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「亀田に帰る」

母方の田舎は
新潟にあるせんべいで有名な亀田
いとこがたくさんいたから
毎年夏に遊びに行ってた

一面稲の広がる水田
その真ん中にすごく広い公園で
きまって遊びに行ってた
いとこ六人そろって

いとこと遊ばないときは
おばあちゃんが市民プールに連れてって
ただただ見守ってくれた
嬉しそうに

おじさんおばさんも子ども達のために
海に連れてって
花火を用意して
お寿司でご馳走してくれて

ひとのぬくもりで
田舎はあふれてた
犬や鳥もいて
賑やかだった

水田にはさまれた
線路に並行してながい一本道
誰もいない道を
ひとりであるいてた

それが好きだった
見渡すは稲ばかり
静かな道に
わたしだけ

どこか時間の感覚が違ってた
ゆっくりしていて
自由で
大切で

いつも指折り引き算していた
あとよっか、みっか、あとふつか…
その瞬間はとてもさみしくて
きもちがしずんだ

そんな時は化粧台のまえに座り
じっと鏡を見つめた
長い髪を丁寧にとかしながら
わたしをみた

田舎は生活から切り離されたところ
懐かしの人々に会い
自然とふれあい
ひとりになれる

いまは都会にいるけど
わたしはいつでも帰れる
こころはいつでもつながれる
大好きなこの場所に

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