チェルシーVS.マンチェスター・ユナイテッド 雑感&ラングニックへの期待

何度か執筆を試みるもののなかなか時間を確保できない。ということで、今回は画像なしで移動中のスマホ執筆を試みるの巻。今度こそ短めにしますので、ご一読いただけると幸いです。

試合を通して感じたチェルシーの完成度

 この点が、今回の試合で最も印象に残った部分だと思います。多くのユナサポもそうだと思います。何げにトゥヘルチェルシーと初対戦だったはずのユナイテッド。それだけにこういう印象になったのではないかと。

 ユナイテッドが最も苦しんだのが、チェルシーのプレッシング、ユナイテッドのビルドアップVS.チェルシーのプレッシングという局面。ユナイテッドは保持時、4-3-1-2のかたちから中盤が横並びになり、サンチョ右WG(張り気味)、トップ下ブルーノ(右HS[ハーフスペース])、左WGフレッジ(左HS)ってな感じで、左の幅取る人が明確に定まってない気はしました。そんなユナイテッドの配置の問題に加え、チェルシーの強烈なサイド誘導&圧縮プレスは凄まじく、これぞドイツ流プレッシングだといわんばかりでした。人の割り当て(基準点)は、ヴェルナーが2CB間、シエシュがバイリーとマティッチ、ハドソンオドイがAWBに強烈プレス担当(いわゆるハメ所)、リースがテレス、ジョルジーニョがマクトミネイ、アロンソがサンチョ、リュディガーがブルーノ、ロフタスorチャロバーがフレッジ、チアゴシウヴァがラッシュというかたちで、シエシュに2人担当させることで後ろの数を担保(この場合ロフタスorチャロバー)しながらも、強烈なプレッシングを敢行してきました。また、明らかにユナイテッドの攻撃を右サイドに誘導しているように見えました。

 ビルドアップに関しても、ユナイテッドのプレッシングに前進を阻まれることも少なかったですが、後方からのロングパス、ロングボールからのネガトラ回収などでプレスを交わすところは、サッカーの鉄則であるゴールから逆算したプレーの徹底ぶりを感じました。ビルドアップ後の定位置攻撃も同様に完成度が高く、中央を閉められた状況で、幅を取る選手のローテーション、サイドでの4人目の係り、サイドチェンジの繰り返しなどで、サイド攻撃を活性化させていたのは流石としか言いようがないです。

 あとは決定力。的な試合でしたが、引き分けはユナイテッドが善戦した結果でもあるので、その側面を紹介したいと思います。

主力不在、付け焼き刃だが、「頑張った」ユナイテッド

 この試合、贔屓目に見てもチェルシーにとって引き分けが妥当な試合ではありませんでした。ゴール期待値は2を超えていましたし、残念そこはデヘアというシーンも非常に多かったです。それでも結果が引き分けになったということには、少なからずユナイテッドの選手たちの献身的なプレーによるプレッシング&撤退守備のボール非保持における振る舞いの良さが起因していたといえます。

画像1

 後半少し微調整を加えていましたが、これがユナイテッドのプレッシングプランだったと思います。ユナイテッドのフォーメーションは4-3-1-2と表記されていましたが、どちらかというと、(攻撃時のフォーメーションも鑑みると、)4-2-3-1に近いといえるかもしれないです。上の図のように、前半はユナイテッドも相手の左サイドに意図して誘導するようなプレッシングを行っていたと思います。(ちなみに後半はより、4-2-3-1に近いかたちでスールシャール時代のプレッシングを思い出させるようなものでした。)

 上述したように、ユナイテッドはビルドアップ面ではチェルシーでのプレッシングに圧倒され、特に前半の中盤あたりはチェルシーポゼッション80%ぐらいだったと思いますが、トランジションなどで相手陣地に侵入→プレッシングでボール回収→定位置攻撃という循環もある程度はうまくいっていたので、その点がユナイテッドの失点が1で収まった要因だったと思います。

ロナウドのベンチスタートとユナイテッドの今後

 この試合でプレッシングが機能したのは間違いなく、ロナウドのベンチスタートというキャリックのプランが大きな要因になったと思います。

 ただ、ロナウドの影響力や得点力は無視できないものでもあり、今後のラングニック・ユナイテッドにとっても頭を悩ませるものとなるでしょう。ロナウドを起用すれば、スーパーな得点を見せてくれる。しかし、プレッシングや撤退守備でのファーストディフェンスが緩むので、失点は自ずと増えてくる。それを天秤にかけ、ラングニックがどういう判断を下すのか。ラングニックなら、その戦術力とカリスマ性で(結果を出すという点での)最適解を見つけることができるのではないかと思います。

 一方で、自分も含め多くの人がラングニックに期待しているのは、チームの組織化、相手を恐怖に陥れる激しいプレッシングと素早いトランジション、戦術的なサッカーだと思います。その意味で、メディア含めてある程度結果が出なかったとしても強烈な圧力を掛けるべきではないと思います。OBではないと、風当たりがどうしても厳しくなるという前例があるのでね。FFさんの意見にもあったように、ラングニックには「今強くなる」というよりユナイテッドが組織化されることへの期待に応えて欲しいと思います。では。



この記事が参加している募集

スポーツ観戦記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?