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インナーブランディングやり方【IB後編】

今回は、インナーブランディングhowの部分です。手法自体は、普通といえば普通なので、前編中編のまとめと補足?をざっくりとした図にしてみます。

まずは、前編のまとめと補足。
私的インナーブランディングのポジション図を見つつ、、、

インナーブランディングとしては、社内のブランディングの周知・訓練・態度変容による『らしい』サービスの提供の実現というのが、一般的に知られているところかと思いますが、私がより重要視しているのは、創業者や経営陣のユニークな意思(始まりの意思)です。

なぜかというと、正直、日本の場合は、概ね生活に困るようなインフラなどの問題は少なく、解決しなくてはならない問題も比例して少ないと思います。さらに社員の権利も強めに保護されております。
そんな中、起業するというのは、リスクが高く、リターンが低いようにも思えます。良い会社で長く働くことはいいことです。

加えて、日本のスタートアップ・新規事業に、上海などと比べると集まる金やタレントの規模が経済的、地理的にも小規模なので、ユニークな意思始まりの意思)の活用が仕切れないのは、マーケティングの観点からも辛いのではないかと考えています。それをデザイナーが掘り起こすことによって、形なき意思に伝達性・ユニークネスの高い、人を魅了するアウトプットを作るというイメージです。

マーケティング、UXUIあたりは、数字表現されるので、投資するサイドとしては、判断しやすい
のはわかりますが、ただ、そこを学術的にも、ビジネス的にも完成に近づけるのは、海外のでかい会社じゃないでしょうか?
(AI、ブロックチェーンの基礎研究と実施なんかもそうだと思いますが)

どうしても二番煎じになり、スピード、規模、コストなど様々な面で勝てる理由、あるいは在る理由が薄まる
かなと言う風に思います。

ことUIに関しては、AIが個々に対して24時間高速で、最適化するものになると思います。それは、サービスとしてでかい方が勝つし、それで良いとなってしまうように思います。
つまり『微妙に使いにく中にも魅力を見せるぐらいのインナーのだしを効かせられないときつくないですか?』という話です。

※上図補足
下記は、プロジェクト開始後1-3ヶ月の超短期的売上・利益率とはあまりリンクをしない手法・意見だと思います。
グラフィックデザインによるブランディングは、ロゴ、封筒、名刺などを意味し、コンセプトも表現コンセプトになっているケースがメインだと思います。※天才は除く
マーケティングによるブランディングは、主にCSR、感情に訴えるもの、売りに直結しないがお金をかけているプロモーションなどのこと言うことが多いかなと思います。マーケは意味が広いので、ニッチもやると思いますが、まずはマスがあり、取り切った、取れない場合に、ニッチに目を向けると言う順番かと思います。※天才は除く
UX/UIは、基本ユーザーを向いていると思います。ペルソナなどからペインを割り出し、コンバージョンなどをあげるプロダクトを目指すと思いますが、他社と似ることが大きな問題かなと思います。おそらくこれからのUIは特に似てくるでしょう。最初の会社だけが真面目にお金を出し調査したはずですが、すでに先行するアプリなどがたくさんあり、googleがガイドラインを作っている今、わざわざ指のサイズの計測から始めるのは考えにくいと思います。※天才は除く

インナーブランディングが、うまくアウトプットと紐付けば、力の弱いスタートアップや新規事業でも下図のような、ニッチにおける、熱量の高いコミュニティ・フォロワーを実現し、グロースへの希望が多少なりとも見えるかもしれない。

中編はただのリストなので、前述の通りでございます。

ここまでで、尚インナーブランディングのhow(手法)に興味のある方は、上記をクリアした前提で話します。
そうすると普通といえば普通のインナーブランディング手法が多少理にかなったものに見えるかもしれません。
要は、事前の状態や、仕込みが重要という施策ですまずい場合はやらない。

インナーブランディングのSTEP

このSTEPの対象のイメージは、26〜40歳ぐらいの代表者とクイックな組織(ITなどのスタートアップ、社内新規事業)。状態はいいと言えます。

すでに見知った相手、同じ組織に所属している場合は、下記のスケジュールは、半分以下にできることもあります。
連結で1000人以上の組織の場合や上位反対者がいる場合は、これより圧倒的に遅くなることもあります。
そもそも会社都合で、判断できるタイミングが月に一度の役員会議しかないなども遅くなるケースがあります。

