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誰に向けたデザインか、ちゃんと考えてるのかい?

今日のタイトル。このデザインは誰のためにあるのか?
僕が携わる広告・広報の世界では当たり前に考えること。
本来届ける相手は、発注者であるクライアントではなく、その先の人。
こんな当たり前のことが考えられない人たちと仕事をするとどうなるか。

今回はそんなお話をしようと思います。

これって誰のために作ってるんだっけ?

現代の進歩的な社会において、革新は不可欠。
特に、国や役所といった「川上」の組織は、その変革の最前線にいなければなりません。
しかし、最近感じるのは、古い考え方や昭和の根性論、発注側の無意味な威厳といった過去の遺産が、新しい価値観や変化への対応を阻害していると感じます。本来届けるべきコンテンツへの影響を考えた場合、この体質が非常に問題だと。

そう感じた事案がありました。

僕が担当したパンフレット制作。未来の街づくりをテーマとし、未来ある子供たちに、ワクワクする未来のまちづくりを伝え、子どもたちがその街づくりに興味を持ってもらうことを目的としています。

街を支え、社会を支え、街全体の未来を作り上げる世界。
このパンフレットを読むことで「この世界で働いてみたい」「自分もこんな未来を作ってみたい」そんな子供たちの声を想像しながら読んでワクワクするものを作ろうと張り切って制作を進め始めました。

しかし、蓋を開けてみると、古き縦社会構造、上層部の過度な介入により、正しい情報、間違いのない事実、誇るべき実績だけが掲載されたワクワクを感じない無味無臭なものに…。

今回、パンフレットの制作過程で現れた問題点は多々あります。

子供たちの興味を引くことができる未来のビジョンを伝えることが目的であるにもかかわらず、内容は現実的な取り組みや事実の紹介にとどまり、読み手の想像力を刺激する要素が欠けまくってる。
当然、編集やデザインに携わることのない人が関わるとこうなります。

より良いものにするための内容の精査も上層部の決定に時間がかかり、非効率な修正が重なることで、スケジュールも曖昧で、終わらない作業が続きました。校正の数、20校。
間を取り持っていただいた会社さんの担当者も、その理不尽な対応に追われるという始末。

伝統的な体制やチェック体制がプロジェクトの質を担保するために必要であるという人もいるかもしれません。
ただ、実際にはこれらが革新的なアイデアやクリエイティブな内容を生み出す上で障害となっていると感じました。

原因は1つ。

誰に届けるものなのか?
この理解が共有できていないこと。

それぞれの立場で、それぞれの視点で、あらゆる意見をバラバラに反映するあまり、冊子としての編集は崩れ、読み物としての体裁はまとまりのないものに…
新しい世代に新しい技術やビジョンを伝えるためには、伝える側の思考や体制も新しくなければならないということが、この事例からも明確です。

結論として、真に「面白い!」と思わせ、将来この業界で働きたいと考えさせるパンフレットを作成するためには、発注側の姿勢や古い体制の変革が急務であると言えます。未来を支える若い世代の強い興味関心を引き寄せるためには、絶対に「川上」の変革が不可欠だと感じた、そんな事案でした。

より良いものを届けるためにどうするか?

変革を実現するためには、政府や自治体だけではなく、民間企業やクリエイティブな専門家との連携が不可欠。
僕自身、クリエイティブの会社で働きながら、デザインや編集を通じて、多くのプロジェクトに関わってきました。その経験からも、プロフェッショナルとのしっかりとした連携が、最も大切であると強く感じています。

専門家の知見を活かす

プロジェクトにおいて、デザイナーやエディター、技術専門家などの意見を積極的に取り入れることで、より革新的で魅力的な成果物を生み出すことができます。特に、子供たちに向けたパンフレット制作のようなプロジェクトでは、彼らの興味を引き、想像力を刺激するためには、専門家のクリエイティブな発想が欠かせません。

連携の強化による効率的なプロセス

プロフェッショナルとの連携は、プロジェクトの効率性を高めることにもつながります。各専門家がそれぞれの強みを生かして作業に取り組むことで、時間とリソースの無駄遣いを減らし、プロジェクトの質を向上させることが可能。
また、フィードバックの循環を速めることで、より迅速な意思決定と改善が行えるようになります。

共創を通じた新しい価値の創出

政府や自治体がプロフェッショナルと密接に連携し、共にアイデアを出し合う「共創」のプロセスを取り入れることで、既存の枠を超えた新しい価値を生み出すことができます。
この共創プロセスは、新しい技術やサービスだけでなく、社会全体の変革にも寄与します。
特に、教育や子供たちの未来に関わるプロジェクトでは、多様な視点を組み合わせることで、彼らにとって魅力的なコンテンツを創造できるのです。

クリエイティブの現場の働き手として、デザインや編集に携わる僕たちは、政府や自治体とのプロジェクトにおいて、重要な役割を担うことができます。これは間違いありません。
専門知識と経験は、社会に新しい風を吹き込むための強力なツール。そして、この連携こそが、より良い未来への架け橋となるのです。

未来を変えるための連携と変革

本記事を通じて、「川上」における革新の必要性と、そのための具体的なステップ、さらにはクリエイティブのプロフェッショナルとの連携の重要性について考察してきました。
変革は一朝一夕には起こせませんが、今こそ、それぞれの立場から未来をより良いものにするための行動を起こす時です。

政府や自治体、そしてクリエイティブの専門家が手を取り合い、共に新しい価値を創造することで、子供たちをはじめとするすべての人々にとってより良い未来を築くことができるのです。

最後に。
より良い日本の未来のために日々頑張っている方々へ。

子供たちの未来のために、旧体制の見直しをお願いしたい。
古い体制から、より良い方向へ改善してほしい。
本気でより良いものを届けたい想いがあるクリエイティブの重要性をもっと世の中に浸透させてほしいと願うばかりです。

とはいえ。
仕事を通じて様々なことを感じる、クリエイティブの現場は面白いです。自分ができることを精一杯向き合って、コツコツやるのみ。日々精進。

それでは、みなさん、今日もクリエイティブな一日を!

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