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焦っているのに、勉強が手につかないときは

こんにちは。臨床心理士/公認心理師/精神保健福祉士のまりぃです。

大学院を終了してまだ一桁年の若輩心理職で、臨床心理士試験・公認心理師試験のダブル受験生応援公式LINEtwitterInstagramYouTubeを運営したり公認心理師受験生応援LINEスタンプを販売したりしています。

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先日、ミヤガワ先生とお話した際、こんな質問をいただきました。
「公認心理師試験の試験日が発表されて、気持ちばかりが焦ってしまい、なかなか前向きに取り組むことができません。試験まで残り4ヶ月、どうしたら良いのか困っています」

その場で思いつく限りの返答をさせていただいたのですが、はたして質問者さんにとって納得の行く返事ができたのだろうか、と配信の後もしばらく考えておりました。

そこで、数日間考えたことを整理してみようと思います。
(ちなみに、私はWAISでいうVCIの高いタイプで、文章にして表現するほうが、その場で構成するより得意だと思います)

焦っているのはなぜ?

3つの理由と自信の無さ


 まず、今この記事を書いている時点で3月後半ですから、あとちょうど4ヶ月しかない、という「勉強期間の短さ」があるでしょう。
 次に、期間の短さに対して「勉強する量の多さ」があるかもしれません。「赤本を解いてみたけれど、全然わからない、自分はまだまだ勉強しなくちゃならない」その膨大な量に圧倒されているかと思います。
 そして、「時間のなさ」もあるかと思いました。これは、期間の短さに似ていますが、例えば平時の仕事の忙しさ、家庭でなすべきことの多さ、自分の体調などを鑑みて、勉強時間が確保できない気がする、という意味での「時間の無さ」です。
 主にこの3つが「自信の無さ」に繋がり、それ故焦っている方が多いのではないでしょうか。

前向きに取り組めないのはなぜ?

 配信中も申し上げたのですが、普通「焦っているので」の続きは「慌てる」とか「とにかくやらなきゃ」となる気がします。
 しかし、「前向きに取り組めない」とか「手に付かない」んですよね。それはどうしてでしょうか。

見通しが立っていない


 私事ですが、とある心理学系の学会で発表をしようと決意していたものがありました。その学会の申し込み概要が発表され「やるぞ」とは思ったのですが、手を付けられず……ずるずる時間だけが過ぎていき、見事締め切り当日に駆け込み申込みをしました。
 この状況、「前向きに取り組めない」に似ている気がしませんか?

 このときの私は、まず「その学会で発表するのが始めて」でした。なので、申込みの仕方(論文の要旨などがいります)がよく分かりませんでした。
 一応ホームページを見たりもしましたが……「よく分からないなぁ、またにしよう」と思っているうちにズルズル時間が過ぎてしまったんです。
 きっと、二回目からは手順がわかっているのでスルスル準備することができるような気がします。
 
 つまり、人は「よく分からないものは手を付けにくい」もっというと「見通しの立っていないものは前向きに取り組みにくい」ものなのです。
 公認心理師試験に向けて焦っているのに前向きに取り組めないあなた、思い当たるフシはありませんか?

目標やメリットが明確でない


 そしてもう一つ……お恥ずかしい話ですが、その学会で発表したからと言って、私に明確なメリットはなかった、ということも、やる気を出すのに時間がかかった理由でしょう。自分の論文を人前で発表する機会が持てること、それが一つ実績になることは分かっているのですが、なにせF欄大学の院卒です、周りにそんな熱心にやっている人も居ないし、指導教官は「発表しろ」というだけで放置だし(大人なのだから当たり前です)。

 これをあなたの勉強に置き換えるとどうでしょう。公認心理師をとったからと言って、職場で評価されるわけではないかもしれません。逆に、職場に絶対取れと言われて、仕方無しに取り組むことになった方もいるかもしれませんね。加えてGルートの方への風当たりのきつさを見て、「自分なんかが公認心理師をとってはいけないのでは?」と気持ちが落ち込んでいるのかも……それでいて、自分で勉強しなければ、誰も励ましてくれないし、大人ですから誰も褒めてくれないのです。
 ともかく、自分にとって、「この資格をとって、こうなる」という明確なメリット、目標がない場合、前向きに取り組むのは難しいでしょう。

解決方法

それでは、前向きに取り組むにはどうしたら良いのでしょうか?

なぜ資格を取るの?資格をとってどうするの?

 他人が褒めてくれない以上、自分で自分のモチベーションを上げるしかありません。そのためには、目的意識がまず大事です。なので、一番最初にしていただきたいことは「この資格をとってどうしたいか」考えていただくことです。本音を言うと必要ではない方の場合、いっそ受験するのを止めてしまうことも一つの方法です。それは逃げではなく、大人としての合理的な判断でしょう。
 それでも、「受験します」というあなた。では、なぜ受験しますか?

