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トリツカレ男/いしいしんじ






いしいしんじさんの小説、
「トリツカレ男」を拝読しました📖´-
(2022,6,30 読了)






赤ずきん」を拝読して俄然いしいしんじさんに興味が湧いたという話を母にしたら、おすすめしてくれたのが本書でした。



周りから「トリツカレ男」とあだ名を付けられてしまうくらい、一旦何かに夢中になってしまうととりつかれたようにそれだけになってしまう主人公。
傍から見たら無意味のように感じるものでも本人は至って真剣。
夢中になっていることに疑問などもたず、ただひたすら本気で取り組む。


「なにかに本気でとりつかれるってことは、みんなが考えてるほどばかげたことじゃあないと思うよ」
ハツカネズミの言葉




時には周りに迷惑をかけてしまうこともありますし、失笑されることもありますが、人が本気で取り組む姿は周りの人の心も掴んでいくものです。
なんだかんだ言っても周りの人たちは、トリツカレ男のことが好きですし、応援してくれています。




それに、その時はムダのように思えても自分の身につけたものが後々役に立つこともあります。
これも、その都度本気で取り組んでいたからこそ身につけられたもの。



私も10代後半〜20代にかけては、何かしら夢中になるものがありました。
バンド、芸人、格闘技、ホスト。。。
夢中になれているものがあったから、苦しいことも辛いこともなんとか乗り越えてこれました。
トリツカレ男のように後々役に立つことは、今のところあまりないけれど、会話の引き出しは少し多めにあるのかなとは思います。




本書を拝読しながら、最近の私は何に対して夢中になるほど本気で取り組んではいないなと感じました。
仕事も、愛も、何もかも。
それなのに事が上手く運ばないと不満を抱いているなと。
確かに年齢を重ねると若い時ほどの熱量がなくなってしまうのは仕方のないことなのかもしれませんが、ここぞというときは本気で取り組むべきだと反省しましたし、本気の先に真実の愛が見えてくるのだろうとも思いました。




不思議だけど、温かみのあるいしいしんじワールド。
私はこの先どっぷりとりつかれることでしょう。








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