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荒廃

憎しみばかりを吸い込んだ枷を引き摺る老人、衰亡した都市やら帝国やらの残骸、溶けた衣服やら、混濁する意識、擦り寄る過程や、利己的な切除を繰り返す医師たちの奴隷たる国家の存亡がセオリーになった小説の角を曲がり、眼前に広がる意味に組み込まれた一貫性もない、井蛙な連中のリビドーがフランチャイズ化され、過信ばかりを溜め込む古びた進化論者が、またまた新たな枷を意思なんかに嵌め込んでは、途端に混濁しては、現れる魂胆や、相続する意味や、繰り返される罪の重みなんてものを量り売りする少年少女の純粋なだけの目、停戦やら、酩酊やらを繰り返す路地裏の散華、散漫な形式の崩壊やら、後悔の更新、痩身に突きつけられる新たな支払いの紙、様々な真理の泉で浮かぶ脳、寂寞に孕んだ暫くのエゴの投函、聡明な告知を終え、萎むだけの花にすら、愛を注ぎ込む彼女たちの美しいまでの執念、驟雨にゆらぐ草木、消滅した因子や諍いや、すべての波形、景観を汚すために生まれたようなタブロイド紙や、思惑を奪うために付きまとう情報社会のストーカーたちや、草原で眠る君たちのワンピースがゆれる夏の午後の木の下では、爽やかな災いを駆逐するための呪詛が、延々とスマホから垂れ流れている。

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