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相手の気持ちを考える

相手のことを思っているつもりになっていた

「そんな事じゃ、人生を損してしまうよ。」僕は、その人の為になると思い伝えたのです。以前、社員として雇ったAさんをみると、僕はもどかしくてしょうがなかったものですから。

Aさんは、業務は真面目にするのだけれど、積極性が全くなく、愛嬌もありませんでした。聞くところの範囲では、仕事だけでなくプライベートも同じようでした。何か特別な思いを持っているようには見えませんでした。ポジティブな言葉を投げかけても、返ってくる言葉は、ネガティブな言葉ばかりでした。

そうした部分が、ネガティブに支配されていた時の自分と重なって、イライラもしたのでした。だから、僕はその人に変わって欲しいと行動するようになるのです。それが、その人の為になるはずだって。

僕は、一生懸命になるあまり、Aさんを傷つけていたのかもしれませ。きっと、ここまでしてくれる人はそうそういないはずだからって、僕自身がそう思い、自分の行動に傲りがあったのかもしれません。

ある日、Aさんは、連絡を取ることは出来なくなりました。

僕は、本当にショックでした。でも、今となっては、僕の未熟さに反省するのです。

相手の心はわからないものだけど

考えてみたのです。子供の頃、母親が僕にこれでもかって言うくらい勉強を押し付けてきた。それが、ずっと苦痛でした。終いには、母としての体裁を守りたかっただけだって思ってきたくらいです。

しかし、それは本当の母親の気持ちなのでしょうか。本当に、母は、自分の思い通りに支配したいという思いだけで、あんなにも勉強しなさいと言っていたのでしょうか。もしかすると、子を思うあまりの行動だったのかもしれません。相手の心の内は、その人以外誰にも分からないものなのですから。

そう思うとわかりやすく、自分の視点を変えることができるのです。

どんなに努力したところで、相手の本当の気持ちは、分かり得るものではないのです。それは、逆も同じ。相手からしてみたら、僕の行動の心理ひとつひとつに、何の意味があるかなんて、読み取ることなんて出来ないものでもあるということです。

人は分からにものに、不安を抱き、恐れをなします。

今、改めて、Aさんの立場になって考えてみると、家族でもない僕が、自分の痛い部分をつっついてくる。それは、余計なお節介であるし、その意図が見えないために、きっと怖かったに違いありません。だって、Aさんからしてみると、その時のAさんと過去の僕が重なってみてたからという理由は、想像できるものではないし、例え言われても理解出来るものではないのですから。

このように相手の立場になって初めて、相手の気持ちに気づけたように思えました。人の気持ちは、確かに分からないものだけど、人の気持ちや考えの全てを理解することは不可能ではあるけれど、相手の立場になって考えることは、相手を思いやることが出来るのです。

ポジションチェンジで心を豊かに出来る

時に人は、自分の欲望で行動するものです。時に人は、本能のまま行動をすることだってあります。それは、否定的な人への見方でもあります。時に人は愛を持って行動することがあります。時に、その愛する気持ちが、伝わらないこともあります。

例え、血がつながっていようといまいと、立場が同じであろうとなかろうと、過去の境遇うが同じであろうとなかろうと。みんなそれぞれ、思いから生まれる行動は同じではないし、受け取り方も様々なのです。

だから、自分の優しさが仇になる時もあるし、人の優しさで傷ついてしまうことだってあり得るのです。

本当の意味で、分かり合えることは出来ないのです。しかし、相手の立場になって考えることは出来るのです。お互いを理解したいという思いは、歩よることができます。

視点ひとつ変えるだけで、相手への理解を大きく変えられるのです。

それは、凄く簡単なこと。嘘をつく必要も、誤魔化す必要もないのですから。その人の思いをくみ取るだけでいいのです。だってそうでしょ。思いが行動になると言われているけれど、ひとつの思いだけが行動に繋がっているなんてありえないと思いませんか。

道端で困っている人が、いれば100%の気持ちで、その人をただただ助けたいと思って助ける人は本当にいるのでしょうか。どこか心の隅では、いい人に思われたい。見返りがあるかもしれない。そういう気持ちがあるのではないでしょうか。それを、理性で抑えているだけのこと。

世の中の役に立ちたいと行動することは、本当に100%の思いだけでしょうか。その行動の心の内には、これっぽっちも金持ちになりたいだとか、有名になりたいという気持ちは、全くないのでしょうか。それはないと僕は思っている。それは、自分の正直な気持、何も悲しいことではありません。

誰も、その人の心を完全に理解することはできないのです。だったら、その人の気持ちの愛や優しさの部分に視点をおいた方が、自分自身が救われるし、感謝することができるのですから。

相手の立場になって考えるということで、人の気持ちが分かるという教えは、間違ってはいないが、補足が必要だと思うのです。相手の立場になって考える時に、感謝の気持ちで考えるのです。そうすると、あなたの心が豊かになれるものだと。


最後まで読んでいただきありがとうございます。
メルシー

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