 明確なビジョンがある方、こういう仕事をしたいから、という方は、その未来の自分に近づくために、勉強を始めましょう。
 でも、「仕事に役立てる」みたいな立派な理由がなくても大丈夫。「昔から心理学に興味があった」「好きだから」で充分じゃないですか。
 であれば、次の段階です。

とにかくやってみる


 前述の学会発表ですが、やっぱり自分の研究成果を、一つ正式な形で世に出したかったという思いが、駆け込み間に合わせのモチベーションでした。
 それから、わたしは書くのも研究するのも好きですから、「発表申し込み」に必要な論文概要を作り出すと、楽しくなります。(そして、「ああ、時間が足りない、こんなことならもっと早くから準備していれば、もっと良いものを出せたのに」と後悔しました)
 ですから、とりあえず、取り掛かってみましょう。好きなんだったら、楽しくなるはず。ちょっとでもいいから、過去問を開いてやってみること。それが第一です。

外発的動機づけも利用する

「好きじゃないんです、職場に言われて仕方なく受験するんです」という方もいらっしゃるでしょう。そんなときは、「誰かに宣言する」「逃げ場をなくす」「締め切りを作る」のも手です。

 私の研究発表申込みですが、正直申し上げて、書類を書き始めることができたのは、「ああ、自分一人では埒が明かない」と諦めて、知り合いの教授のアポを取ってからでした。つまり、ヘルプを求めたわけです。だって、わかんないし、はかどらないんだもん。それでもやりたかったから、アポを取ることで「その日までにこれくらいは最低仕上げるぞ」という期日を設けました

 というわけで、もし締め切りを迫る人が欲しい方は、まりぃ先輩が有料でその係もしておりますので、公式LINEからご連絡ください。
 あるいは、経済的余裕のある方は、予備校に頼るのも立派な方法ですよ。

見通しを立てる

 それから、並行して大事なのが、「見通しを立てること」です。あと四ヶ月で、何を・どうやって・どれだけ勉強しますか?
 やり方がわからない方は、こちらの記事をどうぞご覧ください。これで、「どうやって」は解決できるはずです。
 次に、何から初めて良いかわからない、というのは、なかなか手を付けられない一番大きな要因でしょう。「ここから始めて、どこまでやれば合格できる」という見通しが立つと、「毎日」「どこを」「どれだけ」やればよいのか分かってきますので、今日何をしたら良いのかわからない、ということがなくなります。
 これによって「勉強時間の短さ」「勉強量の多さ」に圧倒されることで「自信の無さ」から前向きに取り組めない状態から脱することができます。

忙しすぎる人へのアドバイス

 とはいえ、最後の難関、「時間の無さ」が残っています。仕事も、家庭も、忙しいですよね。
 そんなときは、有名な方法ですが、今やるべきことを4つに分けることができます。

白い紙を用意して、十字に線を引き、4つのゾーンに分けます。
左上に赤字で「緊急」青字で「重要」と書きます。
右上に黒字で「緊急でない」青字で「重要」と書きます。
左下に赤字で「緊急」黒字で「重要でない」と書きます。
右下に黒字で「緊急でない」「重要でない」と書きます。

さあ、あなたのやるべきことを、この4つに分類してみましょう。

 このとき、注意があります。
 「緊急」というのは「あなたにとって緊急」であるということです。
 例えば、かかってくる電話。それは、相手にとって緊急でもあなたにとって緊急ではないことです。(だって、自分から電話をかけているわけではないから)

 一旦、外在化して、可視化することで、自分が何を大事に思っているのか、自分が何に時間を割いているのか理解するだけでも、本当にやらなきゃいけないことが見えてくるはずです。 
 そして、本当に緊急で重要なことは先にやります。
 次に、「重要じゃないけど緊急なこと」は、「緊急じゃないけど重要なこと」に少し時間を譲ってください。

 4つに分けるとき、きっと勉強は「緊急でない」が「重要」ゾーンに来ることでしょう。そうです、実は、一番人生で大事なことは「緊急ではないが重要」ゾーンに来るのです。

例えば、運動をすることとか。
例えば、部屋の掃除とか。
例えば、積立NISAを始めるとか。
スマホを格安SIMに変えることとか。
そんなことが「緊急ではないけれど重要」ゾーンに来ませんか?

いつでもいいんだけれど、いつかやらなきゃと思っていること。
それが大事なことです。その中で、「あれ、案外緊急かも」と思うことに丸をつけて、潰していきましょう!!!
 公認心理師試験は四ヶ月後です。過去問を4周するなら、1ヶ月で一周になりますよ、緊急だと思いませんか?


終わりに 試験はスポーツの試合みたいなもの

 さて、そんなところで、いかがでしょうか。「焦っているので」「とにかくやります」という気持ちになりましたか?

 最後に、自信を持って試験に挑むには、充分な準備をして「自分はここまでやった」という自負が必要です。それは、まるでスポーツの試合のようなもの。
 これだけ練習したんだ、試合が楽しみだなぁ。
 そう思えるくらいまでやり込んだ選手が、自信を持って試合に挑めるように、あなたも十分勉強して、試験を迎えましょう。

 いやあ、こんなに勉強したんだから、試験が楽しみですね!

 日本のどこかで、生きて、あなたを応援しています。

まりぃ

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