人種差別なのだろうか?
例年より涼しいわ、なんてほざいていたら急にまた熱波が襲ってきた。
天気が良すぎて暑い。暑すぎてクシャミと鼻詰まりが酷くなってきた。これも一種の日光アレルギーなのだろうか?
そんな暑い夏の午後、紫外線の浴び過ぎで疲弊したカラダをソファーに放り投げながらSNSに流れてくるショート動画をぼんやりと眺めていたら、都会の街角で数名の警官に職質されている外国人の動画が流れてきた。
夜中に自転車に乗っていたら職質をされたらしい。
ハッシュタグにはRACISTと表示されている。どうやら職質されたのはこの1回だけではなく、何度もやられているようなのだ。多分、外出する度に職質を受けるのが嫌になってこんな動画をSNSにあげたのだろう。
ここで私が気になったのは、職質を受けている人がどんな身なりをしているかということ。チラッと画面に映った彼はいわゆるオシャレな外人さんだ。学生風でもビジネスマン風でもない、個性派系のオシャレな身なりをしていた。
チラッと数秒も映らなかったから細かくは見ていないが、大人しそうな内向的な感じではなく、外交的なタイプの人のように見える。
そして肌は黒かった。
ハッシュタグに書いてあるRACISTとは人種差別のことだ。人種差別とは特定もしくは自分以外の人種に対して嫌悪感を抱いて差別をしたり不法な扱いをしたり迫害をすることである。
日本の警官たちは、この動画を投稿した人の肌が黒かったから職質をしたのだろうか?
??
通勤や通学、ましてや買い物や一般的な用事で出歩くような時間帯でない夜中に(多分繁華街を)自転車に乗っていたから職質されたのだと私は思うのだが、実際はどうだったのかは分からない。
ただ日本人だって職質される人はいる。それは多分、容姿風貌や立ち振る舞いが不自然に見えるから声を掛けられるのだろう。
つまり、見た目で判断されて声を掛けられているのだ。
それは人種で差別をしていると言うよりは、どちらかと言うと容姿で判断(ルッキズム)されているのだろう。
ルッキズムも人種差別同様、差別に違いないからなくしていかなければならないのは当然だ。
だけどだからと言って、日本の警官が見た目で判断をして職質をしなくなったらどうなるのだろうか。
みんなが平等で差別のない、平和な世の中が訪れるのだろうか?
私が見た動画では、警官たちは投稿者の乗っている自転車の登録確認をしていた。
これは誰の自転車?
何処でいつ買ったの?
投稿者は警官の話す日本語があまりよく理解できていないようで、カタコトの日本語でこたえている。警官の方もスマホの翻訳アプリを使って一生懸命職質の趣旨を伝えようとしている。
投稿者が提示したパスポートには最近入国した記録があるのに、自転車は数年前に購入したものだと言ったことで話がこんがらがり始める。
そこで、何度も来日していて前に来た時に買ったものだ、と言えれば良かったのだが、それが言えない投稿者。
ついに投稿者はカタコトの日本語をあきらめて英語で話し出す。それに対して翻訳アプリでチグハグな質問をする警官。
何処に泊っているの?
Airbnb(ネイティブ発音)
え?どこ?(聞き取れない警官)
Girlfriend's house(ちょっとカタカナ寄りの発音)
それどこ?
投稿者はパニクっているのだろうか?辻褄の合わない返答が混じり始める。上手くコミュニケーションさえ取れていれば数分で済んだであろう職質が、徐々に大袈裟になっていく。
最悪だ。
地方都市でぬくぬくと育った私は日本で職質を受けたことがない。だから、やましいことを何もしていないのに複数の警官に囲まれて質問を受ける人がどんな気持ちになるのかは想像でしか分からない。多分、不安感や恐怖心が入り混じったとても嫌な気持ちになるのだろう。
何の気もなく普通に自転車に乗っていたら警官に囲まれてしまった投稿者も不安で嫌な気持ちになったであろうことは想像ができる。でも彼がハッシュタグに書いたRACISTに同調することは出来ない。
見た目で判断されて職質をされたのは間違いない。たまたま自転車の盗難が多発している地域で目立つ格好をして乗っていたから声を掛けられたのかもしれない。
でもだからと言って、私は今回の職質を差別だとは思わない。
もしかしたら、職質をする警官の中には差別的な発言や扱いをする人がいるのかもしれない。でも今回の動画に映っていた警官たちにそんな素振りはなかった。
相手が外国人で言葉が分からないからと言って、蔑んだりバカにしたりする様子も一切ない。ただただ職務を遂行しているだけだ。
賛否両論あれど、日本の街が安全で平和なのはお巡りさんたちの地道な努力の積み重ねで治安を維持している部分が大きいと私は思う。
警官たちが巡回して職質したりすることで、摘み取られる犯罪の種はきっとあるはずだ。それを差別だと言って批判するのはどうかと思う。
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