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恍惚

本物の敵は、一番の味方だよ、と、促す君の悲しそうな横顔、群像に解けていく動機、自分では、どうにもできないことにより、加速していく憎しみやら劣等感が肥大し、簡単に否定し、批判し、排除する先には、絶対的な孤独である、と、蝕まれていく精神の波形、経過していく思いの集合体、簡単な達観が、自ずからを焼き尽くす業火に変わってしまった人の末路、配役を決められたキミ、契約を勧められた君、保身ばかりで、だらしがない社会や世界の餌食になんて、なりたくもないし、戦前みたいに文句ひとつ言えなくなって、言った途端に秘密警察どもが、君を追いかけ、警棒なんかで、有無を言わさずに、バチンバチンと、叩きつける衝動、黒々とした感情が雨雲に変わり、降らす雨により、憎しみが増す市民たちの恍惚、フラれた空っぽの身体を預けるための快楽、あらゆる複製品に囲われた現在を超越し、やがてくる未来に忠誠を誓う。茄子やオクラやほうれん草の力を借りて出来た午後を凌ぐための身体、散漫な儀式を乗り越え、閉鎖的な日常をこじ開け、自己に帰り着く間に、あらゆる方法論が取り憑いてきて、君を操作しようと目論んだり、もう、操作されていて、知らない間に権力に加担していたり、歪な信念を積み上げ、あらゆる欠如を孕んだ時代性や、くたびれた主観やらが迫り、狭い価値を押し付けては、今を縛り付け、罪をかぶせられ、いらない服なんかを着せられ、磔にされ、はびこる悪意をデータ化するバビロンのために、必要な生贄なんだよ、と、言いくるめられた正義の者たちは、正義という大義のための生贄なんだ、と、疑うこともせずに受け入れるから、死は救済だ、解放だとか促し、何かに依存してばかりだから、自然にそこにあるものに簡単に押しつぶされてしまうのだよ、と、語る君も、立派に小さな画面に依存し続けている。

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