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2021年度版老子素読

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今回使用したテキストは、岩波文庫蜂屋邦夫訳注版です。 老子の文章は一種のなぞなぞのようです。 例えば、大国を統治するのは、小魚を煮るようなものと述べています。 意味は、小魚を煮る… もっと読む
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老子の中で語られている理想社会は「小国寡民」とされています。

それはどのような社会なのかと云うと、人力の十倍百倍の機能を持つ道具があっても使用せず、住民には命を大切にさせ、移住しないようにさせ、舟や車があっても乗らず、甲や武器があっても使用しないで、文字の代わりに縄を記号として使わせる。
自分たちの食べ物が美味いと思い、自分たちの衣服が良いものと思い、自分たちの住居に安んじ、自分たちの習俗を楽し

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老子の言葉は、西洋的な論理でみると、変な叙述になります。
例えば、第70章では、「吾が言は甚だ知り易く、甚だ行ない易し。而れども、之を能く知る莫く、之を能く行なう莫し。」と述べています。
結局、老子が云いたいことは何なのか。
「我を知る者は希なれば、則ち我れは貴し。是を以て聖人は、褐を被て、而れども玉を懐く。」と云います。

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老子によれば、「国を治める」には「奇を以て兵を用い、事無きを以て天下を取る」べきだそうです。
それは、「世の中に禁令が多くなり、武器が増えたり、巧みな技術を持ったり、法なるものが明らかになるほど、世の中は悪くなる」からだそうです。
そこで聖人は、「何もしないで、静寂を好み、事を起こさず、無欲になると、人民は平和的になる」そうです。

現代からみると、かなり理想論に聞こえますが。

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老子の第41章には、有名な故事成語「大器晩成」が出てきます。
実は、原文では格言の一部を抜粋しただけのもののようです。
老子によれば、「道」と云うのは笑われるようなものでないとならないと述べて、次のような格言を記します。

「明道は昧きが若く、進道は退くが若く、夷道は纇なるが若し。上徳は谷の若く、太白は辱れたるが若く、広徳は足らざるが若し。健徳は偸れるが若く、質真は渝るが若し。大方は偶無く、大器は

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老子の文章はまるでなぞなぞのような書き方をしています。
ただ、あえて合理的に読もうとすると、「罠のような落とし穴からいかに逃げるか」と云うことを述べているようにも思えます。
例えば、31章の「夫れ兵は不詳の器なり」と述べ、「道を身につけた者は武器を使う立場に立たない」そうです。
理由は、「夫れ人を殺すを楽しむ者は、則ち以て志を天下に得可からず」と述べています。
老子からすれば、戦争のために武器を使

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老子の文章は難しいです。
独特な表現が多くて、一回読んだだけではよくわからないです。

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老子はけっこう政治や社会のことを述べています。
老子によれば、最高の支配者とは「下、之有るを知るのみ」で、その次に上等なのは「之を親しみ誉む」、その次に上等なのは「之を畏る」、その次に上等なのは「之を侮る」そうです。
老子は支配者に必要なのは、「信」だと述べ、人民から信頼されないといけないと述べています。

老子第1~10章

吉成学人

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今回は、『老子』を素読することにしました。
使用するテキストは、岩波文庫の蜂屋邦夫訳注版です。
老子も1章ずつの文章は短いです。
ただ、かなり複雑な文章が多いです。
「道の道とす可きは、常の道に非ず。名の名とす可きは、常の名に非ず。名無きは天地の始め、名有るは万物の母。」
日本語にするとよくわからないのですが、押韻をするための文章も結構あるようです。