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イケてる商社マン?の 信用ウォッチング

「本当に大事な事はPLに載らない」

成毛眞さんのこの言葉に触れて以来、「信用」という言葉に興味を持つ今日この頃。

非常に確信を突いた言葉だと思うのだ。

一昔前と現代とでは意味合いも変わっているのかなと思う。

それが30代の僕と、40代後半以降の世代との間に、なんとも言い難いギャップを生む。日本人と話してるのに言葉が通じない、アノ違和感を生んでるのかなと。

ちょっと信用とお金について考えてみたい。

◆信用=お金 の時代

第二次オイルショック世代の僕は、ネットもスマホもない子供時代を過ごした。画一教育真っ只中の右に倣えの時代だ。

この画一性の中には、お金が全てという価値観も存分に含まれていた。お年玉をもらえば「貯金しなさい」。スト2やろうものなら「無駄遣いして!」お金をモノや体験に変換することよりも、お金そのものが最大の価値という考え方だ。今から思えば恐ろしい感覚なのだが、それしか知らない僕だから、あーそうなんだー、と腑に落ちないながらも従っていた。これもまた恐ろしいのだが。。画一教育ってこういうことなんだなと思う。

同時にこの拝金主義は、多くの経営者に未だに残る感覚のようだ。特に年輩者や、後継ぎ経営者に多い。

◆ひたすらお金に走る経営者

転職組で商社勤め10年の僕が、どーーーしても理解できないことがある。決算月に無理をして売り上げを「詰める」という行為だ。

どう詰めるかと言うと、簡単。単なる値引きだ。安くするから買ってください、と。利益を吐き出して価値を下げて、売上を稼ぐこの一連が年を追うごとにエスカレートし、今や年中常態化しつつあるのだ。そりゃデフレだよ、ニッポン。

なぜか?

色々考えた結果、お金(売り上げ)こそが価値があると信じきっているからだろう。毎年売上を上げることがステークホルダーの信用を得る方法なのだと信じきっているからこそ成せる技。どう頭をひねっても、そうとしか考えられないのだ。

◆本当の信用はPLに載らない

冒頭にも書いた、元マイクロソフト社長、成毛眞さんの言葉だ。

ここで言う信用とは、例えばアンケートの調査結果、市場動向、顧客分析などのデータはPLには載らない。他にも、ある業務のノウハウ。レシピ。人が育つ環境り社員の経営者に対する信任度合い...などなど。

つまりその会社の存続や行方を左右する、しかし現在のPLでは棚卸不可能な価値のことだ。

現に、海外企業などはM&Aなどにおける信用調査に、上記を独自の算出方法で勘定し、判断基準に盛り込んでいるのだ。

ところが信用=お金 という方程式しか頭にない経営者は、その大事なものが見えていないらしいのだ。

◆日本語が通じない

ここで、この問題が出てくるのだ。「お金以外のものをストックしましょうよ!」と言うと、「何言ってんだお前?」「何の意味があるんだ」となる。

「会社の行方を決める大事な要素ですよ」と言えば、「今までこれでやってきたのだ」「それ、いくらかかるの」みたいなことになる。

で、「今月数字いったか?」で ジ・エンド。

うーむ。。敵もなかなか強力だ。。

◆信用を貯める意味

例えばあるデータをストックしていた場合。特に使わなければPL上の資産価値が無いりだが、何か事業を始める時に必要なデータをストックしていれば、それを元にすぐにビジネスが始められる。

つまり信用さえあれば、いつでも新たにお金を生み出すことが出来るのだ。

GAFA+Mあたりになると、この信用のストックが尋常ならぬレベルで並々に溢れているはずだ。だから一見無料でサービス展開しているように見えても、お金が入る仕組みが直ぐに出来上がるのだ。

数式で表すならば、「信用=お金 」ではなく「信用>お金 」なのだ。

◆無意味に信用を落とす人

商社に勤めていると、素晴らしい経営者に出会える反面、残念ながら「なんだコイツは」レベルも一定数いる。

彼らは役職や昔の手柄、取引金額の大きさなどを支えに に、理不尽な態度や言葉遣いが日常となる。この時点で彼らの信用はガタ落ちなのだが共通点として、彼らは自分の信用が落ちているという自覚がない。給料も取引額も減らないからなのか。頼みのPLも今は傷ついていないからだろうか。

