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蝿の王

重力に反して歩く君の過負荷により、燃える数多の犠牲的な観念、押し広げるられる空白の区間、寂れたシンフォニーが促す涙、そそくさと消え去る起源的な征服欲、バカな独裁者も、プログラムの一部であるし、この、仮想空間での出来事などは、単なる夢であるし、ことごとくは、何かの類似品であるし、あらがえば、あらがうほどに食い込む一切から抜け出せずに、惰性で引き延ばされた現実に抵抗できずに、今に消え去るだけの過程に押しつぶされてしまう蟻一匹の世界、正解や快晴に包まれた運命的な朝の思案、侵食される前の未熟な感性の帰路、浪費的な彼女の支配的な声、作られた神話が促す傾斜に反し、ただ、前後左右もなく、でたらめに歩く爽快感を敷衍させ、厭世観なんかに騙されずに、自分が信じたものだけが、豊かさを生み出すのであるし、他者が用いる不衛生な普遍性などに、騙されずに、ただ、現れるものを鵜呑みにし、腹一杯になんかしたくないから、反抗し、反発し続ける先には、孤独が待ち受けるが、孤独を愛する私には、そんな孤独が、効く訳もないから、こうして、驚異的な跳躍力で、不自然な原理に別れを告げて、蓄積された苦しみにより、蔚積した君の背中からは、黒い翼が生えて、ブラックホールに旅立っていく後ろ姿に重なるうろこ雲を見て、ああ、秋だな、なんてうそぶくのである。

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