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結局、物事は個人が楽しめればそれでいいよねっていう気楽さを与えてくれた『湯道』

【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位:26/28
  ストーリー:★★★☆☆
 キャラクター:★★★☆☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★☆☆☆

【作品情報】

  製作年:2023年
  製作国:日本
   配給:東宝
 上映時間:126分
 ジャンル:ヒューマンドラマ
元ネタなど:なし

【あらすじ】

亡き父が遺した実家の銭湯「まるきん温泉」に突然戻ってきた建築家の三浦史朗(生田斗真)。帰省の理由は、店を切り盛りする弟の悟朗(濱田岳)に、古びた銭湯を畳んでマンションに建て替えることを伝えるためだった。実家を飛び出して都会で自由気ままに生きる史朗に反発し、冷たい態度をとる悟朗。

一方、「お風呂について深く顧みる」という「湯道」の世界に魅せられた定年間近の郵便局員・横山(小日向文世)は、日々、湯道会館で家元から入浴の所作を学び、定年後は退職金で「家のお風呂を檜風呂にする」という夢を抱いているが、家族には言い出せずにいた。

そんなある日、ボイラー室でボヤ騒ぎが起き、巻き込まれた悟朗が入院することに。銭湯で働いている看板娘・いづみ(橋本環奈)の助言もあり、史朗は弟の代わりに仕方なく「まるきん温泉」の店主として数日間を過ごす。いつもと変わらず暖簾をくぐる常連客、夫婦や親子。分け隔てなく一人一人に訪れる笑いと幸せのドラマ。そこには自宅のお風呂が工事中の横山の姿も。

不慣れながらも湯を沸かし、そこで様々な人間模様を目の当たりにした史朗の中で、凝り固まった何かが徐々に解かされていくのであった……。

【感想】

銭湯が舞台なだけに心が温まるような映画でした。同時に、物事の楽しみ方は人それぞれでいいという考えを肯定してくれる話であると、個人的には感じましたね。

<ストーリーがオーソドックス故に個人的にはあまり刺さらず>

この映画、ストーリーはとてもシンプルで、銭湯を営む三浦家のお家騒動がメインとなります。代々続く銭湯を守りたい弟と店を畳んでマンションにしたい兄の対立。でも、地域の人の憩いの場として機能する銭湯の光景を見て、だんだんと気持ちが変わっていく兄、、、という王道なヒューマンドラマ。舞台が銭湯なので若干目新しさはあるものの、店の存続をどうするかっていうのはよくある話ですし、オチも何となく想像できたので、僕はそこまでハマりはしませんでした。

<銭湯を選んだのは昨今のサウナブームの影響もあり?>

題材としては銭湯じゃなくても代替はできそうだなとは感じます。それこそ、町の駄菓子屋でも地域の商店街でも。ただ、今サウナがメッチャブームじゃないですか。それを意識した気はしますね。とはいえ、サウナオンリーの施設が乱立しているのはここ最近のこと。昭和から代々続く歴史性を持たせるには、やっぱり銭湯しかないのかなと。また、お風呂を題材にした作品だと『テルマエ・ロマエ』(2008-2013)のヒットもありましたし、身近で親しみやすい映画だったのは確かです。

<物事の楽しみ方とは>

この映画のよかったところは“湯道”という大それた名前をつけても、それに囚われる必要はないと教えてくれたことだと僕は思います。サウナは整うためのフローみたいなのがありますし、今の世の中、どんな物事に対しても、楽しみ方についてあれやこれや言う人も多いじゃないですか。ありがたい反面、「うるせーな」と思う人もいると思うんですよね。結局、楽しめればそれでいいんじゃないかという柔軟な考えを提示してくれたのはうれしいというか、いろんな楽しみ方があることを肯定してくれた感じがして優しい印象を受けました。

<そんなわけで>

好きなものの楽しみ方は人それぞれだと感じる映画です。寒い日に観ると銭湯行きたくなりますよ。特に、山からの景色を眺めながら入る五右衛門風呂は憧れました。あと、厚切りジェイソンの胸筋がメッチャ発達しして、まさに厚切りだなとびっくりできるのもポイントです(笑)


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