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保育と外を繋ぐ対話の会を開催しました

不適切な保育に関する記事を毎日目にするようになり、周りから見て保育現場はどう見えているんだろう、保育関係者はどう感じているんだろうと思っていました。
いろいろなバックボーンの方達と一緒に、話してみたい!聞いてみたい!という思いがフツフツと湧き起こり、「保育と保育の外をつなぐ対話の会」を開催しました。

先にお伝えしておきますが、不適切な保育を行った人や、保育現場を擁護したくて対話を企画したのではありません。

なぜ対話がしたかったのか

立て続けに起こる現場のニュースは、これまで表に出てこなかっただけで、
水面下にはあった問題です。
ストレスが溜まって感情のコントロールができなくなることは、
私も現役の時に何度も経験していますし、それが原因で同僚に嫌な思いをさせたこともあったと思います。
でもそれは私自身の未熟さゆえ。そんな仕事だからと理解して欲しいのではありません。
また、今後の保育士の教育に何が必要なのかという議論をしたいわけでもありません。
一時期加熱していた報道や、SNSでの反応をみて現場の人たちのことが気になっていた時に、「保育士になるのを迷っている」という学生の声を聞いたことで、これは一大事だと危機感を感じたことがきっかけで、さまざまな人たちの視点からどう見えているのかを聞いてみたい。そんな思いから企画をしました。

参加していただいた方は、
助産師、大学の先生、NPO代表、保育園の運営者、認可外保育園保育士、社会福祉士、他の仕事から保育士を目指し、資格を取得したての保育士。
保育とは違うお仕事をされている方と、保育関係者が半々くらい。
保育関係者とはいえ、みなさん環境や立場は違う方ばかりでした。
保護者の方のお話もこの場で伺ってみたかったのですが、今回は残念ながら参加はありませんでした。
予想以上に面白い対話となりましたので、その中で印象に残ったことをご紹介します。

保育は誰のためにしているの?

子どもたちを保育しているときに、子どもファーストを大切にしたいと思いつつ、
実際には保護者の就労を保証するために、長時間保育園にいる子どもたちが安心して過ごせる環境を、どのように整えていくかが大きな課題でした。
自分の勤務時間よりも長く保育園で生活をする子どもたちの姿に、
「子育て中の保護者の働き方が、もっと子どもに合わせることを認める社会になればいいのに」と感じていました。
私自身も、子育て中にファミリーサポートや延長保育、病児保育などを利用しながら仕事を続けてきましたので、働く保護者を支えるための制度が整ってきたことは、ありがたかったし必要なことだと思います。
ただ、「同じように働く」ことが前提の中に、小さな子どもを抱えた自分を合わせることがとても苦しかったことは事実です。
対話の中で印象的だったのは、子どもファーストで命を守り育んでいく保育と、経済を支えるため働く保護者を支える保育との中でやるべきことが増え、実は「子どもが置き去りになってはいないか?」という視点でした。
これについて私も思うところはありますが、答えを急がず、もう少しよく考えて私なりの意見を見つけたいと思います。

楽しさもクローズアップしてほしい

現場で管理職をされている方から、
病児保育や延長保育など、保護者や子どもたちのために事業を継続していきたいと思うが、人材を増やしたくても人がいない。これ以上保育士不足に拍車がかからないことを願うばかり。
という現場の厳しさを感じるお話もありました。
保育だけでなく教育や福祉の業界など、人をケアする職種では、何かが起こった時の社会の反響は大きいですが、本来は子どもに関わることで楽しさや喜びがたくさんあり、自分自身も人として成長することができる仕事です。
しんどさもあれば、喜びもある。
きっとそれは教育や福祉も同じです。
働く人も、目指す人も、利用する人も、社会も、そこにいる人たちが必要以上に不安にならないためにも、せめて起こったことを伝えるのと同じくらい、ポジティブな話題も伝えてくれたらと思います。

まとめ

今回はあえて、保育関係者と、そうではない人たちとの対話の場を作りました。
話してみると、保育からみてモヤっとすることは保育だけのことではなく、さまざまな人たちと共有できることだとわかりました。
もし今回、保育関係者だけで対話の会をしていたら、もっと深掘りはできたかもしれませんが、広い視野で考えることは弱かったかもしれません。
話しにくいテーマにこそ、そこにあるいろいろな人の思いや願いを共有していく大切さを感じましたし、自分と違う仕事や環境の人たちと話をする機会は必要だと思いました。
またこのような会を企画します。今度は保護者や学生、潜在保育士も一緒に話してみたいな。
年度末で現場はとても忙しい時期。
どうか、忙しい中にも、子どもたちとの豊かで幸せな時間が過ごせますように。






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