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放棄

捨てるものばかりだし、得るものばかりだし、溜まる一方だし、貯まらない一方だし、打算的な君のはつらつな市民権なんかのために、必要な誓約書には、サインもしたくないし、もしかしたら、だとか、もしもし、もう別れよう、だとか、あらゆる悲劇を繰り返しては、散漫な意識を季節に収納して、確かな愛の匂いに包括され、さらなる愛に昇華できるまでの軌跡や、ゆるされないからって、ゆるされたいなど、と、思うことは、何が違うし、蓄積される痛みの中で果たすべき義務もないし、果たすべき意味すらないのだし、無い無い言ったからって、あることにはならないし、あるからって、単にあるとして、認識するだけでは、ゆるせないし、蔑ろにしたって、確かな明日は、足枷のように、または、何も見せないようにするための、布ぶくろを顔にかぶせられて、進むトランクの中、回想するシーンは、散々なものばかりであるし、この物語の中では、誰もが正義であり、誰もが悪であるし、あらがうほどに、食い込む儀式的な杭から、あふれる血や、中性子星の中で攪拌させた、エネルギーを捕食する、星を喰らう星として、生きてきた私たちは、煩わしいだけの裁きの中で、名付けられた罪の中で演じる日々の中にある法なんてものに、騙されたりしながら、しなびた意識は、硬直し、その場から、身動きも取られなくなる。

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