mari&qoo

シュール系エッセイが得意で、大変ご好評いただいております♪イラストにも力を入れています…

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シュール系エッセイが得意で、大変ご好評いただいております♪イラストにも力を入れています(*^_^*)

最近の記事

【エッセイ】恋

去年のクリスマス、第一子を出産した。 妊娠が発覚してすぐ、地元で評判の良い、A病院に電話をして、なんとか分娩予約を取り付けることに成功した。 しかし、毎回助成券を使っているのに無駄に会計が高いことが納得できず、A病院の高評価ばかりのクチコミを見ても、 「高いんだからこのくらいの評価は当たり前なのでは?」 という考えが浮かぶこともしばしばあった。 その他にも、先生がやたらと優しく、褒めてくることに対して、 「こうやって患者からのポイントを稼いでいるのではないか?」 という考

    • 【エッセイ】ヨッチ

      今までにも何回か私のエッセイで登場している父、よっちゃの話である。 最近では私と姉のあやの間でヨッチと呼ばれているので、今回からヨッチと呼ぶことにする。 今回のエッセイでは、ヨッチの愛すべきキャラクターに焦点を当てたいと思う。 ヨッチ なるほど。ふんわりしているのですね。 ほう、ふんわりだ。 これはパッケージに”ふんわり”と書いてある商品を見、食したヨッチの感想である。 このようにヨッチは機械のように素早く情報を読み取り、登録するのだ。 基本的な説明はここまでにして

      • 【エッセイ】ワキガ姫

        現在妊娠している。 旦那はフランス人で、ワキガだ。 2週間ほど前、子供の性別がほぼ女の子であると病院で言われたので、そのことを姉のあやにすぐさまLINEで報告した。 するとあやは即レスで、 「じゃあワキガ姫だ」 と言い放った。 「だって、優性遺伝のため”ワキガ”であることも、女の子なので”姫”であることも確定であるため、ワキガ姫以外の何物でもない」 とあやは言い放った。 最初は認めたくない気持ちも芽生えたが、その言葉には妙な説得力があったため、私はすぐに気持ちを入れ替え、

        • 【エッセイ】みっぴ

          大学生の時、みっぴという逸材がいた。 私 みっぴ!ディズニー行こうよ。 みっぴ 行ったことないんだけど楽しいの? 私 うん、楽しいよ。みっぴみたいな人でもやり方によっては楽しめるよ。 みっぴ じゃあいいよ。 私 土日だと15時から入園できるチケットあるから、それで行こう。だから土曜日の14:30に舞浜駅にいて。 みっぴ わかった。 当日13:00。 私は待ち合わせの14:30までの間、カフェでゆっくり時間を過ごそうと、舞浜駅に到着した。 すると改札辺りでみっぴを

        【エッセイ】恋

          【エッセイ】コロネ

          姉のあやと私だけが使うオリジナルの言葉がいくつかある。 パン屋さんにコロネというチョコレートクリームの入ったパンがあるが、私とあやは別の意味でコロネという言葉をつかっている。 私たちは、まだ大人になりきっていない、すべての動物の子供のことを”コロネ”と言う。 わかりやすく言うと、子猫も人間の子供も“コロネ”ということだ。 なぜわざわざコロネという言葉をつかうようになったのかというと、単純に私は“パンのコロネが好きだから”ということに他ならない。 祖母のバーパンは私が9歳のと

          【エッセイ】コロネ

          【エッセイ】神君

          小学4年生のときにクラスに面白い子がいた。 小学1年生から小学3年生までは、ひろきくんという男の子への恋心に夢中だったのだが、4年生からは恋心ではないが、神君(じんくん)という特殊な存在に私は心を奪われていった。 神君の肌は青白く、歯はいつ磨いたのかわからないほど黄色く、髪もギトギトしている。 そして堂々と鼻をほじっては鼻くそを確認したあとに食べる。 風貌だけで言ったら、とんでもないモンスターなのだが、私は神君が大好きだった。 神君は人に指摘されても鼻をほじることも食べるこ

          【エッセイ】神君

          【エッセイ】変な同居

          私はよっちゃ(父)と同居しているのだが、この同居の光景が、傍から見るとおかしいらしい。 私は毎日よっちゃのご飯を用意するのだが、一緒には食べずに自室で食べる。 理由は、私はテレビがあまり好きではないので観たくないのだが、テレビ好きのよっちゃはごはんのときに好きなテレビを観たいタイプなので、単純に合わないのである。 これは傍から見るとおかしいみたいだが、私もよっちゃも本来1人でいたいタイプの人間なので、私たちにとっては全く問題ないのだ。 そして私とよっちゃの会話はだいたい敬語

          【エッセイ】変な同居

          【エッセイ】犬を飼いたい

          子供のとき犬を飼いたくて仕方がなかったのだが、ペットOKの家に住んでいるのに、いろんな言い訳をされて飼わせてもらえなかった。 なぜ犬を飼いたかったのかと言うと、同じクラスの大成くんが大きな犬を飼っていて、その散歩コースが私の家の近くだったので、よく見かけていたのだ。 その光景を見ながら、「私もあんな風に颯爽と犬の散歩ができたら、どれだけかっこいいんだろう…。」と、妄想をふくらませていた。 その妄想を現実にしたくて、得意の泣き落とし作戦を何度も実行したが一向に叶う気配はなく、諦

