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バスケだ!青春だ!兄弟愛だ!『運命のマッチアップ』

【個人的な満足度】

2022年日本公開映画で面白かった順位:53/99
  ストーリー:★★★★☆
 キャラクター:★★★☆☆
     映像:★★★★☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆

【作品情報】

   原題:下半場 We Are Champion
  製作年:2019年
  製作国:台湾
   配給:ライツキューブ
 上映時間:117分
 ジャンル:ヒューマンドラマ、スポーツ、青春
元ネタなど:HBLで活躍した実在の兄弟から着想

【あらすじ】

バスケの秀でた才能を持つ兄弟・ショウユー(ファン・シャオシュン)とトンハオ(チュウ・シュアンヤン)は、母を早くに亡くし、父とは離れて暮らしている。

兄のショウユーは片耳にハンディを負いながらも、バスケ部が廃部寸前のグアンチェン高校に、弟のトンハオは夢を追う一心でHBLの連覇を狙う強豪校・ユーイン高校にスカウトされる。

HBLが開幕し、両者はどんどん試合を勝ち上がっていき、やがて最大のライバルとして運命の試合に挑むこととなる―。

【感想】

最近スポーツを扱った映画を観てなかったので、興味本位で鑑賞。バスケ映画ってありそうでそんなにないんですよね。なので、個人的には楽しめました。まあ、昨年『スペース・プレイヤーズ』ってあったけど、あれもうバスケ映画じゃないですよね。サッカー映画における『少林サッカー』みたいなものなので(笑)

<台湾で人気の高校バスケ>

バスケというと、やぱりNBAが一番先に頭に浮かんできますよね。だから、台湾でバスケって言われてもなかなかピンと来ないかもしれません。ところが、向こうでは"HBL(High School Basketball League)"と呼ばれる高校バスケがメチャクチャ人気らしいんですよ。チケットも手に入りづらいとか。この映画の舞台もまさにそのHBLです。ストリートバスケをしていた兄弟がある日突然スカウトされるっていうところが、日本じゃもうほとんどないような設定ですよね。弟は強豪校から声がかかりましたが、兄は片耳の障害を理由にそこからは声がかからず、バスケ部が廃部寸前の学校へ行くことになります。『スラムダンク』(1990-1996)を読んでた身からしたら、湘北と海南みたいな構図がイメージできました(まあ、湘北は廃部寸前ではないですけど)。

<青春映画らしい爽やかさ>

それぞれの学校のシーンはまさに青春映画そのものです。特に兄の学校は規模も小さく、どちらかと言えばアットホームな感じだったので、部員同士でじゃれ合ったり、ちゃかり水泳部の彼女を作ったりと、学園生活を謳歌していましたね~。一方、弟の方はそんなシーンはまるでなく、強豪校らしくひたらすら練習し、上級生からも厳しく言われる日々。いずれにせよ、懐かしい学生生活を思い出しますね(笑)

<バスケの試合がメチャクチャかっこいい>

この映画の一番面白かったところは、何と言っても実際のバスケシーン、それも最後の決勝戦です。CGや合成を使わず、ガチで試合しているところにカメラも入って撮影したらしいですよ。バスケを本格的にやっていた人たちからしたら、役者さんの動きにぎこちなさを感じるかもしれませんが、素人目からしたら普通に、いや普通以上に形になっていて、とても臨場感ある映像だと思いました。NBAみたいにダンクが当たり前の世界ではないので、パワフルさはなかったかもしれませんが、スピード感溢れる展開はよかったです。

<兄弟の対立がもう少し強くてもよかったかも>

最後の兄弟対決ですが、もう少し対立構造が強かったらより一層よかったんじゃないかなあと個人的には思いました。もともとこの兄弟って仲が悪いどころか、とても仲良しなんですよ。母親を早くに亡くし、父親とも離れて暮らしている分、その絆は強い。

そこに亀裂が入ったのが、映画中盤、父が怪我をして病院に運ばれたときに、すぐに病院に向かった兄と、試合を終えてから向かった弟で言い合いになったところです。そのまま両校の試合に突入という流れになっていました。ここなんですけど、兄は自分の試合が終わった後だったから、父が運ばれた知らせを聞いてすぐに動けたけど、弟はちょうど試合の直前だったんですよ。ずっとバスケをやりたかった弟からしたら、いくら父が運ばれたからといって、自分の夢をあきらめたくはないかなって。そこを兄は責めるんですけど、個人的には弟の気持ちに寄り添いたいと思いましたね。まあ、そこで弟が廃部寸前の兄のバスケ部をバカにするような発言をしたから、ケンカになっちゃったんですが、弟の気持ちはわかります。

<そんなわけで>

汗がほとばしる部活映画を観たいならオススメできるかも。やっぱりスポーツをしている姿を見るのは清々しい気持ちになれますね。


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