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創作小説

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ますあかが執筆した創作小説をまとめました。
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記事一覧

自分で買ってきたんじゃないの?【#2000字ホラー】

夫婦円満の神社から若い夫婦が出てくるのを私は冷めた視線で見ていた。 旦那との夫婦の形は静…

ますあか
1年前
5

【企画参加 うたスト課題曲H】写真館ツミホロボシ

●不思議な写真館 ふと気がつくと、俺はレトロな雰囲気の店の中に立っていた。 「ここは………

ますあか
2年前
9

かぐやSFコンテスト応募小説「感情の再現」

 この小説は、第二回かぐやSFコンテストにますあかが応募した作品です。 テーマは「未来の色…

ますあか
2年前
9

ショートショートnote「燻製・注意報」

「燻製注意報でーす」 妻が最近訳の分からないことを言い始めた。 私がウインナーを食べてい…

ますあか
2年前
5

ショートショートnote「鬼・時計」

鬼って、時間を大事にするらしい。 ぐうたらしている鬼を想像する方が多いが、鬼は時間をそれ…

ますあか
2年前
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研究員の夏祭り「ショートショートnote」まとめ集

研究員の夏祭りのイベントでショートショートnoteを実施しました。 お題1題目【燻製 注意報…

ますあか
2年前
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創作小説「現世旅行への俥夫の案内」

「お客さん、今度こそ。これが最後の別れになるといいっすね。」 腹掛に股引き法被を着た、いかにも体力があり自信に満ちあふれた俥夫(しゃふ)はしみじみとそう言った。 「そうですね。今度は行けるといいなあ。」 最初は珍しくて興味を惹かれた川も行交う人々も、川を渡る前にくつろぐ憩いの宿も全てが新鮮で興味深かった。 この俥夫が曳く人力車に乗りながら眺めるこの景色も、そりゃあちらでも良い思い出になるだろう。 しかしこう何度も見ると辛くなってしまう。 本来この景色を見るのは、一

創作小説「静かな非日常がやってきた ペンギン」

おれの水槽の前で、人間達は楽しそうに何かを話している。 今日も楽しそうで何よりだ。 なん…

ますあか
3年前
8

共創「静かな非日常がやってきた」#cocan(こーかん)

ぐ~。 おなかが鳴り、そろそろお昼の時間だと僕の腹時計が伝える。 すると僕たちの大好物が…

ますあか
4年前
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創作小説「合成音声は声優から仕事を奪うのか」

みなさんは【声優】という仕事をご存じだろうか? 昔、映画やアニメに声を吹き込む仕事があっ…

ますあか
3年前
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共創「クリスマス・イブは何色?」#cocan(こーかん)

このカップルは ー 人参色(にんじんいろ) ー なんだか初々しくて可愛いな。 目の前を通…

ますあか
3年前
9

コンペ応募シナリオ「私の姉はうるさい」

このnoteでは、ランサーズが開催した「MIRRORLIAR FILMS」シナリオコンペで、私が応募したシナ…

ますあか
3年前
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創作小説「ぜーに、がめがめがーの真相」

「ぜーに、がめがめがー!!」 幼稚園くらいの女の子が男の子に向かってそう話しかけていた。…

ますあか
3年前
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共創 小説「ふくろう」#cocan(こーかん)

「お父さん、それ本当に大事なんだね。そのふくろうの置物。」 目をキラキラさせながら、木彫りのふくろうを見つめる息子。 「これはな、福来。まあ俺の父さんから貰ったもんなんだ。」 私はこの「ふくろう」に昔から見守られている。 * 若い頃の私は、大変我が強く、人の言うことを聞かず、自分は何でもできる人間だと思っていた。 そんな訳ないのにな。 天才なんてほんの一部の人間がそうあるわけで、自ら天才だと思う人間は凡人に等しい。 自然とやっている、できてしまう、そういう人間