【バトン連載】私の移住ストーリー vol.9|佐藤佳菜美@石垣島
私が石垣島に移住した理由
2018年6月の小浜島、大岳展望台に初めて登った。
それはそれは素敵な景色で、その日の天気や気温、出会った人々、食べたもなどすべてが合わさって、ここに導かれてきたような不思議な気持になった。
もともと沖縄が好きで島巡りもよくしていたが、この時はいつもと違う、言葉では言い表せられない特別感。移住者の中には多いんじゃないかと思う、これが多分八重山マジック!
約60歳差のお友達ができた。
そこからもう私の魂は半分八重山にあるようなもので、年に1・2回は石垣島・小浜島に来てはおじいに会って大岳を登るのが生きるモチベーションみたいになっていた。
ある時、竹富島でTシャツ屋をやっている、やたら社交的な男性と出会った。
八重山には60歳年上の友達しかいなかったから、新しい友達が欲しくてすぐに連絡先を交換した。その友達とは、旅を終えてからも長文のやり取りをしていて、やがてお付き合いすることになった。
(1回しか会ったことない人と付き合うのは今思えばすごいな…と思うけれど、当時は全く抵抗がなかった。)
偶然のような必然のような出来事が重なり、私は石垣島への移住に向けて環境を整えていくことになった…!
移住するためにクリアしなければならなかったこと
① 仕事を辞める決断をすること
私は当時、賃貸住宅の仲介の営業をしていた。
営業という仕事柄、一般的な会社員レベルの疲労やストレスはもちろん感じていた。
しかし、いろんな物件の間取りを見て回る楽しさや、様々な引っ越し理由があるお客さんの満足のいくお部屋を一緒に見つけた時のやりがいを感じられたし、なにより個性的で面白い仲間たちに囲まれていたから、仕事が苦にはならなかった。
勤めて5年半、そんな居心地の良さ◎の会社を辞めて、移住をするのは失うものが大きすぎる。
② 自分との葛藤
わたしの頭の中は「過去」が占める割合がとても多い。思い返せば中学の時点で「あの時はよかったな…」なんて常に過去にすがりながら、悲観的に過ごしている やばい中学生だった。
そんな根暗な学生時代を経て大人になった私が、移住なんてした日には、慣れ親しんだ愛知での生活の良かったところだけを思い出して、また悲観的になるという未来が簡単に想像できた。
と同時に、移住をしたいという淡い気持ちを持ちながら、その道を選ばなかったら、「あの時ああしていれば…」と思い始めることも簡単に想像できた。
ーーー人間、いつ死ぬかわからん。ーーー
悲しいことはいつも重なって起きて、そして何かを伝えているように思える。
60歳手前の父親と、私と同年代のお客さんが同じ時期に亡くなった。
人間いつどこで死ぬかわからない、なんて当たり前のことたけど、本人の意思に反して突然人生が終わることって、案外身近にあるものだと改めて実感した。
その後しばらくは「どうしてほかの誰でもなく、この人が病気になってしまったのだろう。」という答えのない思考を繰り返した。誰かが幸せになると、誰かが不幸になる、なんて法則があるわけないのに、どうしてもそんなことばかり考えてしまった。
そして思ったことが、
「人間、いつ死ぬかわからん。それなら見たことないほうの道を選ぼう。」
終わってしまったいのちから、何かを感じて行動することで、はじめて自分がその人の死を受け入れることができた気がした。自己満だけど、気持ちも楽になった。
そんな気持ちに後押しされ、晴れて2022年8月に石垣島に移住となった。
考えるきっかけをくれた2人には今でも感謝をしている。
移住してみて、今おもうこと
① 選択肢が少ないというメリット
石垣島らしい移住メリットは日々たくさん感じるが、これは想定外で移住してよかったなぁと感じる点。
都会にいたほうが、できることや、手に入れられるものの選択肢は確実に多い。
だけど選択肢が多い環境に慣れだすと、
今じゃなくてもできるしな…、どれにしたらいいかわからない…
といった豊かさの貧困のような状況に陥る。
かくいう私も優柔不断な人間なので、
石垣島のコンパクトさにとても過ごしやすさを感じる。
例えば、
・知り合いがそこら中に住んでいるので、気軽に食事に行ける
・友人の知り合いに三線教えてくれる人がいたので教えてもらった
・はじめてマラソンを走ってみた
大それたことじゃなくても、
石垣島に来たからできたなぁという小さな体験が幸せにつながっている。
② 石垣島・沖縄以外に目を向けられる
・旅先の選択肢
沖縄にはまってからというもの、旅行の選択肢が沖縄方面ばかりになってしまっていた。
実際に移住してからは、沖縄以外が旅行先となって日本各地を知ることができてとても楽しい。
・地元の知人にも不定期で会える
移住すると頻繁には地元の友人に会えなくなる。
その反面、帰省時には自ら声をかけるようになった。逆にずっと地元に住んでたほうが会わなくなってたんじゃないか…?と最近は思っている。
石垣島への移住という体験を通して、自分が大切にしたいもの、大切にすべきものがよりはっきり見えるようになってきた気がする。
帰る場所がたくさんある幸せを感じつつ、もうおなかいっぱい!と思える日まで石垣島を楽しみたい。
次のバトンは…
あずねえこと移住ナースのあずささんです!
「石垣島にきて、過ごしている今が人生で一番幸せ」
といつも話を聞かせてくれるあずねえの移住ストーリー、
ぜびお楽しみに!
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この記事を書いた人
佐藤 佳菜美
愛知県出身、2022年8月石垣島移住。
現在は市内で会社員。
趣味は広く浅く、
最近はおいしいワッフルの研究。
ランニングを趣味にしたいと思っている。
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