このサンプルケースでは、1.5〜2ヶ月間ぐらいのスケジュールです。
外部が入る前提です。内部のみでこの速さは、専門のチームが社内にいないと無理だと思います。

week1.
・ブランディングチームビルド(外部が入る前提)
ブランドチームを作ります。外部2名、内部2名がミニマムで、双方決裁権と一般的理解度は高い必要があります。
外部は、内部をすぐに理解する。内部はブランディングという専門外をすぐ掴むということです。
・役員ヒアリング
役員が、ある程度人数が多い場合は、ブランドの話を毎回時間をとってするわけにもいかないので、個別で、割と大量の質問に答えてもらいます。
・主要社員ヒアリング
部長やエースなどです。一般的に役員よりは年齢層が若いケースが多いです。既存の問題点を現場に近いところでよりリアリティを持って発見できます。
・ 全社インナーブランディングアンケート
インナーは極限まで、内部の足並みを揃える必要
がありますので、アンケートは役職関係なく、答えてもらいます80%以上集まるまでに、時間や説得が必要であると、会社がでかすぎる、サイロ化している懸念が高く、進め方に慎重さも求められるような判断ができます。
アンケートは私のものは長いです。毎回調整・オーダーメイドします。

week2.
・アンケート分析
アンケートから役員レベルの問題、部長レベルの問題、現場レベルの問題などの解析を行い、コンセプトメイキングの肥やしとしつつ、定期観測をするときにどのポイントを向上させるか決定します。定量的ゴール、KPIの設定です。いかにも定性の仕事ですが、定量の観測は忘れるとやばいですね。
・インナーブランディングコンセプトメイキング
上記から、そのときすでに設置されているであろう、ミッション、ビジョン、バリュー、ロゴなどと、環境、外的要因も含めた本来あるべき『ユニークなカタチ=始まりの意思の具現化』を模索します。ここはアートのパワーも爆発させる必要があります。理想としては、正しく爆発させます

week3.
・ミッションのアイディア出し
この時間内に決定する場合は、外部がかなりリードをして決めていきます民主主義ではありますが、プロが経験・責任を持って、導くイメージです
・役員会議
ここまでで概ねの理解と、決済が落ちれば、結構スムーズです。
・ブランドマネージャー選出
役員レベルで、内部(社長など)と外部(市場や、ブランドデザイナー)の板挟みになってくれる人を選出。インナーはここが一番きつく、情熱がないと折れる場合があります。

week 4.
・オンライン議論
部長や選出された社員などからオンラインなどの手法も含めて意見交換会を行います。
・ミッションアイディア修正
現場の意見も取り入れ、インナーブランディングのミッションアイディアを調整。ロゴやデザインの想像なんかもこの段階でしておくとよさそうです。
端的ですが、要はかっこいいとか、可愛いとか、御託なしの良さがなくてはいけません。そうでないと、最終的には中でも外でも人を魅了できず、効かないです。ある程度事前に、頭の片隅でデザインに対して容量を割いてておくというイメージでしょうか。

week 5.
・ミッションアイディアV.2投票
修正したものに、広く投票などを求め、総意形成を行います。どれくらいの意味を持たせるかは時々です。

week 6.
・ 役員会議(ミッション決定) >ビジョン、バリュー展開。
ミッションが決定し、ビジョン、バリューに落としたものを見せます。ミッションが通っていれば、ビジョンとバリューは国語になるので、それほど論争はおこらないとグッドです。ここまでくれば、初動は、うまくいっている状態と言えます。

week 7.
・全社発表
人は、機械ではないので、できるだけ同タイミングで、発表します。
・福利、人事、表彰制度などの発表
インナーのあるべき姿を達成するために制度が必要な場合は作ります。所謂末端の人でも、一般顧客のタッチポイントであり、インナーを具現化する上でもっとも重要な方々です。その人たちに十分なモチベーションを持ってもらうのに活用します。
・インナーブランドツール配布
一体感を出すことと、実際に自分がインナーブランドに沿った行動ができているかの確認などに日々使ってもらう
。カード、バッジ、ネックストラップ、ノートなど比較的ライトな印刷物などを指します。

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前述が、まさにインナーで、下が一般的にブランディング(アウター)と言われているものですが、インナーが決まっていれば、下は時間、コストを下げつつ、伝達能力の高い施策をそれぞれの担当が打ちやすい状態になっていると言うことです。
練度が非常に高ければ、文化・言葉が通じなくてもある程度共感を得られるはずです。=ブランドのフォーク(分化)、または、市場や海外進出などのボーダーを越えるときにですら効力を得るほどの強みになり得るということです。

以降は必要に応じて以下の進行があります。

・社内普及フェーズ
評価制度調整、福利厚生調整、社内研修など
普段は、人材コンサルなどが行う

・社外発信準備フェーズ
ロゴ調整、ブランドガイドブック調整、ビジネスツール、制服、内装、など
普段は、外部のデザイン会社などが行う

・社外発信フェーズ
プレスリリース発表 &各種PR・プロモーション &内部・外部定期観測
普段は、内部の広報、マーケ部などが行う

使用するべきシーンはある程度限定的なところもありますが、新規やスタートアップの前は少し時間を割く価値があると思います。

一方、使い方が正しくなく、大手のデジタルマーケなどには、今進んでいるセミオートバイイングなどにどういう効果があるかと言われたら、バナークリエイティブの精度が、、、、とかスモールな話になりがちな部分もあります。
そっちは、アリババあたりがAIを完成させてくたら使うのが良さそうかなと思います。=自動・機械の世界

インナーは人の世界です。だからこそ、不明瞭で、内在する力があると思っています。それが日本が活用すべきものでないかと考えているというのがここ三遍の話です。
皆さんはどう思われますか?

では、:)