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🎨「山下清」展@SOMPO美術館へ行ってきた👣


現在アラフォーの私が子供のころ、ときたまテレビや映画で見かけていたのが「裸の大将」こと「山下 清(やました きよし)」だった。

白いランニングにカーキの短パン、坊主頭の、ちょっと独特な動き方と話し方をするおじさんが、リュックサックを背負い、スケッチブックを片手に日本のあちこちを放浪し、目が痛くなるような細密な絵を描く物語を、定期的に目にしていた記憶がある。

最近では、ドランクドラゴンの塚地さんが2009年に主演を務めて以来、映像作品は制作されていないもよう。
ただ、そのパンチの効いた風貌と、とにかく細かく線で区切って詰め込んだ感じの絵画作品は、古い箪笥の引き出しにしまい込まれた記憶となって、私の頭の片すみに存在していたらしい。

母の通院の付き添いで前入りして、時間ができたので、それこそ20年ぶりくらいにSOMPO美術館へ「山下清展」を見に行ってみようと思い立った。

因みに、前回訪問したときはまだ、「安田火災東郷青児美術館」という名前だった。美術館の入っている、焦げ茶のスカートを穿いたような形のビルが「安田火災ビル」という名前だったためである。ビルの外観は変わらないし、泊まっていた宿から歩いて5分ほどだったので、すぐたどり着けたが、入口が以前と違っていたので少しウロウロしてしまった。

訪れた時刻はちょうど、閉館の1時間前で、少し早足で展示を見て回る。
遅めの時間にも関わらず、他にも見ている方たちがちらほら。

作品は、回顧展なのでほぼ年代順に並べられ、ところどころに当時の写真が展示されている。

幼い頃に描いた、父と五右衛門風呂に入っている作品や、サインペンで描かれた虫たちの作品。
これが、クリアファイルやハンカチになっていた。
丁寧に形が写し取られているけれど、どこかデザインぽくてカワイイ♥

↑今回の展覧会の目玉にもなっている、長岡の花火大会の絵は、細い細い紙縒りを作り、花火のひとすじ一筋、観客の一人ひとりを表現した大作。
このデジタルの時代にあって、膨大な手数を間近で見る経験は貴重だし、人間の「手」と「情熱」の偉大さを実感する。

物販にはなかったけれど、紙縒りで表現された静物画や自画像も凄かった。
しかも、戦時中で物資がなかったこともあり、古切手や広告を使って対象物のひとすじ一筋が表現されていて、「形にしたい」気持ちが背景の隅々まで行き渡っているのが、とてもエネルギッシュだった。

有名になり、海外にも創作旅行へ行けるようになった晩年の作品もエネルギッシュだけど、制約が多く無名の戦時中のほうが、がむしゃらでワイルド。

晩年の、ヨーロッパ制作旅行で描いた作品たちは、ペンで細かく輪郭を描いてから彩色していくスタイルで、放浪時代にはなかったスタイリッシュさを感じた。
お洒落なカフェに飾ってあっても遜色ない。
⇩1番右のエッフェル塔みたいな感じ。

山下清といい、版画家の棟方志功といい、ぶっ飛んでいる作家はゴッホに惹かれやすいのかもだけど。

ゴッホの「アーモンドの花」によく似た作品を、山下清が制作していたのは知らなくてびっくりした。
⇩中央の白い花「ぼけ」は山下清作。

⇩右下の「アーモンドの花」はゴッホ作

色合いと花の咲き方が似てる。

山下清のほうが着物の柄なんかにできそう。和風。


「裸の大将」のイメージが先行していて、素朴で緻密な作品の印象しかなかった山下清だったけれど。

今回、展覧会に行ってみて、初めて知る山下清のユニークさ、エネルギッシュさ、スタイリッシュさを知ることができて、とても有意義な時間を過ごせた。

それと、常設展では久々にゴッホの「ひまわり」と対面できたのが嬉しかった。
ただ、久々すぎてもはや私の作品イメージは「びじゅチューン」のタワシひまわり💣

びじゅチューン大好き🎶

ついでにゴッホ@びじゅチューンは、これもスキ❤

訳あり物件🤣
確かにいろいろあった🥴



山下清展は、9月まで開催しているようなので、訪える方は、是非。



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