日本帝国主義は、去年の｢九一八｣(満州事変)に武力をもって中国東三省を強制的に占拠して後より、海陸空軍を継続的に用いて上海嘉定各地を占領し、沿海及び長江沿いの各港を侵擾しんじょうし、航空機並びに大砲を用いて中国人民を虐殺し、中国の家屋を焼き払い、東北及び淞滬しょうこ等の地は、数え切れない程の損害を被り、この種の虐殺と破壊は、現在も依然として継続、発展している。反動の国民党政府と其の各派軍閥は、其の帝国主義に投降する常套手段によって、東三省と淞滬各地を相次いで日本帝国主義に献上し、中国人民を其の任せるままに虐殺させ、現在は更に和平交渉にすがり、全中国の売却を実行し、各帝国主義による迅速な中国分割を促進している。全国の反日反帝の革命運動に対しては、あらゆる方法でこれを圧迫し、反日団体を解散させ、反日罷業を圧迫し、反日群衆を虐殺し、対日作戦を行っていた淞滬兵士と民衆の義勇軍へは撤退を強迫し、撤退命令を拒んだ十九路軍の英勇なる兵士へ機銃掃射を用い、帝国主義に対する忠誠を示している。

国民党政府及び其の各派軍閥、彼らは日本帝国主義に真正面から反対し、民族革命戦争を実行することができなかっただけでなく、早くからそれを願わなかった。彼らはただある一派の帝国主義に頼って他の一派の帝国主義に反対することしかできず、世界大戦を起こそうと企図し、以て帝国主義強盗に大戦中に中国分割の問題を解決させようとした。現在の中国ソヴィエト区は早くから帝国主義の羈絆きはんより脱離し、而して国民党軍閥は、寧ろ東三省、上海及び全中国を帝国主義に渡し、真に民族革命戦争を実行することができる中国工農紅軍に対しては、最大軍事力をもって不断の進攻を行い、ソヴィエト政権と工農紅軍の消滅を企図している。これは、国民党政府とその各派軍閥の一切の欺騙を明確に表し示しており、中国を売り払い、中国民族を汚辱する行為を隠蔽しようとしているに過ぎず、実際には全てが帝国主義が中国民族革命運動を直接に圧迫するための道具であり、中国民族革命戦争を進行する上での障碍である。

中華ソヴィエト共和国臨時中央政府は特に正式に対日戦争を宣布する。全中国工農紅軍と広大なる非抑圧民衆を領導し、民族革命戦争を以て、日本帝国主義を中国から駆逐し、一切の帝国主義の中国分割に反対し、以て中華民族の徹底的な解放と独立を求める。ソヴィエト中央政府は全国工農兵及び一切の被抑圧民衆に向けて宣言する。真正なる民族革命戦争を実行し、日帝国主義へ直接作戦するには、まず帝国主義の民族革命運動への圧迫を幇助し、民族革命戦争の発展を阻害する国民党反動統治を覆さなければならず、それがなされてこそ、直接的で何ら障碍なく、日帝国主義への作戦を行うことができる。それがなされてこそ、民族革命戦争は全国で大々的に発展することができる。

ソヴィエト中央政府は鄭重に声明する。もし国民党軍閥がその全力を集めソヴィエト区と紅軍に進攻していなければ、ソヴィエト区の工農労苦群衆や紅軍は早くから抗日の英勇なる士兵や義勇軍と共に直接の対日作戦を行っていたであろう。従って国民党の統治を覆らなければ、真正なる民族革命戦争を実行することができない。ソヴィエト臨時中央政府はまさに全国の工農紅軍とソヴィエト区の広大な工農労苦群衆を領導し、積極的に革命戦争を進行し、中心城市を奪取し、国民党の支配を粉砕する。これこそが実際の民族革命戦争を進行し、日帝国主義と直接に作戦を行うための前提である。我々は白色統治区域の労働者、農民、兵士、学生およひま一切の労苦の民衆に、自ら立ち上がるよう呼びかける。民衆抗日義勇軍を組織し、国民党軍閥の武装を奪取して自己を武装し、直接対日作戦を行い、この一連の行動を指揮する各地の革命軍事委員会を成立させ、白軍の兵士は暴動を起こし、反動の軍官を打倒し、自ら対日作戦に動き、工農紅軍を成立させなければならない。ソヴィエト政府のみを認識してこそ、真に正に全国の民族革命戦争を領導し、対日作戦を直接行い、帝国主義の中国分割に反対することができる。中国工農紅軍のみが、真の民族革命戦争の民衆武装を実行することができる。全世界の無産階級非抑圧民族とソ連のみが、帝国主義に対し連合することができる国際的な力量である。

ソヴィエト臨時中央政府は全国の工農兵及び一切の労苦群衆へ呼びかける。ソヴィエトの赤旗の下で一致し、立ち上がり、積極的に革命戦争に参加し進行し、白区各地で自ら武装し立ち上がり、反動的国民党の全中国の統治を覆し、全中国民衆のソヴィエト政権を建立し、工農紅軍を成立させ、全世界のプロレタリア階級被抑圧民族とソ連が連合し、民族革命戦争を実現させ、日帝国主義を中国から駆逐し、帝国主義の中国分割に反対し、中華民族の真正なる独立と解放を徹底的に争い取ろう。

1932年4月15日