〆さば@marky

ホラーや怪談の小説を気ままに書いてます。よろしくお願いします。

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最近の記事

「DOT ...紫陽花の、、、」108の煩悩 覚え書⑤@marky

今日も仮想空間を彷徨う。ググるグーグル。入ってるね。インテル。2進数で0と1を埋める。 主夫仲間の妊活のパパ友にアドバイスされる。 「点描で紫陽花を描くようにさ、 ヒー フー フーと息をむんだよ。これが産む時のコツだって。なんだって言えるさ」 「そんなんだね。ヒイ ヒイ フウじゃないんだね」 出産間近の俺にとって精神的な余裕は無かったから、まさか妊活仲間からこのやうな出産時のときの呼吸法にまで発想が回ってるというと気が回っているというかまで気持ちが行き届いていることに少々びっ

    • 108つの煩悩 覚え書き④「四畳半に煎餅布団の理」

      「四畳半に煎餅布団の理」 貧乏暮らしにそろそろ飽き始めた頃に、寝布団から這い出て 楽園を往ぬる。 夜明け前 どこからともなしに、野焼きをした焦げ臭いにほいが そこはかとなきまでに庭先から軒先をくぐり玄関を縫って部屋に入ってきた。 そのにほひはまるで 負の遺産のやうに、仰々しくもあっていつまでも正座をして待機している虚無槽のように振る舞っていた。  ただのにほひだらう。  ただのにほひだらう。 気ん持ちよくもない湯加減の風呂に放り込んまれたみたいな心地になる。 我愚犬が

      • 108つの煩悩 覚え書き③「仙薬」

        不老不死になるとされる仙薬を 懐中に入れて、小生は灯火の消えようとしている夜道を彷徨った。  いくばくかの小銭は持っているが、もはや生きる力を与えるエネルギーすら残されていない。 曼荼羅のごとき、不可解な図柄が頭の中を泳ぎ回り、世迷いことがこの上なく世間にはびこる中でもう生きていることが何もかも嫌になった。だから死ぬほどの二元論とはならずに不老不死の仙薬を飲みしだくことで生きることから離脱して死ねない不幸を味わいたいと思ったからだ。  夜明け遊びは、夜の停車場に限る。小生は常

        • 「堂山怪談」

          これは当時あたしが通っていた堂山のBARでマスターから聞いた 不思議な話だ。 ある雪の夜、 堂山のBARでクリスマスイベントが終わってひと段落した夜に あるお客さんがやってきたという。

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        「DOT ...紫陽花の、、、」108の煩悩 覚え書⑤@marky

          108つの煩悩 覚え書き②「国境にて」  

          「はい、どうぞ」空港のカウンタからバックパックを受け取る間に、小早川信太は死にかけた。山颪の風が吹いていた。まるでさざめくような、それなら見ていてもう柔らかくない風がまるで信太の心の中を去来する。他に例えようがないような、いやふつふつと湧き出る出る泉のような、あるいは他の世界の下にある窪地にたたずむ吟遊詩人のような。 そのくぼみに沈んだ、谷のような場所からいつの間にか心が、ただただ持ち出したてしまっただけのこれっぽっちの気持ちが生まれてしまった。 風神が色を加えて空を飛び飛

          108つの煩悩 覚え書き②「国境にて」  

          108の煩悩 覚え書き①「箱」@marky

          タマシイは形が無くて見えなくて茫洋としているから、手に取って見たくなるように タマシイを箱の中に入れてまずは保管してみようかと思った。 まずは、基本儀式だ。箱の中に入れるもの、言魂、玉櫛、緑色のビー玉、ビロード、壊れたランタン。その他のオブジェクト。  個々に僕の個人的な思いが詰まったものを机の上に並べる。  ただし順番を間違えては、元も子もない。正しい手順で、机の上に直角運動を行うように正確に置いてゆく。  服装は、上下、黒の作務衣、一本足の下駄を履く。両耳から雑音が聞こ

          108の煩悩 覚え書き①「箱」@marky