自分への言葉じゃないのに不快な気持ちになるときの対処法
みなさんは、誰かが全ての人へ発信した言葉を見聞きして、イライラしたり、嫌な気持ち(嫌悪感)を抱いたり、不安になったりしたことはありますか?
筆者は、もちろんあります!
むしろ、「自分に向けられた言葉じゃないのに、なんでこんなに不快な思いをしたり、不安になったりするんだろう…?自分には足りない何かがあるのかな?」と思い悩み、
いくら思い悩んでもブレークスルーできないし、どんどん人の言葉に敏感になって、嫌な思いをする…ことの繰り返し。
不快な気持ちになって傷つき嫌な思いをしている自分に、「なんで人の言葉を気にするんだー!」と傷ついた自分を自分で責め倒すという、
まさに、自分パワハラの底無し沼から抜け出せない、拷問ループに長い間はまっていました。
でもある日、心理学を学びながらカウンセリングを受けていくなかで、
「自分に足りない何かがあるわけじゃなくて、ただの思考癖だったんだ…!!!!」
と気づいたんですね。
つまりは、誰にでも起こる現象だということ。
この思考癖と脳のメカニズムを知ってからは、誰かの言葉で不快な気持ちを感じてしまったとしても、
「あっ、昔の思考癖が出てきたな」と、
すぐに気持ちを切り替えて、不快な気持ちを無視することができるようになりました!
今回は、自分に向けられた言葉でもないのに、不快な気持ちや不安になるときの脳のメカニズムと思考癖についてお話していきます。
知らない誰かが発信した言葉を見聞きしただけで、なぜ不快な気持ちになるの?
SNS時代の今、誰でも気軽に世の中へ情報発信をしたり、発言することができるようになりました。
SNSという媒体から、自分の好きなこと、得意なことをアピールすることでビッグチャンスにもつながるという長所があるものの、
私達はどうしても「ネガティブな情報」にも、目が向いてしまいがちです。
特に、過去「自分が嫌な思いをした」ことと関連のある情報ばかり見つけてしまいませんか?
では、なぜ過去に嫌な思いをしたことに、わざわざ意識を向けてしまうのでしょうか?
それは、潜在意識(無意識)にある「自分にとって嫌な情報」を基につくられた「思考癖」や「思考回路」を使って、無意識にこれから起こることを予測することで、
私達は常に危険を回避しながら、生命を維持する能力が備わっているためです。
ちなみに、「思考癖」や「思考回路」は、私達の脳内習慣のことだと覚えておいてください。
言葉を見聞きしたときに発生する「予期不安」
私達は、自分が過去に「嫌だ!」「悲しい!」「怖い!」と感じたことや、「傷ついた」「ショック」「許せない」出来事などについて、
その時の情動をしっかり記憶しています。
記憶している出来事や情動と似たようなことが起きた場合はもちろんですが、また同じことが起こらないようにと、
記憶している情報を基につくられた「思考癖」や「思考回路」を駆使して、これから起こることを予測し、いち早く自分を危険から回避させようとします。
この一連の作業によって「予期不安」が生まれます。
なので、過去に不快な思いをした出来事や情動に関連する「言葉」を見聞きすると、脳が無意識のうちに起こってほしくない未来を予測してしまうため、
その結果、私達の体感として「不快な気持ち」が出てくるわけです。
言葉を見聞きした瞬間、自分はどの視点からその言葉を見ていたのか?
誰かが発信した言葉を見聞きすることで、不快な気持ちを感じているときこそ、
過去の視点から言葉を見聞きしているし、過去の視点から未来に起こることを予測しています。
少しややこしくなりますが、潜在意識(無意識)は、未来を予測しているのに過去を見ているということ。
要は、無意識のうちに過去の記憶を未来に投影しているのです。
言葉を見聞きした瞬間、不快な気持ちを感じるときは、「過去の視点」からその言葉をとらえて、見聞きしています。
言葉から当時の嫌な思いを再現して見ている!
例えば、大好きな相手に浮気されてフラれてしまった過去があったとします。
すると、潜在意識(無意識)では、
「浮気される自分」
「魅力のない自分」
「浮気されてフラれる魅力のない自分」
と認識し、起きた出来事で感じとった感情(情動)を、そのまま自分のセルフイメージとして握りしめてしまうんですね…!
セルフイメージについては、こちらの記事に詳しく書かれています。
この場合、大好きな相手に浮気されてフラれてしまった当時の情動をしっかり記憶しています。
そのため、自分に向けられた言葉ではなく、 何気なく「浮気」「破局」という言葉を見聞きしてしまった場合でも、
脳が無意識のうちに、起こってほしくない未来を過去の記憶に投影しながら予測してしまうので、
その言葉を見聞きすることで、当時の不快な気持ちが浮かび上がってくるのです。
人間は、過去の記憶から思考癖や未来を予測するための思考回路をつくり、その情報を「脳内習慣」として活用します。
すなわち、
生命の危険から私達を守るため、過去につくられた思考癖や思考回路を「脳内習慣」として、繰り返し使われている!
ということを、理解しておくことがとても重要となります。
あなたが不快な気持ちになる正体は、過去につくられた「思考癖」や「思考回路」
自分に向けて発信された情報や言葉ではないのに、つい不快な気持ちになってしまうのは、
あなたに足りない何かがあるわけではなく、脳の自然な反応です。
今回の記事に書いてある、脳のメカニズムが腑に落ちると、不快な気持ちが出てきてしまうことは、決して悪いことではないんだな!
と、安心する一方で、不快な気持ちを無視することができるようになります。
むしろ、不快な気持ちが出てきたときこそが、過去につくられてしまった思考癖や思考回路、いわゆる「脳内習慣」を変えるチャンスなんです!
なぜならば、潜在意識(無意識)にある、過去につくられてしまった思考癖や思考回路を認識することで、意識化されます。
それらを意識化することによって、ホメオスタシス(恒常性維持機能)によって維持されていた 「脳内習慣」を解除することが可能だからです。
ただ、ホメオスタシス(恒常性維持機能)というのは、「今の脳内習慣をなるべく維持しよう」という心理なので、
不快な気持ちを感じてしまったらその都度、繰り返し何度も解除してあげることが必要です。
解除する作業に慣れるまでは、「本当に何とも思わなくなる日がくるのかな?」と、心配になることもあると思いますが、
過去につくられてしまった思考癖や思考回路(脳内習慣)を、繰り返し何度も解除していくうちに、 不快な気持ちになることが少なくなっていくので大丈夫です。
ひとりでも多くの方が、気づいたら「そういえば最近、あの言葉を見聞きしても不快な気持ちにならなくなったな」と、感じられることを願ってます♡
自身の経験を踏まえて、心が軽やかになる言葉や文章を発信できたらと思います。 ホッとひと息つける、憩いのページとなりますように😊 ほんの少しであっても、皆様の温かいお気持ちは大きな励みになります。