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読書日記㊵medium 霊媒探偵城塚翡翠/相沢沙呼

こんにちは。

昨日・一昨日と京都に農泊に行ってきました。「農泊」ってご存知ですか?古民家に泊まりながら簡単な農業体験ができるものです。私は、玉ねぎの収穫やトマトの支柱を作るお手伝いをしました。

この農家さんでは、農薬・肥料を一切使っていませんでした。「肥料なしで野菜育つんですか?」と聞いてみると、「本来は植物は自然に育っものだし、逆に考えると市場に出ている野菜たちは育ち過ぎなんだよ。人間で言うメタボみたいなものだね」と。そっか、農薬や肥料ありきで考えているけど、それらも人間が作り出したもの。なくても育ちはしますね。また、肥料の原料はおもに家畜たちの糞だから、肥料があることで虫がいっぱい寄ってくるそうです。この畑には、虫があまりいなくて作業がしやすかったです。

普段やらないことをしてみると、当たり前って思い込みなんだなぁと気づかされます。

さて、そんな農泊の道中で読んだ本です。

medium 霊媒探偵城塚翡翠/講談社/相沢沙呼

推理小説家として難解事件の捜査に協力している香月史郎。人形のような美しい顔立ち、碧色の瞳を持つ霊媒師の城塚翡翠(じょうづかひすい)。ひょんなことから知り合った二人は、翡翠の霊媒の能力で見つけたトリックや犯人を史郎の論理で説明し、事件を解決していく。
そして、解決する事件の裏で進行する連続殺人。翡翠は死の予感を感じていく。美しい女性をターゲットとする犯人の魔の手が、すぐそこまで伸びているのだ。

最近よく本屋で目にしていた相沢沙呼さんの「invert 城塚翡翠倒叙集」。赤い表紙に碧色の瞳の美女が描かれています。あまりに色んな本屋で紹介されているので、「medium 霊媒探偵城塚翡翠」の青色の表紙と碧色の瞳の美女を見つけ、あの本のシリーズだ!と思わず手に取ってしまいました。

私はミステリ小説が苦手です。読む本も、家族や恋愛、仕事など共感できるテーマが好きです。ミステリは面白いけど、頭を使わないといけないから疲れるし、殺人とかの描写が怖くて、あまり読んでいませんでした。この本も、話題になっているから読んでみようかな、という気持ちで、途中で嫌になったらやめよーと思っていました。

初めは普通の推理小説みたいな感じなのですが、途中から先に犯人が分かる徐倒形式になっていきます。徐倒形式とは、犯人があらかじめ分かっており、そこに行きつくまでのトリックや犯人を追いつめる様子を描いた作品のことです。この作品のポイントは、翡翠の霊媒の力で犯人やトリックが見通せるということ。でもそれは証拠能力がなく、犯人を追いつめるには科学的な証明が必要。事件と犯人という点と点をつないで、論理を立てていくのがみどころです。私としては、早く犯人が知りたくて最後のページ読もうとしちゃうタイプなので、あらかじめ提示されていると読みやすいです。せっかちさんにおすすめ。笑

途中の推理も面白いけど、見所は手掛かりを全く残さないことから”亡霊”と呼ばれる連続殺人犯を追いつめているところ。犯人が分かったところでテンション爆上がり。もうね、面白すぎてね、ページをめくる手が止まらない止まらない。ミステリおもしろ~~~!!!この本のキャッチコピーは「すべてが、伏線」。素晴らしい!!寸分の狂いなくこのコピーだわ!!そして、追いつめられてく犯人、ざまあみろ!めちゃめちゃスカッとします。

「このミステリーがすごい」「本格ミステリ・ベスト10」とか、様々な賞をとっているこの作品。そりゃそうだ。これは賞とるわ(何様)。こんなに本を読んでテンションが上がったのは久しぶりかも。ミステリの面白さを教えてくれた本でした。ちょっとミステリ小説にはまるかもしれない・・。

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