しかし僕から見れば、彼らは既に大損だ。当社から他社にお渡ししたい新しい仕事が彼らに渡す事は無いし、彼らが経営に困った時に、当社がお金を貸す事も無い。日々コツコツと、自社の可能性を狭めているわけだ。

お金が価値の全てと思い違うと、要らないところで失点してしまうので、注意だ。

◆お金は単なる手段

このことを多くの人は忘れているようだ。それはお金の起源をたどればすぐに分かること。

もともと物々交換だった時代。野菜と魚を交換しようにも、魚はすぐにに腐ってしまう。そこで、お金という手段が生まれた。野菜を売って魚の代わりにお金をもらい、好きな時に必要な分だけ魚を買う。そこでまた、お金を使う。つまりお金は、魚という目的を得る為の単なる手段なのだ。

ところが現代ではなぜか、お金稼ぎそのものが目的になっているから不思議だ。

なぜお金を稼ぎたいのかという目的。それらを明確にし、そしてどんどん変換していくこと。これこそが経済の本質でもあるのだ。

◆現代人がお金を得る意味

昔と違い、食べる、住む、着るには不自由しなくなった。素晴らしい時代なのだ。インターネットやスマホも身近になり、たくさんの情報を手に入れて、それらを活かして楽しむ。そんな時代だ。いよいよ日本人は人生を腹の底から楽しむ時期に突入しているのだと思うのだ。

つまりお金は、自分を楽しませるためにある。

美味いものを食べる、温泉に入る、スポーツをやる、音楽鑑賞に行く、人と会う...何でもいいのだ。

それぞれが好きなことにお金を変換する。周りはそれを応援する。そんな社会が素敵だなと思うのだ。そうなれば経済なんてすぐに回るのになと思う。

みんな好きな事、やりたい事はあるはずだ。無い人はまだ出会ってないだけだろう。

お金稼ぎの手段を目的に変換する時間もないほどに働き、また何に変換したら良いか分からないまま迷い続ける。そんな状況に陥っては勿体ない。

例え100円でもいいのだ。自分が心から使いたいと思うものに、自分基準で、お金を変換する習慣を身に付けたいものだ。それが「幸せ」だと思う。

◆現代における イケてる会社とは

稼いだお金を手段に、どんな目的を持ってそれらを使うのか。それがいよいよ真剣に問われる時代になった。既得権益、情報格差、あるいは独占。それらで稼ぐビジネスモデルは、スマホやネットの台頭で既に終わりを告げている。

そうなると世間から信用を得るためには、目的の純度が問われてくる。どのようにお金を使い、社会をどうしたいのか。それが信用を決める。

そしてイケてる会社とは、上記に加えて社員にお金を変換する「スキ」を与える会社だ。給料もそうだが、時間を与える会社。これが大事だろう。いわゆる働き方改革だ。業務効率などもそれに資する。こうしてお金を変換させるスキを与える会社には、良い人材も集まって来ているようだ。信用が良い人材をもたらし、またお金を生む。そんな好循環をもたらしているのだ。

◆イケてる商社マンであるために

卵が先か鶏が先か、という議論でない。

お金の生みの親は、信用なのだ。

PLに載らないもの。

イケてる商社マンであるためには、それらを見つめていきたい。

◆(余談)経営者視点の理想の会社とは

ここまで読んで、正直そんなの馬鹿らしいやーという経営者の方も大勢いると思う。それは十分に共感に値する。自分がやりたいことがあってビジネスやってるのに、人の幸せまで面倒見れないよと。その通りだと思う。

しかし下手に従業員を抱えると、時代の流れから上記を背負う事は必然となる。

となるとそこに価値を感じない場合、これからは 経営者=従業員、つまり社員のいない組織が一番理想的なのだろう。

となるとベーシックインカムの話になるのだが、、、それはまた次の機会に。

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