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活動日記『2023年度映画鑑賞録』

先の記事にも書いた通り、2023年度は新生であったからどの様に部活を進めるか模索の段階であった。部員と談合の末、"映画"と名を冠する部活であるから是非映画を観なくてはならないとなり比較的映画の鑑賞本数が多い私に、何か良い映画はないだろうか、という白羽の矢がたった。
その様な経緯から去年度は憚りながら私が下記の映画をチョイスした。
海辺のポーリーヌ/エリック・ロメール
サムライ/ジャン=ピエール・メルヴィル
バレット・バレエ/塚本晋也
本記事では三本の映画についての雑感を書き記しておく。

1 海辺のポーリーヌ

エリック・ロメール監督による1983年公開の『海辺のポーリーヌ(原題:Pauline à la plage)』はフランス・ノルマンディーを舞台とした恋愛映画である。
本作の見どころは主人公・ポーリーヌ(演・Amanda Langlet)が恋愛を通して少女から女性へと成長するその描写であろう。
現代の風俗に鑑みれば些か露骨な描写がない訳ではないが、しかし却ってそれが少女の無邪気さを表されていると言えなくもない。
恋愛映画としては地味であるが、下手な脚色が無い分リアリティが高く感じる。

2 サムライ

ジャン=ピエール・メルヴィル監督、天下の二枚目たるアラン・ドロン主演の『サムライ』は1967年に公開された。
ロンリー・ウルフなアサシンを主人公とした物語であるが、今日のアクション映画とは異なり全く派手さがない。後年、北野武やジム・ジャームッシュらがこぞってこの手法を真似たのも宜なるかなである。
アラン・ドロンは果てしなく格好がよろしい。ほとんどセリフがないが表情で細やかな感情を演じる彼はさすがと言う他ない。

3 バレット・バレエ

塚本晋也監督による『バレット・バレエ』は1998年に公開された。私は『鉄男 II Body Hammer』、『TOKYO FIST』そして本作をまとめて勝手に"TOKYO trilogy"と呼称しているが、外してはいないだろう。
東京の摩天楼に繰り広げられる命の遊戯は、モノクロでより光りディストピア的様相を見せる。疾走感溢れる編集、人間と対比されるビル群、単純且つ明快な脚本、調整され尽くされた音は観る者を圧倒した。
主人公が東京の街を走り抜くシーンがあるが部員一同、自身が制作せんとする映画に導入したく思った程である。

総括

昨年度(部活が本始動してからの11月以降)は上記三作品を鑑賞した。それぞれ全くスタイルの違う映画である。決して今日からすればメジャーとは言えまい。然しながら幸いな事にいづれの映画も部員たちに喜ばれ鑑賞された。
今年度も様々な映画に出会えん事を希う。

2024/04/14ヨモギ記

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明星大学映画研究部。入部者募集中。映画鑑賞及び映画制作を主軸に活動。
部室はPonte(31号館)113に存在する。
活動日毎週水曜日6限。
入部希望者等連絡は次のメールアドレスへ。

eiken.meisei@gmail.com


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