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日本のコンテンツ作りの素晴らしさを伝えたい。

前のポストでミドルエッジが目指していることについて記述しました。その実現に向けて過去情報の書き手と読み手を増やし続けること、メディアとしての認知度が高まることでより多くの情報が集積する場所となること。私たちが心揺さぶられたコンテンツやトレンド、具体的には音楽、映画、漫画、アニメ、ゲーム、プラモデルなど創り手たちが往時を語り残しておきたくなる場所へ。そして一世を風靡した芸能人や感動を与えてくれたアスリートらが、往時の心境を書き記しておきたくなる場所へ。

戦後日本の比類ない成長期に生まれ育まれたコンテンツ文化、無数の人生(生き方)の集積を、インターネットの利点を生かして後の世に残すことが出来たらと思って活動しています。

ミドルエッジの取組を続けるなか、多くの創り手の方と接点をいただくこととなりました。一方で、この取組を見聞きしてご縁が繋がっていくのが中国をはじめとした諸外国のメディアや企画会社の人たちです。とくに中国のツアー企画会社とこれまでに複数回実現させている取組に「研学」というものがあります。

中国は爆買いから研学へ

一時期、中国人観光客による爆買いという言葉が流行りましたが、いまは随分と落ち着いております。日本製品の質の良さを感じ、日本で大量に購入した品を中国で使用したり転売する、そうしたことを長く続けるほど中国という国は停滞していません。世界の工場と呼ばれたころから貪欲に技術を習得し続ける中国は、良いプロダクトを作る技術や工程についてどんどん吸収して成長を続けています。粗悪とされるプロダクトもありますが、その先端技術においてはもはや一概に日本が上回るとは言えない時代です。

その勢いはコンテンツの分野も然りです。例えば日本においては紙上で白黒の時代に育まれた漫画は、そのエッセンスを学びながらも中国ではスマホ上で縦スクロール、フルカラーで急速に発展を遂げています。脚本、キャラ設定、ネーム(コマ割り)から描画まで、日本よりも組織的な分業体制での大量生産期に入っており、テンセントやアリババといった巨大なプラットフォーム上で凌ぎを削って急成長していきます。

技術の前にあるべき志や思想

さて、そのような中国で講演を行ったり観光ツアーで実習講義を行ったりということをミドルエッジはお手伝いしています。これは中国人がいま「なぜ日本でコンテンツ文化が生まれ育ったのか」に関心を寄せているためです。

ミドルエッジがというのは語弊がありますが、お付き合いさせていただいている漫画家の先生やアニメーション制作会社の方、格闘家の方などに依頼をして、なぜその道を志したのか、当時どのような信念を抱いて取り組んでいたのかなど、手法でなく考え方を伝えることが望まれています。研学という言葉が中国にあり、いまは爆買いでなく研学プログラムに子供たちを参加させることが、中国の若い親世代のブームなのだそうです。

コンテンツ作りの素晴らしさを伝える

中国のみでなく、アニメーションでいえばアメリカでもイギリスでも、どのようにして日本のアニメーションが生まれたのかを伝えてほしいというオファーをいただきます。何か特別な転機があったから日本でコンテンツ文化が育まれたのか?という認識を持つ人が多く、そのような問いや関心に応えていくことは、広くは日本のコンテンツ作りの素晴らしさを伝えていくことに繋がるのではないかと考えます。「クールジャパン」はコスプレだけではありません(笑。

先日、京都アニメーションの痛ましい事件が起こりました。世界で支援の輪が広がっている現象を目の当たりにする一方、日本においてはコンテンツの創り手がもっと安心して仕事に打ち込めるセキュアな環境整備が進むべきという考えも必要だと思います。かけがえのない財産と考えるならば、日本のコンテンツ作りの素晴らしさを世界中に喧伝することに使命感を燃やす民間企業があってもよいと思います。

日本国内に向けてのミドルエッジの理想と海外に対しての取組み。この両輪をエネルギーの続く限りやっていきたいと考えます。

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