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特別支援学校からの発信

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視覚障がい教育に限らず特別支援教室全般について発信する記事をまとめたマガジンになります。
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特別支援学校からの発信「支援を考えるためのアレコレをまとめてみました」

特別支援学校からの発信「支援を考えるためのアレコレをまとめてみました」

4月ももう終わり気づけば5月半ば…。家庭訪問を終えて個別の教育支援計画や個別の指導計画の目標や支援の手立てを考え、学校と家庭で共有していく時期ですね。

今回は、個別の支援計画や指導計画の具体的な進め方みたいなのを中心に、これまでの特別支援関係のnote記事を振り返りながらまとめてみました。

今後はマガジン「特別支援学校からの発信」のトップに固定しておきます。

支援の目標や手立てを考えていくた

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書籍紹介『みんなでつなぐ読み書き支援プログラム』

書籍紹介『みんなでつなぐ読み書き支援プログラム』

『みんなでつなぐ読み書き支援プログラム(井川 典克/高畑 脩平)』という本の紹介です。

これまで読み書きについていろんな記事で、いろいろな角度から紹介してきました。

教材だったり…

脳の認知機能についてだったり…

ビジョントレーニングだったり…

誤り分析だったり…

便利なグッズだったり…

学び方の工夫だったり…

手前味噌ですが、振り返ればいろいろ紹介していました。

でも、それらを

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教材紹介【国語】「漢字の教材まとめ紹介」

教材紹介【国語】「漢字の教材まとめ紹介」

Xで流れてきた「漢字の学習ネタ集」のポストを参考に、漢字の教材をまとめてみました。

全ての教材を自分で試した訳ではありませんし、情報がごちゃごちゃで整理されていませんが…個人の忘備録的なものとしてご容赦ください。

得意な覚え方はそれぞれ、もちろん漢字も!以前、盲学校発の唱えて覚える漢字学習のミチムラ式について紹介しました。

その記事でもお伝えしたのですが、僕たちはみんな得意な認知や情報処理の

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教材紹介【国語】「ミチムラ式漢字カード」

教材紹介【国語】「ミチムラ式漢字カード」

以前書いた「見えない子はどうやって漢字を学んでいるのか」という記事にもあった、ミチムラ式漢字カードについて紹介します。

漢字の覚え方はひとつじゃない漢字苦手な子ってたくさんいます。僕自身も漢字が苦手で苦労しました。

漢字といえばドリルや練習帳にひたすら書くイメージがありますが、あやふやなまま書いて練習すると間違った字を覚えてしまうこともありますし、なにより書くことや漢字の形を覚えることが苦手な

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教材紹介【きもち】「いま、どんなきもち?」

教材紹介【きもち】「いま、どんなきもち?」

大阪府人権教育研究協議会の教材「いま、どんなきもち?」についての紹介です。

「いま、どんなきもち?」については、以前別の記事でも簡単に紹介したことがありますね。

今回は僕の具体的な活用方法も含めて紹介します。

自分のきもちを言語化する難しさきもちについて支援学級や支援学校で学ぶ機会があるでしょう。僕も盲学校時代から自立活動や道徳できもちの勉強に取り組んできました。

感情のコントロールが苦手

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教材紹介【きもち】「わたしの好きなものリスト」

教材紹介【きもち】「わたしの好きなものリスト」

今回は僕が年度始めによく取り組む「わたしの好きなものリスト」を紹介します。

新年度、自己紹介…は何度も繰り返して大人も子どももネタがつきできますよね。何度も決まりきった自己紹介するのがめんどくさい子もたくさんいます。

そこで職場の先輩から学んだわたしの好きなものリストをすると違った角度でお互いのことを知ることができるのでおすすめです。

好きなものリストって??好きなものリストはいろんな項目に

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書籍紹介『学びにくさのある子への読み書き支援』

書籍紹介『学びにくさのある子への読み書き支援』

『学びにくさのある子への読み書き支援(井上 賞子)』という本の紹介です。

著者の井上賞子先生はnoteや『実践みんなの特別支援教育』での記事を読み学ばせていただいていました。この本も買ったまま積読になりかけていたのですが、職場の先輩から教えてもらった東洋経済が選ぶ「年末年始に読みたい」、学校教育関係者にお薦めの本10選に紹介されていたのもあり、この年末に読みました。

