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麻利央書店

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高島麻利央による、短編小説~無料版~
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#エッセイ

あの子はあに子①「家飲み」

あの子はあに子①「家飲み」

あに子は今日も、日付が変わるか変わらないかの時間に、家から1分のセブンイレブンへ行く。寝る前のビールと、つまみを買いに。

寝る前に食べるのは良くないことくらい知っている。寝る前にお酒を飲むのは良くないことくらい知っている。それでも、毎日頑張って生きているわたしがそれくらいのご褒美を用意して誰が怒るのというのか。自分で稼いだお金を、数百円の娯楽に使って誰が咎めるというのか。

と、毎日どうにか自分

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わたしは嵐でした。

わたしは嵐でした。

先日、ジャニーズグループ『嵐』が活動休止を発表した。詳しく書かなくともそのニュースはほとんどの人が知っていることだろう。5人揃っての会見を開き、2020年12月31日をもっての活動休止とその決断に至るまでの経緯について語った。活動休止については寂しさを感じるものの、5人それぞれの葛藤やグループへの思いがストレートに伝わり、ますます好感度が上がったのではないかと思う。

私が「嵐」と聞いて思うのは、

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2019年がやってきた!

2019年がやってきた!

noteにて麻利央書店をお読みいただいている皆さん、
あけましておめでとうございます!

来るぞ来るぞと聞いていたけれど、
本当に来てしまった2019年、平成最後の4ヶ月。

そうやってまた平成最後の日も迎えるのだろう。

自分の身を削ったり
誰かの考えや思いを借りたりして
何かを思い(考え)ながら、言葉を綴って
誰かに届いたり届かなかったりしながら月日が流れた。

形にできた言葉たちとできなかっ

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小さなタスクを貫徹する

小さなタスクを貫徹する

苦手だな・・・
嫌だな・・・
面倒くさいな・・・

そういう感情は誰にでも発生する。
特に今の私がこれだ。

 新しい環境に「よっしゃやってやるぞ!」と意気込んでやってきて、目標を達成するために、そして日々生きていくために、毎日を試行錯誤しながら過ごしている。
 私の場合、芸能の仕事を生業にしている(しようとしている)わけだが、それは今日明日にすぐ達成できる可能性は極めて低い。おそらく芸能だけでな

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スタートライン

スタートライン

 人生にはスタートラインに立つことが何度かある。
 振り返れば、自らの意思で進むべき道を選んだケースはそう多くない。

 長い間続けたバレーボールも始めたきっかけは、小学生の頃、兄の女友達に誘われて何となくであったし、高校・大学の進路に関しては親の影響が大きかった。就職に関しては確かに自らの意思で就職先は決めたが、心の底から入りたい会社であったかと問われたら「No」である。

 そう、意外と、「何

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0.1秒の世界がココにもあった。

0.1秒の世界がココにもあった。

私は脚本を書く人間である。そして演じる人間でもある。

 某シナリオコンクールで優秀賞(大賞の次)を頂き、そこから少しだけ、人生が変わったような気がする。
 正直に言うと、変わったのは、私自身の気の持ちようだ。一つの賞を取ったとて、人生が激変するわけではない。しかも私は2位なのだ。平昌オリンピックなら、宇野昌磨選手であり、平野歩夢選手である。いや、彼らの足元にも及ばない。名前を出して申し訳ないくら

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2018年の目標

2018年の目標

ここ数年、年の初めに目標を立てて、自分のアメブロで書いていた。 #2018年にやりたいこと はこの「note」の場をお借りして書かせてもらう。
ま、#ハッシュタグ企画 に乗っかっているだけだけど。

ブログを振り返ってみると、
2016年の目標は・・・『攻める』
「果敢にチャレンジしてみて、得たのもの失ったもの、
変わったこと変わらなかったこと沢山あったが良い一年」と自己評価。

それを踏まえて2

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死神の疑い③

死神の疑い③

死神シリーズ最終章。
ようやく天気が回復したところを見ると、
死神さんもお仕事が終わって、落ち着いたんでしょうね。

話が分からない方はコチラをご確認下さい。
死神の疑い① 死神の疑い②

つい先日の話。
 ある漫才師Tさんのお葬式に参列した。芸人さんの葬儀に行くのは初めてで、式場に、いや式場への道すがらから、同じ方向へ進む人たちを見ては「あ、あの方は確か…」「あの先輩も来られてる...」と緊張し

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乾杯の挨拶を提案します。

乾杯の挨拶を提案します。

友人(新婦)の結婚式の二次会の乾杯の挨拶を頼まれた。
仕事上、司会はよく頼まれて、務めさせて頂くのだが、乾杯の挨拶は初めてだったので、色々と試行錯誤した。

友人代表のスピーチではないので、思い出などをつらつら語ってもしょうがない。また乾杯前なのでコンパクトにする必要がある。しかし、曲がりなりにも「しゃべり」を生業にしているので、笑いは取れなくても、ひねりというか、ちょっと粋な挨拶にしたいなという

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死神の疑い②

死神の疑い②

今年入っての二度目のお葬式は、祖父だった。

 7月の舞台本番の1週間ほど前に父から「容態が良くない、そろそろかもしれない」と連絡があった。

 父の父、つまり、父方の祖父はもう5年も入院していて、しかも意識がない状態。散歩中に脳が出血し(脳溢血?)意識が戻らないままだった。この5年祖母は毎日意識のない祖父の元へ通っていた。私も帰省した際には会いに行った。はじめのうちは何となく反応があるような、笑

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死神の疑い①

死神の疑い①

先日、伊坂幸太郎さんの「死神の精度」を読んだ。
そして、金城武主演で映像化された「Sweet Rain死神の精度」もDVDで見た。

内容を簡単に説明すると、仕事として「人間の生死を判断する」死神が存在し、彼らはその人物が死に値するかどうか1週間観察してジャッジする。1週間後に「可」もしくは「見送り」を決定し、「可」であれば8日目に対象者は死亡、それを確認し任務は終了となる。この物語の主人公で

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言葉に普遍性はない。

言葉に普遍性はない。

誰かが哀しんでいたら、慰める。
誰かが挑戦していたら、応援する。
誰かが間違っていたら、怒る。

時として言葉は重要で、時として不要だ。

友人が大切な存在を亡くした時、私は掛ける言葉が見つからない。
見つけられないのはきっと、今は言葉が不要だからだ。
ただそばにいて、時には距離を置いて、見守る。
私が必要になったら、声を掛けてくれるだろう。
ずっと必要じゃなくてもいい。
哀しみを乗り越えるのは、

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ギョッとするもの。

ギョッとするもの。

関西(特に大阪)を歩いていると、
女装しているオジサンとか、全身ヒョウ柄のオバサンとか、
全身コスプレのUSJ帰りの学生とか、爆買いしている観光客とか、
色んな人を見る機会に恵まれる。

最初でこそ「ギョッ!」としていたが、
最近は、見れてラッキー!、みたいな感じになってきている。

そうやって人間は「慣れる」生き物なのだ。

ここ最近で見る度「ギョッ」とするのは、
イヤホンである。

こういうタ

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誕生日を考える

誕生日を考える

ある人が言った。

「自分の誕生日を祝わないでほしい。
 祝うようなことでもない。祝われたくない」

これが本心かは分からない。
単なる強がりかもしれないし、
押すな押すなと一緒で「祝ってね」の振りかもしれない。

私は本日2017年10月10日現在で34歳。
年が明けて2018年2月3日に35歳となる。
ギリギリアラサーが、アラフォーになる瞬間がやってくる。
もうアラサーとは言えなくなる。
アン

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