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湯治(とうじ)について

こんにちは

先日noteがご縁で出会い、ご来店いただいた際に
湯治(とうじ)についてのお話を
たくさん聞かせていただき、大変勉強になりました

サウナ遠征も憧れですが、

7日以上の長期滞在ができるならば
デジタルデトックスを兼ねて
大自然の中でゆっくり温泉に浸かり
のんびり過ごしてみたいと思いました

今回は湯治についてまとめてみました


湯治(とうじ)とは

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湯治(とうじ)とは、
古くから日本に伝わる治療法で
温泉宿に長期滞在(少なくとも一週間以上)をし
温泉の効能によって体調を整え、
病気治療や療養を行う温泉療養です

湯治の歴史は深く、
古くは権力者など一部の人たちのみが
おこなうものだったようですが

現在のように一般の人の間にも浸透したのは、
街道が整理されて温泉地への移動が楽になった
江戸時代以降といわれているそうです

医学の近代化が図られた明治時代以降も
大分県別府温泉に陸軍病院と海軍病院が開設され
温泉療法が実施されていたそうです


最近は"プチ湯治"も人気

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日帰りや数泊で疲労回復の目的や物見遊山的に行う温泉旅行とは、本来区別すべきものですが

最近では忙しい現代人に合わせた2~3泊の滞在で
生活習慣病の改善やストレス解消・疲労回復を
目的とし、湯治文化を気軽に体験できる
プチ湯治も近年注目されているようです

温泉の特徴として、
入浴で一時的に体力を奪い疲労させることにより
自然治癒力がはたらき、
体調を整えるということが考えられます



湯あたりについて

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体に良いことをすると、
好転反応や、めいげん反応と呼ばれる
一時的な体調不良を自覚することがあります

温泉に入浴したときにだけ現れる湯あたりは
温泉成分の作用によって起こる体調不良の総称です

湯あたりもその一種で、
湯治2~3日目(または1週間程度)に
あらわれやすいといわれ、
だるい、頭が重い、寒気、めまい等の症状が
これにあたりますが

必ずしも好転反応とは限らず、
温泉が体質に合わないことによる
場合もありますので、注意が必要です

ちなみに硫黄泉、放射能泉、酸性泉などが
比較的湯あたりを起こしやすいといわれているようです

湯あたりは
かけ湯などで体をゆっくり温めるようにして
入浴前後にしっかり水分を摂ることで
予防できます

温泉の泉質が体質に合わず体調を崩したものと
好転反応は見分けにくいので、
体調を崩したら一時入浴を中止し、
復調したらまた入浴するとよいでしょう

また、症状が現れたら横になり
ゆっくり体を冷やして回復を待ちましょう


湯治の効果

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湯治の本質は、温泉に入ることで
人間が本来持っている自然治癒力を
高めることといわれていますが
諸説があり、温泉の泉質にもよりますが
アトピー性皮膚炎や腰痛、がんなどの
治療への効果が期待できるそうです

ただし、自分の判断のみでおこなうと
逆に悪化する可能性もあるので注意が必要です

治療中であれば主治医に相談してから
おこなうようにしましょう


湯治のやりかた

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まず、持病があり治療中の方が湯治をおこなう際
訪れる温泉地や入浴方法などを
事前に医師と相談する必要があります


1.かけ湯をする

血圧の急な上昇や心臓への負担を減らすために、
まずはかけ湯をします
心臓から遠い、足→腰→胸の順でお湯をかけます


2.いきなり肩まで浸からずに半身浴から

まずは半身浴からおこない
お湯の温度に慣れてきたら
ゆっくり肩まで浸かりましょう

内蔵など上半身の病気を抱えている人は
半身浴のみにとどめたほうがよいでしょう

お湯は42℃未満の熱くない温度が適しています

入浴の回数は、多くても1日3回を限度にし
1回あたりの入浴時間も額にじんわり汗をかくくらいにしましょう(3~10分程度)

