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みんなでワーッと殴り合って、急ぎ足でバッと畳んだ『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』

【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位:73/93
  ストーリー:★★★☆☆
 キャラクター:★★★★☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆

【作品情報】

   原題:-
  製作年:2023年
  製作国:日本
   配給:ワーナー・ブラザース映画
 上映時間:96分
 ジャンル:SF、アクション
元ネタなど:漫画『東京卍リベンジャーズ』(2017-2022)
      アニメ『東京リベンジャーズ』(2021-)
      映画『東京リベンジャーズ』(2021-)

【あらすじ】

東京卍會崩壊の危機へとつながる、かつての親友同士の決戦がついに火蓋を切った。

敵対チーム・芭流覇羅(バルハラ)に寝返った場地(永山絢斗)を連れ戻すため戦うことを決めたマイキー(吉沢亮)。一方、芭流覇羅にいる一虎(村上虹郎)は、東京卍會を潰してマイキーを殺そうとしていた。

タケミチ(北村匠海)はそれぞれの思いを受け止めながらも、最悪の結末を阻止してヒナタ(今田美桜)や仲間たちの未来を救うべく、戦いに身を投じるが……。

【感想】

映画『東京リベンジャーズ』シリーズ第2作目の後編です。今回は原作漫画でいう6巻の途中から8巻の途中まで。芭流覇羅との大乱闘とその行く末を描いています。

<全体的に単調な印象>

正直、期待値が高かった分、個人的にはそこまで刺さりませんでした。ストーリーとしては原作漫画においても序盤で一番盛り上がるところではあると思います。でも、映画の前編である『血のハロウィン編 -運命-』でアクションシーンがほとんどなかった分、今回の映画はむしろアクションシーンしかなかったんですよ。本当にみんなでワーッと殴り合ってるだけなので、単調といえば単調なんですよね~。他のスーパーヒーロー映画みたいに、それぞれのキャラクターの見せ場となるアクションがあるならまだしも、みんな一様に殴って蹴ってを繰り返しているだけだったから、ちょっと退屈でした。。。(笑)

<キャラクターが活きていない>

キャラクターにおいては、今回の映画のメインは場地だと思うんですが、個人的には彼ににそこまで思い入れがないんですよね(笑)これはもう原作漫画からしてそうなので、ある意味どうしようもない部分ではあるんですが。もちろん、理由はあります。場地の東卍に対する想いの強さ故の芭流覇羅への加入っていうのはすごく男らしい選択だとは思うんですよ。潜入工作みたいなものじゃないですか。とはいえ、ゆーても暴走族同士のいざこざですし、あんなリスキーなやり方よりももっと別の方法があったんじゃないかって思ってしまうんですよね。また、今回の映画に限って言えば、みんなでワーッとしかやっていない後であんな展開になっちゃってるんで、あんまり感動もできなくて。。。漫画だと重要じゃないところはサクッと読めばいいだけだから、テンポよく進められるんですけど、映画だとそうはいきませんからね。長い大乱闘で少し退屈していたところでの場地のケジメのつけ方なので、あんまり気分が乗っていかなかったです。もう少し場地に対する思い入れがあったなら、違う感じ方をしたかもしれませんけど。

そういえば、最重要人物の稀咲鉄太(間宮祥太朗)も、映画での扱いが小さいんですよね。まあ、彼の暗躍はこの後から本格化してくるので、現時点ではそこまで大きく描けないのは仕方ないですけど、存在感があまりにもなさすぎて、ちょっともったいない気もしました。

<終盤の駆け足っぷりがハンパない>

最後の持っていき方もまた微妙だと感じてしまって。。。結局、一番の目的であった「ヒナタを救う未来」ってのが宙ぶらりんなんですよねー。今回の大乱闘が未来にどういう影響を与えたのか、その答えを明示しないままなのでモヤモヤします。タケミチが今後どうしていくのかっていうのが気になるんですけどね。。。まあ、あまり描き込んじゃうと続編に対する期待感を持たせてしまうので、どうとでも解釈できるようにああいう形にしたのかもしれませんが。

<二部作にする意味はあったのかなかったのか>

今回の『東京リベンジャーズ2』は二部作でしたが、個人的には分ける意味はなかったと思います。これ、『美少女戦士セーラームーンCosmos』も同じこと思いましたが。どちらも後編に当たる方が、いわゆる決戦という形になるんですけど、そこに至るまでの感情移入が前編に持っていかれてるため、後編はほぼいきなり戦いって感じなんですよ。もちろん、前編からそう間を空けずに公開はしていますが、それでもブツッと切れてる感じはしますよね。これが非常にもったいない。やっぱり決戦は感情がピークになっているときに観たいじゃないですか。

尺的にも、別に1本にしても問題ないとは思うんですよねー。『セーラームーン』が前後編それぞれ80分ずつ、『東リベ2』が90分と96分。まあ3時間前後ってところですか。邦画にしては長いかもしれませんが、もう少しテンポのいい構成にすれば2時間半ぐらいにはできそうじゃないですか?(笑)まあ、僕が映画好きで、長い洋画もよく観てるからそう言えるのであって、世間一般の人からしたら80~90分ですら長く感じるのかもしれませんけど。

それに、製作側からしたら、作るコストは1本強ぐらいで、鑑賞料金は2本分取れるから都合がいいのかもしれません。でも1本でいいよなー。今後もこういう2部作が増えそう。。。

<続編はあるのかないのか>

個人的には、実写映画は一旦はここで終了なのかなーって思います。長いですから、この先も。例えば、アイアンマン役のロバート・ダウニー・Jrみたいに、10年契約してロングスパンで作品を展開していくってのは邦画ではなさそうですよね。さすがに高校生役をずっとやり続けるのは難しいですし、日本の売れている役者って、映画だけでなくドラマやCMにも出るから、長く同じ役をやるのは現実的ではないのかもしれません。アニメなら最後までやれそうですけど。となると、少なくともこのキャストでは続編はなさそう、、、?知らんけど(笑)

<そんなわけで>

原作漫画もしくは前編である『血のハロウィン編 -運命-』観ていないと訳が分からない映画だと思います。まあ、イケメンたちがぶん殴りまくってる画を観たいだけなら別ですが(笑)とりあえず、今回の映画シリーズでは、清水尋也さん演じる半間が一番再現度高いと思いました。


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