いや、もっと早く読んでおけ

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障がいと災害

障がいと災害

能登半島地震を受けてX(旧Twitter)上で障がいと防災や避難所生活に関する情報が流れてきました。

中でもヘラルボニーさんの#障害者を消さないが印象に残っています。

そこで、障がいと災害に関する情報をいつかのための備えとしてまとめてみました。

必要な支援を知る以前、視覚障がいの方のための防災・避難についての記事を書いたことがあります。

その記事の内容も参考にしながら、まずは障がいと災害全

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書籍紹介『ASD的考え方』

書籍紹介『ASD的考え方』

『ASD的考え方(あずさ)』という本の紹介です。

著者のあずささんは、精神科医として勤務されているASD(自閉スペクトラム症)当事者の方です。

精神科医というASDの専門家、またASDの当事者の一視点として語られる言葉には僕自身もとても納得させられます。

中でもASD(アスペルガー症候群の略、アスペと表記)がほぼ一〇〇%を占める国に、少数民族である定型の人たち(定型族)が移住してきたのだけれ

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特別支援学校からの発信「問題行動の背景を氷山モデルで考えてみる」

特別支援学校からの発信「問題行動の背景を氷山モデルで考えてみる」

「困ったな」「やめてほしいな」と周りの大人たちが考える、問題行動といわれる子どもたち行動があります。

「なんでそんなことするの、いけないじゃない」「やめなさい」と注意したり、怒ったりすることは簡単です…が、それでその問題行動がなくなるわけではありません。仮になくなったとしても、その子が一時的に我慢して耐えているだけで、大抵後で大きな反動が返ってきます。根っこの部分では解決していないのです。

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特別支援学校からの発進「自立活動の項目内容をより詳しく考えてみよう」

特別支援学校からの発進「自立活動の項目内容をより詳しく考えてみよう」

別の記事で「自立活動」の概要とイメージについて紹介しました。

今回は自立活動の6区分27項目の内容を深掘りし、具体的な取り組み内容例を紹介していきたいと思います。ちょっと長いですがお付き合いください。

各項目の具体的な取り組み内容の紹介1 健康の保持

①生活のリズムや生活習慣の形成に関すること

〈生活リズム〉
☑︎1日の内で、睡眠と覚醒のリズムが整っている(起きる時間と寝る時間がほぼ定まっ

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書籍紹介『LDの子が見つけたこんな勉強法』

書籍紹介『LDの子が見つけたこんな勉強法』

『LDの子が見つけたこんな勉強法(野口 晃菜/田中 裕一)』という本の紹介です。

LDってなに?LD(学習障がい)という言葉を聞いたことがありますか。LDについて日本LD学会ホームページより引用します。

こちらの記事でも教育と医学の違いが紹介されています。

LDの定義は教育と医学で異なりますが、この本では「多数派(マジョリティ)と学び方が異なること」をLearning Difference(

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教材紹介【コミュニケーション】「きいて・はなして はなして・きいて トーキングゲーム」

教材紹介【コミュニケーション】「きいて・はなして はなして・きいて トーキングゲーム」

今回はコミュニケーションの教材として「トーキングゲーム」を紹介します。

トーキングゲームについては別の記事でも紹介したことがあります。

シンプルなカードゲームトーキングゲームは、元筑波大学附属大塚特別学校の安部博志先生が作ったとってもシンプルなカードゲームです。

ルールは簡単、1人がカードを1枚めくり、その質問について話します。

お金を払おうとしたら、財布を忘れてきたことに気づきました。ど

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書籍紹介『「ここ塗ってね」と画用紙を指差したわたしの指を丁寧に塗りたくってくれる特別支援学校って最高じゃない?』

書籍紹介『「ここ塗ってね」と画用紙を指差したわたしの指を丁寧に塗りたくってくれる特別支援学校って最高じゃない?』

『「ここ塗ってね」と画用紙を指差したわたしの指を丁寧に塗りたくってくれる特別支援学校って最高じゃない?(平熱)』という本の紹介です。

平熱先生の2冊目の本が出ましたよー以前に平熱先生の処女作『特別支援教育が教えてくれた 発達が気になる子の育て方』について記事で紹介しました。

その記事からもわかるように僕は平熱先生の大ファンです。2冊目の話を耳にしてすぐにAmazonで予約しました。もちろんです

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