長く入浴しすぎると、
逆にのぼせるなど体調を崩すこともあります


3.入浴後はなるべく温泉を流さない

温泉から上がったら、身体に付着した温泉を
なるべく流さないようにしましょう

しかし、湯ただれ(皮膚の炎症)を起こしやすい方は、
シャワーなどで洗い流したほうがよいでしょう


4.水分補給を忘れずに

一般的な入浴やサウナと同じように、
湯治の入浴の前後にも
コップ1~2杯の水分補給をしましょう

また、サウナの記事でも書きましたが
サウナ入浴時と同様に、
飲食をしてからの入浴も厳禁です

食後すぐに入浴すると消化不良を起こしますので
せめて1〜2時間空けてから入りましょう

長期滞在の当時の場合は、
初日は温泉に体を慣らす程度の入浴にした方が
湯あたりしにくいといわれているそうです

湯あたりは1週間以内にあらわれることを考えると
2~3週間程度の湯治が理想的でしょう

湯治は2~3週間続けておこないたいものですが
必ずしも毎日入浴するのでなく、
治癒の過程で体に痛みがでたり湯あたりをしたら
入浴しない休息日をとりましょう


1週間の湯治例

1週間の湯治では、こんな方法もあるようです

1日目:1回の入浴
2日目:2回の入浴
3日目:3回の入浴
4日目:休息
(不調部分に痛みがでてくるので入浴しない)
5日目:3回の入浴
6日目:2回の入浴
7日目:1回の入浴

そして、昔から、

"湯治は、七日一回り、三回りを要す"

といわれているそうです

上記の入浴を3回おこない
3週間湯治するのがよいとされているそうです



週1回の温泉入浴の習慣を

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湯治は2~3週間がおすすめといっても
それだけの時間を確保するのは
なかなか難しいと思いますが

週1回の温泉入浴を3~6ヶ月続けても
連続湯治と同じ効果が得られるそうです

曜日を決めるなど、
毎週温泉入浴をする習慣をつけてみましょう



著名な湯治場

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湯治場(とうじば)とは、
湯治を目的に長期滞留する温泉地のことを指し

湯治宿(とうじやど)とは、
湯治を目的に長期滞留をする人向けの宿を指します

湯治を目的にすると
宿に長期滞留する場合が多くなるため
湯治宿は1泊当たりの料金が安く設定されていたり
食事も湯治する人の健康のことを考え
シンプルでヘルシー、量も少なめで
味付けも薄めなことが多いそうです

施設によっては宿の料理ではなく
キッチンで自炊できる場合もあるそうです

今はインターネット予約で
1泊から予約が出来る施設もあるようで

自分へのご褒美や、
ストレス解消のデトックスやリラックスを求めて
プチ湯治等のプランが人気のようです


湯治場は数多く存在しますが、
代表的なものとして以下の温泉があります


酸ヶ湯(青森県)


後生掛温泉(秋田県)


玉川温泉(秋田県)


泥湯温泉(秋田県)


乳頭温泉郷(秋田県)


大沢温泉(岩手県)



鉛温泉(宮城県)


金田一温泉(宮城県)


湯川温泉(宮城県)


鳴子温泉(宮城県)


肘折温泉(山形県)



草津温泉(群馬県)



出湯温泉(新潟県)



三朝温泉(鳥取県)



俵山温泉(山口県)



長湯温泉(大分県)



鉄輪温泉(大分県)



明礬温泉(大分県)


地獄温泉(熊本県)


まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます

現代では、療養的な意味合いよりも
観光やリフレッシュのための温泉旅行スタイルが
主流となっており
"プチ湯治"が多いようですが

湯治の本来の目的や入り方を実践して
レジャー目的とは違う温泉の楽しみと
湯治の効果を実感出来たらいいですね

心身が弱った時に、湯治をすると
きっと癒されるはずです

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