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【私への手紙】オトコとオンナのおとぎ話 #4

…つづき

気持ちをリセットしたくなり、部屋の掃除を始めた。

部屋の隅っこでホコリをかぶった
90年代のCDを見つけた。

昔のカレが、いつも部屋で流していたCD。
曲とともに蘇る思い出。
今となっては昔の恋。

お互いのことを本気で好きじゃないクセに
流行りのCDを買うみたいに
お互いをよく知らずにノリで付き合っていた。

そういう時代だったのかもしれない。
ホント、バカすぎる。
けど、私にとっては青春でありステキな思い出。

90年代の恋愛は
ブランド品を身につけるかのように、背伸びをした恋愛ばかりだった。

価値なんて分かっていないクセに
まだ似合う歳じゃないクセに
着飾ってブランド品を持つ子どもみたいな恋愛。
早く大人になろうとしていた見栄っ張りの恋愛。

カレが変われば聴く曲も変わっていく。
流行りが終われば、次の流行りを見つけるように
イケてるカレと遊びの付き合いを繰り返していた。

そのときは充実しているように思えても
結局は、心が満たされない虚しい恋愛ばかり。
恋愛マヒして自分に酔っていただけ。

90年代の曲は、色々な意味で思い出深い。
どんな恋愛だったとしても、ムダなことなんてない。
あのときの恋愛があったから、今の私がいるんだから。

そんなことを思いながら、部屋の掃除を続けた。

…つづく

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