捨てる

思考の整理学の話その5「すてる」。知識が飽和状態に達したら個性による再吟味が必要。

週末5週連続の「思考の整理学」の話。最近私は「私自身の思考はどのようになっているのか?」に興味あります。今回の話は「すてる」。

知識は無限にある。その知識をただ単に溜めていくとは何なのか?知識をどう整理するのか?について考えてみる。

ニュートン

ニュートンは次のように言ったと伝えられている。

「世間ではわたくしのことをどう思っているか、知らないが、自分では、自分のことを浜辺で遊んでいるこどもみたいだと思っている。ときどき珍しい小石や貝を見つけて喜んでいるが、向うにはまったく未知の真理の大海が横たわっているのだ」。

週末のお供の本「思考の整理学」

知識は多いほうがいい

知識は多ければ多いほどよい。これはハッキリしている。

知識をどうするか?について考えているか?

頭の中へ入った知識をどうするか?
これについて考えている人が、一体どのくらいいるのか?
ただ知識があるだけでは力にはなり得ない。
ただの知識ではものを生み出すはたらきをもたない。

知識の飽和状態

知識の量が増大して一定の限度を越すと、飽和状態に達する。
好奇心が薄れ、知識欲も低下する。

収穫逓減の法則

一定の土地で農作物を作るとき、それに投じられる資本と労力の増加につれて生産高は上がって行くが、ある限界に達すると、今度は生産が伸びなくなって行く現象を支配する法則。

似たことが知識の習得についても見られる。

壁につき当る

初めは勉強すればするほど、知識の量も増大して能率があがる。
そして精通してくると壁につき当る。
新しく学ぶべきことが少なるなる。
新鮮な好奇心が失われる。

初心忘るべからず。に意味はあるのか?

20年、30年とひとつのことに打ち込んでいる人が、そのわりには目ざましい成果をあげないことがあるのは、収穫逓減を示している証拠である。

飽和状態に達したら「整理」

飽和状態に達したら、逆の原理、削り落し、精選の原理を発動させなくてはならない。つまり「整理」が必要になる。

不要なものはどんどん捨てる。

知識をふやすだけではいけない。
不要なものはどんどんすてる。
これによって、思考に活力をもたらすことができる。

習得した知識を捨てるのは難しい

知識や思考についての整理は難しい。
あとで役に立つのではないか?と考え出したら、整理などできるものではない。

それでも、知識のあるものは捨てなくてはならない。
それを自然に廃棄して行くのが忘却。
意識的に捨てるのが整理である。

再吟味が必要

捨てるには、その人間の個性による再吟味が必要。
これは没個性的に知識を吸収するのに比べてはるかに厄介である。

本はたくさん読んで、ものは知っているが。ただ、それだけ
という人が多いのはなぜか?
それは本当に面白いものと、一時の興味の区分けをする労を惜しむからである。

たえず、知識の在庫を再点検

たえず、知識の在庫を再点検して、すこしずつ慎重に、臨時的なものを捨てて行く。やがて、不易・不変の知識のみが残るようになれば、そのときの知識は、それ自体が力になりうる。

分かりやすいのが蔵書の処分だ。
本を手放すのがいかに難しいか。試みた人でないとわからない。ただ集めて量が多いと言うだけで喜んでいてはいけない。

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