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アンサンブル

空間も時間もなく、あてもないし、裁かれる必要もないから、我儘に歩く。全ての答えは、私の中にだけ存在するし、せいぜい収まる範囲の中にも永遠は存在し、孤独な魂に少しの栄養を分け与え、ぼんやりとした未明に馳せる理由が、理性などを書き換え、新たな希望を改ざんし、残念などにねじ伏せられる前に、健気に今を乗り越え、長じる所以がもたらす真理などを超越し、時間などに邪魔されずに、ただただ、あたりまえのように、のびのびと空間で囀る鳥たちの領域、あらゆる展開に摩耗された永久を嬲る青春の高温、ランダムに降り注ぐ曖昧な悲劇や、量子的な配膳により、満腹中枢を壊された少年の帰路、さまざまな思惑が混ざり合い、不確かな意味に食い込む理由が生み出した独裁者や、悠遠を突き破る犀利な記号、聡明な関係性により、互いを高く飛ばせるための余罪、硬質な論理に塗りたくる鮮やかなブルー、浪費家たちが歌うアナーキーな音楽や、優生思想が生み出したニセモノの超人が徘徊する人工的な楽園、形骸化した意識を寄せ集め、人間のようなものを絶えず再生産し続けるシステマチックな宇宙の母の母胎では、瞬時に生命を産み続けることだけを、制限もなく無限に創造し、度重なる苦労を書き換え、単なる愛であることを、延々と遺伝子の中に綴るのである。

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