見出し画像

森博嗣『オメガ城の惨劇』、まさかのJr登場でビックリ。読む順番は?

世代交代?

副題は"SAIKAWA Sohei's Last Case"(犀川創平の最後の事件)。
終りと始まり、突然のJr登場です。

これは今後の作品への伏線なのか?

『オメガ城の惨劇』はノベルズとハードカバーが、同時出版されるという珍しい企画です。わたしはハードカバーにしました。とはいっても、スキャンして、すでに売却済みです。読んだのは最近です。

S&Mから何年もたち、Mは依然東京で研究者を続けているものの、いつのまにかJrが成人している、という設定。

これは、いつか森センセイは書いていただけるのかな?

SとMが招待を受け、ある富豪宅に訪れる。なぜかJrがいる。

ここは重要な伏線なっており、さすがに内緒。期待していいですよ。

Jrは母譲りなのか、容姿と計算力を受け継いでいる。その遺伝的才能をもってして、数学者のような衒学さもあるのに、上品で都会的な雰囲気を漂わせる。

まさしくS&Mです。

たとえば、つぎのようなセリフ。

「現代の数学は、コンピュータ技術の多大なる恩恵を受けているが、ほとんどの数学者は、放っておいてくれと訴えている。数値解析的な解決を心の底では望んでいない。逆に、数学の何が役に立つのかというと、欠かせないものがある。それは暗号技術だね。新しい方程式が作り出されること、あるいは関連の諸問題の式化や証明には、コンピュータ技術者は興味津々のはずだ」

似た者同士は、しばしば互いに反発し合うもの。想像するに確執があったのかもしれません。あまり詳しくは書かれていません。

今回はJrの才能を垣間見しただけで、どれだけの計算力があるのかは未知数でした。Mへさらに至ることができるのか。

『オメガ城の惨劇』は巻末の著作リストではシリーズ外の小説となっています。シリーズ化なるか? 今後のリリースが期待されます。

読む順番は?

『オメガ城の惨劇』から読んで大丈夫です。

次に読むならば、『歌の終わりは海 Song End Sea』がいいです。もしくは、巻末の著作リストからどれでもいいでしょう。

S&Mシリーズを読んで、Vシリーズに進む。
四季シリーズも読んで、百年シリーズも読む。

ついでにXシリーズ、Gシリーズもとなれば、44冊ともなる?

スターシステムをなしている、森博嗣の作品群は、すべて予備知識なしで読めます。

シリーズ作品であっても、順番通りに読まなくていいように、書かれています。

『オメガ城の惨劇』であっても同様です。

森博嗣さんの●●●を読むには、▲▲▲を先に読んだほうがいい、なんて言う人は、作品の特性を把握していないのではないか?

『オメガ城の惨劇』の読後に、"○○○ ゼロ"として、気になるところだけを読めばいい。

「あの人にはそんな過去があったんだ」でいいです。

で、評価は?

星5つ★★★★★満点として、

に対して、

と、わたしは薄味な評価とします。

わたしはミステリー小説を好まなくて、ほとんど読まない。

アガサ・クリスティがミステリーで有名らしいので、何作かを読んだことがあります。

全然、面白くない。

殺人もトリックもどうでもよい。特殊な状況下に置かれた人間をどう描くのか、吐露する語りが好きなのだ。

「巧妙な謎解き・予測不能な結末」が売りである、アガサ・クリスティなテイストを『オメガ城の惨劇』にも感じます。単にミステリー小説でした。

『オメガ城の惨劇』は、天才ばかり集めてしまったがために、共感できる語りが少なかった。

『歌の終わりは海 Song End Sea』は、凡人によって、凡庸に解決される事件が描かれれます。凡人がメインであればこそ、凡人の有り様を深堀りできていて、共感を呼ぶ、語りが多く交わされます。

次に読む作品を、改めて挙げるとすれば、

アガサ・クリスティでしょうか。

それ以外の古典的ミステリー作家を知らないし、読んだこともないですけど。

※ すべてハヤカワ・ジュニアミステリ版で読んでいます。訳文、内容は通常の文庫版と同じです。ハヤカワ・ジュニアミステリ版は、親しみやすい絵が載っていて、こちらを好んで選んでいます。

正直なところ、わたしにとってはアガサ・クリスティ作品は面白くない。

小説で読むまでもなく、むしろ、映像の方が出来栄えがよろしい。何度も映像化されているからこそ、なお新作でも面白い。原作を読むよりも演出を楽しめる。

ケネス・ブラナー主演・監督のポアロシリーズ

ポアロシリーズもハヤカワ・ジュニアミステリ版でいくつか読みました。いずれも読後になにも残らず、わたしのミステリー嫌いをさらに強くしただけでした。

有名ではないようです。

#読書 #小説 #積ん読 #教養 #電子書籍 #本 #本が好き #森博嗣 #アガサ・クリスティ #小説 #ミステリー #アマプラ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?