわかるつもりです。

当時の自分は、「突き放された」「他の人は対応してもらえるのに自分は対応してもらえない」「人は変わらないと言いながら私のことを変えようとしている」などと考えて苦しくなり、このことを思い出しては涙が溢れる状態が数年続きました。

別の時期に、他の上司に相談をすると、詳しく聞き取りをしてくれました。
質問をされることで私もハッとすることが多く、周囲への意識が不足していることに気づかされました。

自分ばかり被害を受けているように感じて視野が狭くなりがちですが、他者視点を教えてもらえて助かりました。

また、私は今でも、自分や他者の言動を急に思い出して、目の前のことに集中しようとしても、考えることを止められず煩わされることがあります(リスペリドンを飲み忘れるとこれがひどくなります)。

自分が嫌な気持ちになるのは、自分が弱いから。自分がおかしいから。そういった捉え方を自然にしてしまうことがあり、カウンセリングで解決を試みています。

「案外他の人も、私と同じようなことを気にして悩むものだ」と考えるようにしています。


上司やカウンセラー、夫などいろいろな人に相談することを重ねていくと、「自分はいつまで経っても同じようなことで悩んでいる」と気づくことがありました。
そのときに考えたのは、「これは、悩んだところでどうにもならないことだ」「これが自分なんだ」「これは悩む必要のないことだ」ということです。

「悩んだところでどうにもならない」という考え方は、もし他者から言われていたら不快感を感じたかもしれません。


対人過敏の症状が強いときは、「自分がこんなに辛いのは、あの人が悪いからだ」と他責的になりやすいのですが、最近考えることがあります。
それは、死期が近づいた猫が住処を離れることに対する一説です。
猫が病気になり体が痛むとき、その原因を「自分が病気だから」ではなく「周りから攻撃されているから」と捉えるためだという説を聞いたことがあります(真偽不明です)。
他責的な思考が出てくるときは、「本当にその人が悪いのだろうか」と考えるようにしたいと思っています。

まとまりのない文章になりました。

発達障害当事者やそのご家族、支援者の方にとって何かヒントになれば幸いです。
ご質問などあればコメントをください。

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