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ジキル博士とハイド氏/ロバート・ルイス・スティーヴンソン、田内志文 訳



先に拝読した #パウロコエーリョ さんの著書、
#不倫  の中で主人公が読んだという形で紹介されていた #ロバートルイススティーヴンソン の著書、 #ジキル博士とハイド氏 を図書館で借りて拝読しました。



あまりにも有名な作品なので、大体の内容は知ってはいましたが、拝読したのは今回が初めてです。





誰しもが持ち合わせている善と悪。
物心を覚えた時から悪だった人はいないと思います。
初めは善良に生きようと学び、成長していったはず。
ただその過程の中で、善良である自分が他者から賞賛されることを覚え、善良であることが正しく、悪な思考は恥だと思い込んでいくのではないでしょうか。


もっと分かりやすく言うと、ネガティブ思考は恥で、ポジティブ思考でいなければならない。
ポジティブ思考でいないと他者からは承認されない。


ここで、承認欲求が生まれます。
承認欲求が強くなればなるほど、ネガティブ思考には蓋をして、ポジティブ思考でいるように努める自分が出来上がっていく。
しかし、ネガティブ思考には蓋をしているだけであって、心の奥底にはまだ残っているのです。




ポジティブ思考であろうと努める自分と、ネガティブ思考が消えない自分の狭間に立たされ、葛藤した経験はみんなあるのではないでしょう。



本書を拝読しながら、主人公がネガティブ思考を否定せず受け容れ、認めた上で消化し、ポジティブ思考とのバランスを保てたならば「ハイド氏」が生まれることはなかっただろうと感じました。


そして、ネガティブ思考は一度増幅すると驚異の力を発揮し、あっという間に自分全体を包んでしまうものだということも改めて感じます。
だからこそ、ネガティブ思考とポジティブ思考のバランスが大切なのです。



本書は、人間の深い部分に根強くある問題を詳細に描かれていました。
風の時代になり、自分軸で生きることを考えるためにも今拝読できてとても良かったと思います。



更に訳者のあとがきに、当時のイギリスでは男色が問題視されており、上流階級の闇を描かれていると思うということが書いてありました。
そういう視点もあったことを知ると、直ぐに再読したくなりました。





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