2020/08/30

 8月最後の日曜日。あつ森の花火大会も今日で最後なんだと朝から娘が盛り上がっている。今日は絶対にそれを見たいのだそうだ。なので、ちょっと夏祭りっぽい感じにしようかと、晩ご飯を焼きそばとかとうもろこしとか、昔買ったおもちゃのわたあめ製造機などを引っ張り出してくるなどしてみようか、と提案したら大盛り上がりだった。

 今週は比較的、起きるのが遅かったので気合で5時に起きる。そしてちょっとサボっていたランニング。8キロでダウン。でもまぁなんとなくいいスタートを切れた気がする。あとは本を読むだけの休日。

 アーサー・マッケン『バベルの図書館21 輝く金字塔』を読んだり、ピーナッツの作者、シュルツの自伝を読んだり、『読書の日記 本づくり スープとパン 重力の虹』を読んだりした。至福。夕方になるか、ならないかくらいの時間に近所の書店に久しぶりにいってみたら、たくさん欲しい本があってこれまた至福。

 帰ってきたら、妻に先日12本まとめ買いしたワインの注文の控えが見つかっていて、金額がバレてしまった模様。特に文句は言われなかったけれど、いつか絶対に言われる気がする。

 久しぶりに使ってみた綿あめ製造機は今でも快調に動作して、飴玉が綿あめに変化していく。溶けた飴がクモの糸のように吐き出されていき、それを割りばしで巻き取るようにからめとっていくと、雲のような綿菓子の出来上がりだ。クモの糸から雲ができあがるというのは、なんというか日本語の不思議な感じ。

 アーサー・マッケン『バベルの図書館21 輝く金字塔』は「白い粉薬の話」が印象的。毎日10時間本を読んで勉強している弟が次第に衰弱してきたので医者に処方してもらった薬を飲んでいるだけなのだけど、薬屋が何をどう間違ったか悪魔の秘薬を渡してしまっていて、それを飲み続けた弟は人の形を保つこともできなくなり最後は、異形の肉塊に変じてしまう。あな、おそろしや!

 1895年頃の作品らしいのだけど、それがどれくらいの時代かというと、日本だと樋口一葉『たけくらべ』が出たり、リュミエール兄弟が初めてシネマトグラフの有料上映会をしたり、といった時代。イギリスの作家なのだけど、発表当時は「汚物文学」と批判されまくりだったらしい。それにしても「汚物文学」のパンチ力が半端ないな。
 120年以上前の物語だけど、医者から処方されたものが調剤薬局からそのまま受け取れているかどうかなんて、確かめようがないというのは現代もそんな気がする。本当にあっているのかどうかなんてわからないわけで、僕らは今でも悪魔の薬をそれと知らずに飲んでしまう可能性と隣合わせに生きているんだなぁ、などと思ってみたりもできるわけなのだけど、さすがに「悪魔」の存在をいま語りだしたら浮世離れしすぎか。
 しかし、落合陽一が言っていたように、十分に複雑化してブラックボックス化したテクノロジーは、その恩恵を受けている側からしてみれば魔法と変わらないという話もあるわけで、現代とはまさに魔法の世紀なのであるから、魔法を悪用する存在としての悪魔、というのは確かに成立しうるのかもしれない。なんかすこぶる現代的な、悪魔と魔法の物語が読んでみたくなった。

自分の好きなことを表明すると、気の合う仲間が集まってくるらしい。とりあえず、読んでくれた人に感謝、スキ押してくれた人に大感謝、あなたのスキが次を書くモチベーションです。サポートはいわゆる投げ銭。noteの会員じゃなくてもできるらしい。そんな奇特な人には超大感謝&幸せを祈ります。