          【エッセイ】犬を飼いたい

          【エッセイ】乙女の絶望

          私は女子特有の、グループになって行動する習性が苦手だ。 特に学生時代は女子が一人で行動していると冷ややかな目で見られるのだ。 私は垢抜けた見た目をしていたし、性格も明るいので、そんな女子が一人でいることは尚更許されなかった。 女子たちは、 "もちろんこのグループに入るよね?" といったような無言の圧力をかけてくる。 彼女らのことは別に好きでも嫌いでもないから、突っぱねる理由もないので曖昧な態度をとっていると、自分でも気付かぬうちにどこかのグループに所属してしまっているのだ。

          【エッセイ】乙女の絶望

          【エッセイ】耐えきれぬ口臭

          今から3年くらい前、口が臭い人とデートする羽目になった。以下クチクサと呼ぶ。 そのクチクサは、昔私が病院に勤めていたときに足の骨折で入院していた人だ。 病院ではお互いマスクをしていたし、いつも受付越しに話をしていたので、その段階では口臭に気付けなかった。 その人は全くタイプではなかったが、あんまりしつこいので仕方なく1回だけデートしてみることにした。 しかしこれが悪夢の始まりだとは想像もしていなかった…。 私たちは2人の家の中間地点である新宿で待ち合わせした。待ち合わせの

          【エッセイ】耐えきれぬ口臭

          【エッセイ】トレジャーハンター

          私は子供のとき、お金を集めるのが大好きだった。 使うのではなく、とにかく集めて自慢したかった。 5歳くらいまでは量が多く見えるから小銭が好きだったが、小学校にあがったくらいから、札が好きになった。 それには理由があって、幼稚園児まではお年玉で小銭しかもらえなかったのだが、小学校からは札がもらえるようになったからだ。 初めて触る札を、おぼつかない手で数える私に、バーパン(祖母)が銀行員がやるような数え方を教えてくれた。 私はその、札を指で弾く感覚、またその数えているものの威力

          【エッセイ】トレジャーハンター

          【エッセイ】共同生活

          私の実家は、廊下のど真ん中にトイレがある。 私の部屋は北側にあり、バーパン(祖母)の部屋は南側だ。 私たちは2人ともインドア派なので、家にいる時間が多い。 そしてだいたいそれぞれの部屋に閉じこもって過ごしている。 そのためこんなことがよく発生するのだ。 私はトイレに行くために自分の部屋のドアを開けた。 すると、バーパンもトイレに行こうと自分の部屋のドアを開けているではないか。 私たちは目が合い、察する。 「あぁ、トイレがかぶってしまった。」と。 最初のうちはだいたい私が

          【エッセイ】共同生活

          【エッセイ】白桃

          実は私は三姉妹だ。今までのエッセイに登場する”姉”はすべて長女のことで、次女も存在している。 つまり私は三姉妹の末っ子だ。そう、私はシンデレラなのである。 今書いていて思い出したが、私は昔からシンデレラが大好きで、”学校から帰ったらソッコーでシンデレラを観る”というのが毎日の恒例だった。 いつもシンデレラと自分を重ね合わせながら観ていて、 「はぁ、なんて可哀想なシンデレラ…。こんなにいじわるな姉たちにいじめられて、文句も言わずにせっせと働いて…。3人の中で一番性格もいいし、

          【エッセイ】白桃

          【エッセイ】漢字練習

          私は子供の時から勉強が大嫌いで、ろくに勉強していなかった。 それよりも身体や手を動かしている方が好きで、流行りのダンスを覚えて踊ったり、図工でいろんなものを創ったりしている方が楽しかった。 自分の興味のないことにできるだけ頭を使いたくないので、国語のテストの冒頭の物語を読まずにすっ飛ばして解答したり(その物語の問題なのに)、算数のテストの最後の方にある文章問題は見なかったことにして手を付けなかったりもした。 しかし漢字テストは好きで、よくノートに永遠と熟語を書き続けて練習し

          【エッセイ】漢字練習

          【エッセイ】タイムスケジュール

          私は朝バタバタと慌ただしく動くのが嫌だったので、小学1~3年生くらいまで、前日の晩に次の日の服を着て準備万端で就寝していた。 起きたらもう準備することはないので、すぐランドセル(前日に中身を揃えてある)を背負って登校中に朝ごはんを食べるという斬新な方法をとっていた。 しかし小学4年生になったとき、男子と更衣室が別になったのを機に急激にませ始めたのもあって、朝の準備に時間をかけるようになった。 相変わらず朝バタバタするのだけは嫌だったので、学校に行く1時間以上前に起床し、ちゃ

          【エッセイ】タイムスケジュール

          【エッセイ】初めてのバレンタイン

          私は子供の時、かなりのおませさんだった。いつも妄想ばっかり膨らませていて、物心ついた時から自分なりの”白馬の王子様”をイメージしていた。 初恋は4歳の時だった。同じ幼稚園に通っていたあつしくんだ。あつしくんの家はお金持ちで、いつも身なりがきっちりしていた。他の男の子と違ってバカ騒ぎしないし、上品な雰囲気だった。私は”チューリップ組”であつしくんは”ばら組”だったので(ばら組なんてあつしくんにぴったりだなあ…と思っていた)、あまり接点はなかったのだが、逆に接点がないことが私の妄

          【エッセイ】初めてのバレンタイン