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互いを愛し、尊重し合えるメンバーはもはやチームではなく家族だと思った『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』

【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位:2/67
  ストーリー:★★★★★★★★★★
 キャラクター:★★★★★★★★★★
     映像:★★★★★★★★★★
     音楽:★★★★★★★★★★
映画館で観たい:★★★★★★★★★★

【作品情報】

   原題:Guardians of the Galaxy Vol. 3
  製作年:2023年
  製作国:アメリカ
   配給:ディズニー
 上映時間:149分
 ジャンル:アクション、スーパーヒーロー
元ネタなど:シェアード・ユニバース「マーベル・シネマティック・ユニバース」(2008-)

【あらすじ】

アベンジャーズの一員として世界を救った《ガーディアンズ》の、最後にして最大のお祭り騒ぎ!

サノスとの戦いで最愛の恋人を失ったショックから立ち直れないピーター(クリス・プラット)。そんな彼が率いるガーディアンズの前に、銀河を完璧な世界に作り変えようとする最凶の敵が現れ、ロケット(ブラッドリー・クーパー)は命を失う危機に…。大切な仲間の命を救うカギは、ロケットの過去に隠されていた。

全銀河の運命とチームの存続を懸けた、最強の落ちこぼれチームvs最凶の完璧主義者の感動のラスト・バトルが今、始まる──。

【感想】

マーベル・シネマティック・ユニバース」第32作目。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ第3作目。行ってきました、世界最速0時上映!いやー、有終の美を飾ったなと思える感慨深い映画でしたね。まるでみんなの卒業式に参列しているかのような気分にもなりました。

<ロケットの過去に涙>

個人的には大満足だったんですが、今回の映画で面白かったポイントは大きく3つあると思いました。まずひとつ目は、ロケットの過去が初めて描かれたことです。人の言葉を話し、銃器の扱いや宇宙船の操縦に秀でたアライグマ。なぜ、彼がそんな特別な存在なのか、その理由がようやく明かされます
今まで自らの過去については口をつぐんでいた彼ですが、そこには暗く悲しい事情があったんですよ。そのカギを握るのが、ハイ・エボリューショナリー(チュクーディ・イウジ)という今作のヴィランです。"完璧な世界"を作ろうとしている科学者?なんですが、彼によって無理矢理体を改造されるロケットがあまりにも痛々しくてかわいそすぎて。。。さらに、その後に彼の身に起きる悲劇は涙なしでは観れませんでした。。。そりゃ自分から語りたくなくなりますよ。。。

そういえば、ハイ・エボリューショナリーっていろんな動物を実験に使っているんですが、生み出されるクリーチャーたちが、どれも『トイ・ストーリー』(1995)に出てくるシド・フィリップスが改造したおもちゃのような形だったのが印象に残りましたね。

<お互いの個性を認め合うガーディアンズの絆>

もうひとつは、ガーディアンズのメンバーたちの固い絆です。1作目からずっと観てきた身としては積み重ねてきた想いがあるので、ある意味ズルいっちゃズルい部分もあるんですが、今回が一番その絆を強く感じられました。ロケットの命を救うために、メンバー全員が命懸けでハイ・エボリューショナリーと対峙するんですが、そこに至る過程は相変わらずみんな自由人です(笑)ピーターはガモーラ(ゾーイ・サルダナ)との関係にご執心ですし、ドラックス(デイヴ・バウティスタ)は人の言うことをまったく聞きません。マンティス(ポム・クレメンティエフ)はドラックスに甘く、ネビュラ(カレン・ギラン)はそんな状況にいつもイライラ。今回一番まともだったのはグルート(ヴィン・ディーゼル)ぐらいだったかもしれません(笑)

そんな一見バラバラなメンバーですが、それぞれの個性がきちんと活かされているシーンがしっかり描かれていたのが個人的にはぶっ刺さりましたね。ピーターは率先してロケットの命を救うために危険に飛び込んで行きますし、ガモーラ(2014年のサノスといっしょにやってきた方です)は冷徹さがあるがゆえにけっこう平気で敵を撃ち、ピンチを切り抜けます。ネビュラは実は一番実務能力が高いんじゃないかって思うんですが、宇宙船の操縦からロケットの応急処置まで的確に対処していきます。

そして、中でも今回はドラックスとマンティスの活躍がよかったんですよ。ドラックスはアホですし、人の言うことをまったく聞かないんですが、彼にはどっしり構えた安定感と、見た目とは裏腹に人情に厚い一面があるんです。マンティスは人の感情を操れる共感能力があることで、通常の戦い方では勝ち目がないときに意外な方法で窮地を脱します。この2人、ネビュラとの口論で人格の短所を突かれてしまうんですが、その短所を今書いたようにうまく長所に変えるようなシーンがあってうまいなって思いましたね。「みんな違って、みんないい」じゃないですけど、お互いがお互いの個性を認めることで、たとえ強くなくても賢くなくても、いっしょにいたいと思える間柄であることがすごく温かいなって思いました。

そもそも、ガーディアンズのメンバーってみんなそれなりに悪党で、初期メンバーが出会ったのも刑務所ですよね。身寄りがないからこそ、このガーディアンズが家族みたいなものなんでしょうね。このシリーズだけなんだよね、単品の映画でチーム組んでるの。だから、マーベルの他の作品以上に、仲間とのつながりが描きやすいのかもしれません。その温かさがこのシリーズ最大のウリなんじゃないかなーって思っています。

<でもやっぱりギャップが一番>

そして最後がギャップです。いろいろ書いてきましたけど、結局一番大きいのはこれですよ。今回は作品そのものが大きなギャップでしたから。だって、このシリーズってマーベル・シネマティック・ユニバースの中で一番コメディ寄りの世界観じゃないですか。常にお笑いパートを担当してきたガーディアンズの面々だからこそ、泣きが映えるんですよね。よく頑固親父の主人公が最後にちょっと優しさを見せるとメチャクチャ感動するじゃないですか。あんな感じで、「あのガーディアンズがこんなに感動的だと、、、?」という感情の振れ幅の大きさが、この映画における最大の魅力だと思います。

<そんなわけで>

今年観たマーベルの映画では、『アントマン:クアントマニア』より面白かったと思います、個人的には。ロケットの過去に泣き、ガーディアンズのバカ全開のやり取りに笑い、ド派手な映像とバトルに興奮できる最高のエンタメでした。ガーディアンズのこれまでとこれからをぜひ堪能してほしいです。ジェームズ・ガン監督の功績を踏まえて、今後彼が作るDCの映画もより楽しみになりました!


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