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広場恐怖を1年程で克服した話

もう10年も前の話になるのですが、
大学院1回生の就活中に会食恐怖と広場恐怖の症状が出てしまい、就活時に大変苦労したことがありました。
会食恐怖についてはその後就職してからも続き、8割ほど克服するまでに4年はかかったのですが、広場恐怖は1年ほどで大体元通りに電車などに乗れるようになったので、どのように克服していったのか経験を書いてみたいと思います。
(1つ前の会食恐怖の記事でも触れていますので、こちらも興味ありましたらご覧ください。)

広場恐怖の症状が出た時の自分の状況

ここからは少し暗い気持ちになってしまう話なのですが、
その頃の私は大学院に進学するも研究に着いていけておらず、研究室にもきちんと通えていない状態で、家に一人でいることも増えていました。
大学で自分が持つ唯一のコミュニティであったサークルも、大学院に入ってからほとんど顔を出さなくなり、一人暮らしで実家も遠かったので、孤独を感じることが多くなっていました。
周りが就活を始めたので自分も見様見真似で始めてみたのですが、正直どんな仕事をやりたいか定まっておらず、目標が決まらないのに闇雲に動いている状態でした。
孤独感が強まった状態で、実態が分からない新しい事に踏み込まなければならず、相談できる人がいないストレスで、より神経質になってしまっていたのではないかと思います。

このような精神状態が広場恐怖の発症に実際どれだけ起因したかは分かりませんが、ポジティブではない精神状態であったことは確かです。

具体的な症状

以下に当時の具体的な広場恐怖の症状について記します。(主に就活時に直面した症状です)

・電車や説明会など自分の意思で自由に出られない空間に閉じ込められると、冷や汗が出て動悸がしてくる
・本当に体調が悪くなっている訳ではないのだが、気分が悪くなってきて吐きそうな不安に襲われ、その場にいることが耐えられなくなる
・電車の中で症状が出始めた場合、乗っていられなくなり、途中下車することになる
・何度も途中下車することになるので、目的地まで到着するのに時間がかかるため、かなり早めに家を出ないといけない
・説明会で症状が出た時は、ぎりぎりまで我慢するものの、吐き気や倒れるのではないかといった不安で頭がいっぱいになり説明内容に全く集中できなくなる
・結局最後まで居られず途中退室し、その後戻るのは気まずいのでその会社へのエントリーは諦めて帰宅することになる

このような症状が就活時に続いた結果、就活自体を続けるのが難しくなり、結局就活を1年先に見送ることになりました。
(一応念のため書いておくと、1年後大学院を卒業した後に就活を行いましたが、その頃には広場恐怖はそれなりに克服できており、それなりにホワイトな会社に就職が決まり、そこで7年程働きました。)

広場恐怖を克服した方法

私が克服した経験を書いていきますが、画期的な克服方法というものはなくて、ちょっとずつ慣らしていくしかないというのが正直な所です。

各駅停車の電車で慣らしていく

特に私の場合は電車で症状が強く出ていたので、
・なるべく各駅停車の電車に乗り、動悸やめまいや気持ち悪さが出てきたら、次の駅ですぐ降りて休憩する
・休憩する際は人の少ないホームのベンチなどに座って、荷物を下ろし体を締め付けているものなどがあれば楽にして、涼しい風に当たると良い
・体調が落ち着いてきたら、次来た電車に乗り、進める所まで進む
・これ以上乗っていられなくなったら最終手段はタクシーに乗る
・タクシーの運転手さんに、少し体調が悪いのですぐ止まれるようゆっくり行ってくださいとお願いする

まずこのやり方で各駅停車の電車に頼りながら、少しずつ連続して乗れる距離を伸ばしていくようにしました。
各駅停車の電車に乗る理由としては、"すぐに降りられる" という安心感により不安が出るのを抑えるのと、快速や特急より空いているため "席に座れる可能性が高く、酔ったりしんどくなりにくい" という2点があります。 

広場恐怖の時は特に、混雑した電車は最も苦手な環境だと思いますので、とにかく混んでいる電車は避けて、時間をかけてでも空いている各駅停車の電車などに乗ることが大事です。

首周りが緩く締め付けのない楽な服を着る

他にポイントとしては、
・なるべく首回りが緩く体の締め付けがない、楽な服を着て臨む
荷物もなるべく軽くするか、重い場合はすぐに下ろして体に負担をかけないようにする

これは全員に当てはまるかどうか分からないのですが、私の場合、
肩首の筋肉がこわばると血行不良がさらに悪化し、首が回らなくなるような硬直感が出て、余計に気分が悪くなったり冷や汗が出たりしたので、
特に元々肩や首の凝りが酷い方は、なるべく肩首周りを締め付けないような服を選んだ方が良いと思います。


快速や特急、新幹線など長距離移動の電車に慣れるには

各駅停車の電車で慣らす所までは書きましたが、ここからどうやって快速や特急など長距離移動用の電車に乗れるようになるのか?
という所なのですが、
私の場合、意外と "新幹線は大丈夫" という謎の安心感がありました。
これはなぜかと言うと、そこそこ綺麗なトイレが沢山設置されているから、気分が悪くなったらトイレに駆け込めば良い、といういわば、"逃げ場が確保されている状態" だから、不安を感じずに乗車できたということです。

快速や特急では、新幹線ほどトイレ環境が整っていないので難しい所があるのですが、なるべくトイレのある車両を事前に調べてその近くに座るようにしたり、座席指定ではない電車では、空いている端の車両までホーム上で移動して席が確保できるよう早めに並んで待っておくようにしていました。
可能であればクロスシートで横に家族に一緒に座ってもらうと、人目を極力遮ることが出来るので、パーソナルスペースを確保できて、周りに沢山人がいることを気にせず落ち着いて過ごしやすいです。

まとめ

ここまで、私が広場恐怖を克服した方法を、特に "電車の克服" に絞って書いてきましたが、電車に乗ることが元通りに出来るようになった時には、自然と説明会のような自由に出られない閉鎖空間でも、気分が悪くならず落ち着いて過ごせるようになっていました。
これはあくまで私の場合で、人によって、自由に出られない空間のどのような所に不安を感じるのかが異なると思いますので、
不安を感じる理由や状況に応じた方法が必要になるのではないかと思います。
あくまで私の克服体験談として参考にしていただければ幸いです。

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